地味に辛い副作用

 派手に辛いのはゼローダ下痢ですが、地味に辛いのはエルブラッド投与後に起こる末梢神経障害によるビリビリ感がまずあります。寒冷惹起となってますが、1クール目なんて12月に無防備で挑んだものでビックリ仰天させられました。ありゃ、寒い時期にやるものじゃないと痛感しています。

 これについては気温が上がって来ると緩和されて、これはどこかに書いてあった経験談ですが、外来化学療法終了後にアイスクリームを食べたら酷い目にあったなんて話がありました。そりゃ、そうなるでしょうが実感としてわかります。

 ビリビリ感はそうですね、1週間ぐらいでおさまる感じです。これもクールを重ねると長くなり、さらに後遺症として残ることもあるので要注意なんですが、今のところはそれなりで収まってくれています。

 手足症候群については黒色化はそれなりにありますが、さほどの悪化はありません。これも酷くなると垢ギレが指だけでなく足の裏全体に広がって歩けなくなるほど悪化し、治療中止の原因になることもあるようですが起こらなくて幸いです。ひたすらヒルイドイド塗り込んでいます。これがどれほどの予防効果があるかはわかりませんが結果オーライぐらいです。

 他には日によって体調変動が大きいこと。それなりに元気な日もありますが、1クール目に打ちのめされた疲労とまで行かなくても、ひたすら倦怠感が強い日があります。このままあの悪夢の疲労状態に雪崩れ込まないかヒヤヒヤしています。

 どれも化学療法の定番の副作用みたいなものですが一番地味に応えているのが味覚障害。私の場合はひたすら苦味が強調されます。つうか、常に口の中に苦味があって、食べるとすべての食べ物に降りかかる感じです。そうですね、苦みのふりかけがすべてに乗っかってる感じと言えば良いでしょうか。

 味覚障害と言ってもまったく味覚がなくなる訳ではなく、本来の味もそれなりにわかるところもあるのですが、苦みがぶち壊している感じになっています。だから何を食べても美味しくないのです。それでいて食欲はありますから、美味しい食事を頂くというより、エサを胃に流し込む作業と化しています。

 ここも人によってはもっと酷いというか、食事へのこだわりとか、嘔気の関係もあってか、クールのたびに体重が減ってしまう人もおられるようです。気持ちはよくわかります。ホントに地味に辛いものです。


 食事関連の話になりますが、入院した病院は担当医以下ほかの各種スタッに本当に良くしてもらいました。まさに病者に依りそうを体現していたとしても良いと思っています。建物も新しく、病人なりに快適に過ごせて頂きました。退院時にアンケートみたいな物も書かされたのですが、精一杯良い評価にさせてもらっています。

 ただ、食事だけは別です。あれは不味かった。ホントに不味かった。たまたまですが、うちの職員もその病院の入院経験があるのですが、

    2日目から手も付けなかった
 わかります。申し訳ありませんが、それぐらい不味いのです。うちの職員の場合はとくに食事制限がなかったので「避ける」という選択もありましたが、私はそうは行きません。そりゃ、大腸の病気ですから勝手に病院食以外のものを口にするなどもっての外です。

 さらに言えば、食事量で回復具合のバロメーターにされます。食事量が進まないと退院判断に影響するじゃありませんか。そりゃ、もう必死になって胃に流し込みました。毎回完食でしたが。あれはあれでなかなかの難行苦行でした。

 n = 2では信憑性に欠けるのでもう少し集めると、うち診療所にその病院の勤務者が勤めていた事がありますが、給食の味の評価は散々でした。

    あの赤魚ってなんやねん!

 赤魚? パッと思い浮かんだのが鯛でしたが、鯛なら鯛と書くはずで、まさか金魚じゃないないだろうと思っていましたが、入院中に出て来ました。なるほどこれが悪評高い赤魚かとわかった次第です。病院看護師にも聞いてみたのですがサラっと、

    エエ、皆さまそう仰られます
 最悪また入院治療の可能性は残っていますが、医療はともかくあの病院食に付き合わされるのはだけはウンザリです。断片的な噂に過ぎませんが、どうやらあの病院の伝統みたいなものらしいのですが改善してくれないかな。まさか早期退院を促すための戦術じゃないとは思っているのですけど。