続々・・・アラカンの修羅場

 3日に渡って結腸癌のstage 2 high risk groupのムックをやりましたが、目的はその謎を知る事でなく、それを受けてどうするかです。とにかく命が懸かってますからこれ以上重要な問題はありません。ここは割り切って考える事にしますが現時点でわかったことは、

  1. stage 2も3も8コース治療と4コース治療に差が無い
  2. これはstage 2 high risk groupも同様
  3. stage 2 high risk groupの3年DFSは95%
 つまりは4コースの術後化学療法を受ければ必要にして十分になります。ここもあえて言い切れば結腸癌の化学療法の特異性を現わしていると見ます。効果は間違いなくありますが、クールを重ねれば重ねるほど上がる訳ではなく、現状でわかっているのは4回で効果の上限に達してしまうぐらいです。

 それでもの再発は起こりますが、これは現在の医学の限界として甘受せざるを得ません。ここで問題になるのは私の場合はコースアウトしています。1クール目でトラブルに見舞われてしまい、その結果として、

  • 1コース目のフルXeloxコースはゼローダの内服量が半分で終わってしまっている
  • 2コース目はエルブラッド抜きでなおつセローダは2割減量
  • 3・4・5コースはエルブラッド・ゼローダともに2割減量
 これをどう評価するかは、それこそ藪の内のドンブリ勘定の世界に突入します。化学療法剤の効果は相対薬用量強度で評価されますが、これは単純には一回のクール当たりの化学療法剤に量になります。これが私の場合は減量を余儀なくされていますから、同じXelox療法を4回やってもフル4回に較べて効果は落ちることになります。

 ですから副作用と相談しながら8クールまで続ける選択はあります。後3クールですから、やってみないとわからない部分がありますが一つの考え方です。もう一つの考え方としてもう1クールで終わりにするです。そうすれば、

  • 不完全なフルコース1回
  • ゼローダ単独2割減量コース1回
  • 2割減量コース4回

 合わせ技で1本でどうだのドンブリ勘定です。こんなものいくら考えても正解なんてあるはずもなく、そうですね求めらるのは、

    患者の納得感
 妙な表現ですが担当医もそういう落としどころを探ってるはずです。これは担当医を責めている訳でなく、そうするのが担当医の役割だからです。患者にまだやり残しているの不満を残して安易に治療中止をし、そこで再発なんて事態になれば、こじれまくれば法的措置まで発展しかねないのが世の中です。

 ここからは単なる希望的観測になりますが、8クールでも4クールでも治療効果は変わらないの結果はまず出ています。ここなんですが、じゃあ、4クールスと3クールならどうかはあります。

 将来的には4クールでも過剰で、3クールでも十分とか、2クールでも十分なんて結果が出て来るかもしれません。2クールはさすがにどうかと思いますが、4クールと3クールで差が無いなんて結果も出て来るかもしれません、

 それを言い出すと術後化学療法無しでも、9割弱ぐらいはhigh risk groupであっても再発はないはずです。そう、術後化学療法自体が無駄になっている可能性です。だったら、だったら、合わせ技で1本程度で必要にして十分じゃないかぐらいの考え方です。

 相対薬用量強度だって、あれはあれで個人差があります。2割減量でもフルと変わらない効果を発揮している可能性だってあるのです。もっとも逆のケースも余裕でありますけどね。

 どこまで行っても答えなんてあるはずも無い世界の愚痴みたいなものです。とにかく厄介なのは相手は姿が見えないどころか、存在しているかどうかさえ不明なんです。なのに生死を握っている相手です。

 医者と言っても患者の立場になれなこんなものだの体験を日々重ねています。これは、これでエントリーのネタにはなりますが、懸かっているのが自分の命なのがシャレにならないところです。