解散総選挙だ

今日は他の話題を出してもアレなので・・・

野田首相民主党政権で一番真っ当な総理であった気がしています。言っちゃ悪いですが、先代・先々代より先に総理の座に就いていたら、民主党政権の様相はかなり変わった可能性もあったかもしれません。とは言え先代・先々代の総理選出時に野田首相にチャンスがあったかと言うと党内力学的にかなり遠く、見果てぬ夢みたいなところがあります。

喩えとしてどうかと思いますが、麻生元首相の立場と似ている気もしています。麻生氏も先代・先々代で人気が落ち込みきっていた与党を率いざるを得ず、野田首相と同様に捻れ国会の運営に苦心惨憺しています。まあ、麻生氏と立場は類似はしていますが、麻生氏は党の分裂だけは起さなかったので、その点はやや違うの評価はあるかもしれません。

これも基盤とした与党である自民党民主党の結束度の差は大きい気はしています。人によって様々な評価は当然のようにあるとは思いますが、個人的には御苦労様と言いたいところです。あの状況で政権を担えば、誰であってもそうは成果を残せないと思っています。


とにもかくにも解散総選挙は行われます。前回、前々回の総選挙は実質的に「自民 vs 民主」で前々回は自民の小泉劇場の圧勝、前回は民主の政権交代のフレーズの下に民主の圧勝です。順当に行けばオセロは自民の番で圧勝の予想も立てられます。このブログも長くなったもので、前々回も前回も選挙結果の批評を書いていますが、感想としては圧勝は良くなさそうです。

圧勝すると言うのは政権安定につながりそうなものですが、実際のところはそうはならず、小泉氏の後は毎年のように首相の交代劇が繰り返されています。なんの皮肉か1年交代の端緒となった安倍氏自民党総裁に返り咲き、順当に行けば次期総理ですが、前回の経験がどれほど活かせるかは注目されるところです。個人的には自民が勝ったとしても、それなりの勝利であるぐらいが望ましいのではないかと思っていますが、はてさてどうなる事やらです。


今回の選挙の注目は「自民 vs 民主」だけではなく、第3極と称される政治勢力の消長も注目されています。まあ、自民も民主も末期にはウンザリさせられた面は否定できず、今回も「よっしゃ自民だ♪」と素直に乗り切れない世論があるのは認めます。だからこそ第3極が生れたのですが、ここもまた微妙な位置にいるような気がしています。

第3極のトップランナーは衆目の一致するところで維新です。ここも評価が様々に分かれるところですが、一時の爆発的なパワーは無くなって来ている印象があります。とにもかくにも維新は急ごしらえの面が余りにも強く、党首である橋下氏を除けば「後は誰がいるんだ?」的な不安感が拭いきれないところです。都市部では橋下氏人気で「私はとにかく維新候補です」でも戦えるかもしれませんが、郡部となると苦しそうなところです。

個人的な注目はそういう状況で橋下氏が出馬するかしないかです。橋下氏の選挙での出る出ないは信用しなくても良いのは前例がありますから、さてどうなされるんでしょうか。

その他となると太陽の党でしたっけ? 都知事を辞任してまで作られているのですが、チト高齢者軍団です。ベテランぞろいとも言えますが、そこに若手のミックスが乏しい気がしています。ヒョットすると選挙になれば石原軍団の大量擁立でも企画しているかもしれませんが、東京都以外でどれだけ戦えるかは未知数も良いところの気がしています。


第3極的な政治勢力は今回は実はチャンスです。小選挙区制は政治制度として2大政党になるシステムです。現在の2大政党は自民と民主ですが、小選挙区制で政治勢力を築くには既成の2大政党のどちらかに取って代わる必要があります。民主の凋落はある程度確実ですから、民主に変わって2つ目の2大政党に伸し上がる好機と言う訳です。

だからこそバタバタと名乗りを上げていると思っていますが、バラバラでは不利です。小選挙区の当選は1名であり、比例救済で当選するにも2位に入る必要があります。そこに第3極がダブって立候補なんてすれば、票がばらけるだけで食い合いの末に共倒れになります。だからこそ大異があっても大同をやらなきゃいかんと前都知事は唱えていると思っていますが、これもどうなるのでしょうか。

第3極は純粋に風頼みの選挙戦術ですから、どこも安易な野合に慎重です。安易な野合批判は風を失う事になりかねないです。つうか、現時点では比較的強い風を受けているされる維新でさえ、失速気味のところがありますから、なかなか雪崩を打っての結集が難しそうにも見えます。これも総選挙までにバタバタと話がまとまったりするんでしょうか。

あくまでも「なんとなく」ですが第3極の諸勢力は解散総選挙をもう少し先と予想していた気がします。結集の必要性は認めても主導権は握りたいので、結集条件の駆け引きをもう少しやりたかったんじゃないかです。それが突然切羽詰ったので、今後は野合批判をどうやって出さずに結集するかの演出に腐心せざるを得なくなる気がします。

時間切れでバラバラのまま総選挙に突入するか、土壇場で手を結ぶかはチョットした注目点です。


いずれにしても民主政権3年間はついに終りました。次は期待しても良いのですかねぇ。今日はどっちみち、この話題でもちきりになるでしょうから、浅いところで床屋政談とさせて頂きます。