神戸市の節電計画

5/29付神戸新聞より、

でんき予報97%超で無線呼び掛け 神戸市

 今夏に深刻な電力不足が予想される中、神戸市の矢田立郎市長は29日の会見で、関西電力の「でんき予報」で電力使用率が97%を超える見込みとなった場合、防災行政無線を使って、市民に全ての電化製品の使用を一時中止するよう呼び掛ける考えを示した。「医療や公共交通、経済活動などに大きな影響を及ぼす計画停電を避けるため」と理由を説明し、「市民一人一人が暮らしぶりを見直し、一丸となって耐えてほしい」と訴えた。


 同市は東南海・南海地震に備え、半径300〜500メートルに音が届くスピーカー付きの防災行政無線を約100カ所に設置。無線の内容は、消防団や自主防災組織「防災福祉コミュニティ」の役員宅などにあるラジオ型受信機約2千台にも流れる仕組みになっている。

 同市によると、「でんき予報」で使用率が97%を超える場合、その2時間前に関電からメールが届く。受信後すぐ、同無線で一般家庭に対し、「照明など、全ての電化製品の作動停止」を呼び掛けるという。

 同市は昨夏以降、庁舎エレベーターの間引き運転などを継続中で、6月中旬ごろに新たな節電対策を示す方針。ただ、市営地下鉄の間引き運転については、矢田市長は「支障が大きい」と慎重な姿勢を示した。

 また、関電側は「中長期的な脱原発依存」を求める神戸、京都両市の株主提案に反対の姿勢だが、「原発を即廃止しろと言っているわけではない。(6月27日の株主総会まで)関電側に採択を働き掛けていく」とした。(黒田勝俊)

まずこの記事の正確性ですが、神戸市HPの1ch ようこそ市長室へに会見の動画があります。非常に文字を起こしにくい動画なので、市側が市長発言をまとめたと考えられる節電ご協力のお願いを引用しておきます。

この夏は、昨夏以上に電力の需給見通しが厳しくなる見込みであり、先日、5月24日には、関西電力から節電の要請を受けました。

私としては、電力の安定供給の観点から、電力事業者による可能な限り最大限の取組を引き続き進めていただくことが最優先であると考えています。しかしながら、現時点では、約15%の電力が不足する見通しであり、それに対して、昨夏の例でいうと、関西電力管内でのピーク時の節電効果は8%、特に家庭は4%に過ぎません。そのため、昨年以上に節電を徹底しないと、医療や公共交通など市民生活や経済活動に大きな影響を及ぼす可能性のある計画停電が避けられない事態になってしまいます。

計画停電を避けるためには、例えば、緊急時には、エアコン、照明など全ての電化製品の作動をただちに停止するなど、神戸市民が一丸となって耐え、そして、立ち向かっていかなければなりません。

この夏は、一人ひとりの暮らしぶりを見直し、「エアコンを消して扇風機を使う」「不要な照明、テレビは消す」「長い時間使わない電気製品のプラグは抜く」など、これまでの暮らしぶりを変え、無駄な電気を節約する「節電」を進めることが必要です。

そのため、神戸市としても、自ら取り得る可能な限りの節電対策を進める取り組みを検討しているところです。市民一人ひとり、事業者の皆さんも一緒になって、できる限りの節電を進めていただくことで、この夏の電力不足に一丸となった対応を行いたいと思いますので、ご理解・ご協力をよろしくお願いします。

実際に私が動画で聞いた限り、また市長のコメントを読む限り記事内容は正しいと思います。ちなみに会見時には配布資料があるようで(どうもマスコミにしか「なぜか」公開されていないようだ)、この資料に基づく記事が第2段落以下の内容のようです。


さて節電に協力するのはやぶさかではありませんが、市長が具体的に節電法としてあげた

    この夏は、一人ひとりの暮らしぶりを見直し、「エアコンを消して扇風機を使う」「不要な照明、テレビは消す」「長い時間使わない電気製品のプラグは抜く」など、これまでの暮らしぶりを変え、無駄な電気を節約する「節電」を進めることが必要です。
これなんですが、あくまでも私の聞いた印象、また市長の文字化された提案では「基本的」にやって欲しいです。つまりこれらを夏のピーク時節電としてベースとして行った上で、計画停電の危機が迫ったならば、
    全ての電化製品の作動をただちに停止
それこそ冷蔵庫も切って欲しいです。簡単に言えば、家のブレーカーごと落とすような節電を要望されていると解釈します。家庭が実質的な停電状態になることで、電車や工場、信号などの電力を確保したいぐらいと思われます。詳しい試算は私の手には余りますが、神戸市の試算ではそこまでしないと15%節電は不可能であると判断したかと考えます。


指摘するまでもないと思いますが、ここまでの節電も神戸市だけ行なったのでは効果は限定的です。兵庫県はもちろんの事、関電管内のすべての家庭が協力するように市長は提案(関西広域連合とか・・・)され協力を得ると思っています。言ったら悪いですが、神戸市民だけエアコン無しに耐えて、他の関電管内はそうでないのなら、いくら神戸市民(てなほど高尚でもありませんが・・・)であっても「それはないで」の声ぐらいは出てきます。

厳しい節電計画ですが、ここまで必要ならテレビのピーク時シャットダウンも現実味が出てきます。NHKだけ緊急用に確保して、民放はシャットダウンにしても問題ないでしょう。そもそも節電のために見ないのですから、そのためにテレビ局が電気を使うだけでも無駄です。民放の収入源はCM料ですが、ほとんど誰も見ないところに広告を出しても、それこそ無駄遣いです。

まあ、エアコンなしで暑さに耐えている中で、クーラーが効いたスタジオの番組を見るだけで腹が立ちますし、そこに流されるCMに好感を抱くかと言えば疑問符がつけられます。


市長の提案と言うか要請がどこまで現実化するは何とも言えませんが、もしかなり具現化すると厳しい電気狩りが行われそうに思います。どこかの市長は既に真剣に提案していましたが、監視員を市内に巡回させて節電を徹底させるです。いや、監視員なしでも節電のための通報は頻発する様な気がします。世の中そんなものですし、暑さは人を一種の狂気に追い込みます。

そうなったら、うちの診療所もサマータイムにするしかないですね。ピーク時を具体的にどの時刻に設定するか情報を持ちませんが、ピーク時の節電タイムまでが午前診、終ってからが夕診です。節電タイムが長ければ診察時間をカットしましょう。診療所とは言え、エアコンをつけていたら何を言われるかわかったもんじゃありません。

そして節電タイム中はドライブにでも行きましょうか。クルマのエアコンは節電とは関係ありません。もちろんどこにも止まりません。どこでクルマから下りても暑いだけですから、ひたすら涼むために走るです。ガソリン代のかかる暑い夏になりそうです。



・・・ここまで書いて、ヒョイとニュースを見ると大飯原発再稼動への政治決断の話が流れています。再稼動したらエアコンは稼動できそうに思いますが、まだ再稼動までには紆余曲折と言うか、これはこれで少なからぬ人々の逆鱗に触れる事は間違いありません。どうなる事やらです。