動機はなんだろう?

まず7/10付カナロコより、

土下座強要し頭踏む、横浜市大男性教授が学生に威圧的行為/神奈川

 横浜市立大学医学部の男性教授が今年2月、3年の男子学生に土下座を強要した上、頭を踏むなど威圧的な行為をしていたことが9日、分かった。

 市大によると、学生は4月28日、精神的苦痛を受けたとして教授を相手取り横浜地裁に330万円の損害賠償を求める訴えを起こしている。教授側は事実関係をおおむね認め、すでに謝罪。損害賠償については和解に向けて話し合う姿勢という。

 市大によると、学生は今年2月、学期末の試験中にトラブルがあり、終了後に教授室を訪ねた。その際、土下座を強要させられた上、頭を丸めて反省文を提出するよう求められたという。学生は身に覚えがないとしており、3月に市大のハラスメント防止委員会に申し立てていた。

 市大は現在、詳細な事実関係を調査中で、「厳正に対処する」とコメントしている。

続いて7/9付読売新聞より、

土下座強要、頭踏まれた…教授をパワハラ提訴

 横浜市立大医学部医学科3年の男子学生(20)が、男性教授に土下座させられたうえ、頭を踏まれ、精神的苦痛を受けたとして、教授を相手取り330万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしていることが8日、分かった。

 市大は事実関係を調査中で、処分を検討する懲戒審査委員会(委員長・布施勉学長)も開かれている。

 訴状によると、教授は今年2月、学期末試験会場で、男子学生に「犯罪者」「ストーカー」などと発言。学生は身に覚えがなかったが、試験終了後に教授室を訪れると、教授から土下座を強要され、頭を踏みつけられたという。さらに、教授から、頭を丸め、反省文を提出するよう求められ、「多大な精神的苦痛と恐怖を受けた」としている。

 学生は3月、市大ハラスメント防止委員会に被害を申し立て、4月28日、横浜地裁に提訴した。

 教授は読売新聞の取材に「ノーコメント」と話している。6月20日に第1回口頭弁論があり、教授側は答弁書で、土下座させ、頭を踏みつけたことなどについて「おおむね認める」とした。また、「深く反省しており、原告に直接謝罪したほか、翌週には原告本人と両親に再度謝罪している」とし、損害賠償については「争う」としている。

 一方、市大人事課は「事実関係を調査中だが、真実だとすればパワハラにあたる」との見解を示している。

当事者の教授については名前まで特定されているようですが、それはあえて出しません。興味のある方は自分でググって下さい。まず教授の決定的に良くないところは、学生の頭を踏みつけた事です。これは如何なる理由があろうとも通常は許されざる行為です。この点は異論が少ないかと思います。本当に踏みつけたかどうかも、読売記事を信じれば、

    教授側は答弁書で、土下座させ、頭を踏みつけたことなどについて「おおむね認める」とした。
今日のところは学生を土下座させ頭を踏みつけたのは事実としておきます。ただそこまでの行為を教授が行った動機があるはずです。教授が性格的に粗暴であった可能性もありますが、日常的にそういう粗暴な行為を繰り返していたら、そうそうは教授の地位までたどり着けないと考えます。ここは素直に、そういう行為を行なわせるほどの動機があったと考えます。

動機はかなり強いものであったと考えます。ある意味、日頃の自制を吹き飛ばすほどの動機が無いと、通常はここまでの行為を起こしません。では動機らしいもはと言うと、カナロコと読売は微妙に内容が違います。

  • カナロコ


      学生は今年2月、学期末の試験中にトラブルがあり、終了後に教授室を訪ねた。その際、土下座を強要させられた上、頭を丸めて反省文を提出するよう求められたという。学生は身に覚えがないとしており

  • 読売


      今年2月、学期末試験会場で、男子学生に「犯罪者」「ストーカー」などと発言。学生は身に覚えがなかったが

カナロコだけなら学生の試験中の不正の定番であるカンニング関連かと思うのですが、読売では一転して女性問題を疑わせるものになっています。ただ読売の女性関係を印象付けるのは「ストーカー」ですが、何故に女性問題が試験中の教授の罵声となり、さらに試験後の土下座・頭踏み騒ぎにつながったのか正直なところ「???」です。

あえて推測すれば直接の原因はカンニング問題であり、これに対する叱責・罵声として、何らかの普段の学生の他の行動とあわせて「ストーカー」が出てきた様にも思えなくもありえません。いづれにしろ、教授の動機をこれだけから推定するのは無理があります。それでも試験会場でそこまでの発言を行う事自体が、相当の動機が存在する事を示唆します。

何がそこまで教授を駆り立てたのかにどうしても興味が湧くのですが、それ以上の情報はありません。この教授の罵声に対しての学生の行動も少し不可解なところがあります。カナロコ、読売とも学生は「身に覚えがない」としています。つまり教授が誰かと誤認してその学生を罵声を発した事になります。そうなれば教授は、

  1. 誤認した学生に試験会場で罵声を浴びせ
  2. 試験後に誤認した学生を土下座させ、頭を踏みにじり
  3. さらに丸刈りの強要や反省文の提出を求めた
完全に怒りを誤爆させた事になります。ただ本当に身に覚えがなければ抗弁ぐらいはするんじゃないかの疑問です。たしかに教授と学生はある種の上下関係ですが、20歳にもなって完全な誤爆をヘーコラと受けたのがちょっと不思議です。記事を読む限り、学生は教授の命じるままに土下座までは行っています。つうか土下座しないと頭を踏めません。

そうなると学生は抗弁しても聞き入れられずに、その場を収めるために土下座をしたのでしょうか。そういうのも無いとは言えませんが、土下座まで行ってしまうと誤爆ではなく真犯人は自分であると認めるようなものです。言っても教授と学生ですから、怒鳴りあいになっても、そうは簡単に土下座まで至らないと考えるのは甘いでしょうか。


教授とて、ここまでの行為に出るのですから、ある程度まで「とある学生」の「とある許されざる行為」の証拠なり証言を得ているはずです。それも行った行為からして、第3者的な公憤と言うより、当事者的な私憤がかなり入り混じっている感触があります。第3者的な公憤であれば、自分は当事者ではありませんから、怒りが強ければ直接的な行動に出る必要はなく、教授会なりで粛々と処分を検討すれば良いからです。

ここまで直接的な行動に出るという事は、そこまでしないと腹の虫が収まらないほど強烈な私憤的な要素があるように考えます。ではそれはなんだろうと話はグルグル回るのですが、サッパリわかりません。


もっともなんですが、教授のキャラはもちろんの事、横浜市大の学風も存じませんから、今回程度の事は起こるべくして起こったことなのか、そうでないかは判断しようがありません。それでも頭を踏みつけたのは隠しようもない事実のようですから、訴訟も学内の処分も教授は受けざるを得ないでしょう。手と言うか足を出した時点で、どんな理由と言うか、表沙汰になった時点でアウトです。

だからこそ動機もまたさぞ凄いものだろうと野次馬的関心が湧くのですが、こういう事は「動機はともかく」になりますから、動機もまた伏せられてしまうと予想しておきます。処分の報告書は公開されるのかなぁ?。