ツイッター的な小ネタ

相変わらずタイムラインに流れるツィートがどういうメカニズムで湧いてくるのか理解していないのですが、そこで拾った小ネタです。とうに流れてしまっているので、記憶に頼って紹介します。

どうも議論発端は患者の要求によるついでと言うか、無駄な検査の取扱いであったようです。これについては自費で取り扱うべきだの主張が根幹のようです。個人的には一つでも自費の検査が混じれば混合診療になり、すべて自動的に自費になるとは思いましたが、その点は置いておく議論と理解しておきます。

続いて出た議論は、医師が無駄と考えても検査したら異常が出てきた時はどうするのだの意見です。これはありうる事で、開けてビックリ玉手箱は実際の診療ではしばしばあります。この時点であくまでも自費であるとする意見と、異常があったのだから遡って保険適用にするべきだの意見が出ていました。ふ〜ん、と読んでいたのですが、見つかったのがガンならどうかの議論が発展しています。

それでも意見は二つに分かれ、あくまでも自費であるという意見と、ガンは別にすべきだの意見が出ていました。あくまでも自費派の意見として、人間の体なんて探せばどっかに異常が出るのだから、そのたびに保険適用していたらキリが無いみたいな主張です。

一方で、現実的には患者が主張すれば、なんのかんのと言いながら自費でなく保険で検査するのが実情だの意見も出ていましたが、私の印象では軽く流されていた感じです。無駄な検査は自費派の方の正論として、「そんな事をすれば際限が無くなる」みたいな意見が強かったような感じです。


ネットなので議論に参加されていた方々が医師なのか、そうでないのかの問題がまずありますが、私の印象としては医師ないし医療関係者であると感じました。もちろんそう感じただけで、確たる根拠はありません。ここは仮に医師であるとすれば、強硬に自費を主張していた方は、実経験に基かれた主張であるのか、議論のための意見であるかは興味深いところです。

実経験に基くものであるなら上述したように混合診療の問題が必然的に生じる事になり、現場でこれをどう処理しているかは注目すべきところです。便法として保険診療と健康診断を併用(これも厳密には違法)する手は無いとは言えませんが、問題は異常が見つかった後の対応です。これは実体験でなく、仮定の議論であっても同様です。

私の頭をよぎったのはJBMで、JBM的にもっとも怖い設定の一つは、患者が主張した検査や治療を医療側が拒否した時です。結果論として治療や検査が必要であった時に「見逃し」による注意責任義務が問われます。全部が認められる訳ではありませんが、訴訟で覆すのは半端な手間ではありません。ただ「見逃し」については自費であっても検査はしていますから、とりあえずは免れます。

それでもこの議論の自費検査の設定を思い出して欲しいのですが、医師はその検査を不要と判断しています。一方で患者は必要である、ないしは行って欲しいと要求しています。折衷案として検査を自費にしているのですが、患者側には不満が残るものになっているとするのが妥当です。異常がなければ医師側は「ほら見たことか」で余裕の対応は可能ですが、異常が出れば患者側からの「ほら見たことか」の反応への覚悟が必要です。

そういう状況で元の検査はあくまでも自費と現実として貫き通せるかが問題でしょう。角を立てずに事を収めるにはかなりの手腕が必要そうに感じます。個人的には、それ以前に巧妙に健康診断に誘導するのが一つの対策ですが、厳密にやれば日を改めての検査が必要ですから難しいところがあります。また検査によっては健康診断に誘導し難いものもあると思っています。これもツイッターの意見にあったのですが、打撲か骨折でもめた時なんかもそうなりそうです。


誤解無い様にして欲しいのですが、ツイッターの議論自体は本筋として間違っていないと思っています。ただ現実論として、患者を目の前にしてそこまでドライに対応しきれるかの点に非常に興味が湧きました。ここも難しい点は多々あり、現実論を振りかざして無制限に患者が要求する検査を網羅的にするのは良くないと言われればそれまでです。

だからなんとかすべきを論じるのは悪い事ではありませんが、少々微妙に感じた次第です。もちろん論争には参加せずROMしただけです。そういう点はヘタレかな?