広い意味での口蹄疫関連情報ですが、本質とは全然関係ない、いつものマスコミのお話を2つほど。
これは天漢日乗様が経緯を人呼んで「赤松口蹄疫」 宮崎県口蹄疫は4/20の発生から26日間で8万頭殺処分決定のパンデミック規模(その15)フジテレビクルー、宮崎で口蹄疫拡大のバイオテロ敢行 消毒もせず未発生の畜舎に乱入、カメラを回す@宮崎県砂土原町→フジかどうか不明だが5/17に感染畜舎を消毒せずに取材したクルーが居た模様 こちらは完全にバイオテロ→追記あり「フジテレビの砂土原町取材は事実」@テレビ宮崎としてまとめられています。
概略だけを書いておくと、発端は宮崎県議会議員横田照夫氏のブログ「心豊かに暮らそうよ」から始まったようで、
今日の午後、その地区に、フジテレビの取材陣が、なんのコンタクトもなく、いきなり畜舎に来て取材を始めたそうです。当然、カメラも回したそうです。
それに対して、別の畜産農家が「消毒はしているんですか?」と聞いたら、「していない。消毒ポイントがどこにあるのか知らない。」と答えたそうです。
これについてフジテレビに電凸する人物が表れ、フジテレビが
ただ「宮崎にあるネット局かもしれない」とか「委託制作会社かもしれない」とか言葉の端々にフジテレビ以外に責任をなすりつける気が満々なのが印象的でした。
これについてはさらにフォローがあり、宮崎のネット局であるテレビ宮崎にさらに電凸した様子まで進んでいます。
これもさらにさらに続きがありまして、5/18付J-CASTニュースに、
ところが、フジテレビの広報部では、取材に対し、農家の取材許可を得たとしたうえで、県が取材自粛要請をしているとする点については、こう反論のコメントをしている。
「県からの当該地域への取材自粛要請はありませんでしたし、取材後の抗議などもありません。現地は搬出制限エリア(家畜の搬出禁止)であり、消毒が義務付けられたものではありませんでした。口蹄疫被害が拡大し、地域の皆様の不安が募る現状なども考え、その後は取材前後の消毒などの感染防止対策を徹底するよう指示しました」
取材自粛のルールについては、現地の系列放送局を通じて確認済みだったという。
まあ反応としては「フジテレビは非常識」になるのですが、GWまでの気味悪いほど謙抑的な報道に較べると、不謹慎ですが「いつものマスコミに戻ってきた」と妙に納得してしまいます。もちろんフジテレビの行為を許容している訳ではありませんから、誤解無い様にお願いします。ところでそれだけ努力された「絵」は大事な大事な視聴率アップにつながったのでしょうか。
報道の基になった記者会見は5/18に宮崎県知事が行ったものですが、その様子は宮崎県HPの「知事の部屋」:知事記者会見に公表されています。そのうちの22分20秒から31分35ぐらいが核心部分になります。核心部分と言っても、口蹄疫問題の本質とはチト外れます。
この部分の文字起こしを一平の雑記録様が東国原知事「寝てない!けんか売ってんのか!」 大荒れ記者会見書き起こしとして公開されています。全文引用をしようと思いましたが、長いのでリンク先を是非御確認下さい。余裕があれば宮崎県庁の動画も確認される事をお勧めします。
連日の対策に知事が疲労困憊であるのは画面からもわかります。そういう知事に南日本新聞記者が執拗に食い下がったのは、口蹄疫対策の「次の手」を聞き出すことであったのはわかります。とくにワクチン問題で知事の言質を取りたかったのであろうぐらいは推測できます。しかし知事は現段階では公表できる内容はないと答えています。
公表できない理由も答えられ、
- 国との折衝
- 畜産農家との折衝
- 実行するに際しての予算的裏付け
さてとこれが記事になるとどうなるかです。5/18付産経新聞からです。
東国原知事「寝てない!けんか売ってんのか!」 大荒れ記者会見
感染拡大が続く口蹄(こうてい)疫に対し18日、非常事態宣言を発した宮崎県。「このままでは県の畜産が壊滅する」と宣言では危機感を鮮明に出した。一方、会見した東国原英夫知事は、連日の拡大防止などへの対応に疲労困憊(こんぱい)の様子。今後の対応を迫る報道陣に対し、「けんかを売ってるのか」と声を荒らげ、退席しようとする一幕もあった。
非常事態宣言は「懸命の防疫措置を講じてきたが、拡大が止まらない」として、消毒を徹底することや県民に対し不要不急の外出を控えることを記した。
会見で東国原知事は、殺処分かワクチン接種かなど今後の防疫体制について「検討します」との言葉を繰り返した。
しかし記者から、知事の判断ではないかと問われると、徐々にヒートアップ。最後には「我々は一生懸命やっているんです。毎日寝ずに」と怒鳴り、机をがんと叩いて「以上です」と会見を打ち切ろうとした。
制止する報道陣に対し、「けんか売ってるのはそっちだ」と声を張り上げたが、職員らに促されて再び、会見の席に着いた。
国の支援策などについて聞かれると、ようやく落ち着きをみせ、最後には「速やかに一歩踏み込んだ対策を出したい」と話した。
実にマスコミらしい視点の報道です。なにか「調子が戻ってきたな」と微笑ましく感じるぐらいです。そう言えば4/23付赤松農林水産大臣記者会見概要にこんな大臣発言があります。
これは、もう、本当に報道の皆さん方のおかげだと思いますが、平成12年の時と比べて、あの時は、もう大パニックになって、もう現地も、全国も、もうひっくり返るような、そんなあれでしたけれども、比較的、今回は、全国的にはもちろんですが、比較的冷静に、別に見くびっているわけじゃないんですけれども、非常に科学的にと言いますか、落ち着いて見ていただいているということで、私どもも、とにかく、こうした案件というのは、やっぱり、できるだけ早い対応、そしてまた、情報公開ということが、やっぱり、いかに必要かなということを感じまして、今、矢継ぎ早の対策は取ってますけれども、そういう意味で、報道の皆さん方も、きちっと、そういうことを公正に報道していただいているものですから、本当に助かってると、冷静にいろいろな方たちも見ていただいているということで、感謝を申し上げたいというふうに思っております。
どうも4/23時点でのマスコミは、
こういう状態であるとの赤松大臣からのお褒めの言葉を頂いています。また、
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今、矢継ぎ早の対策は取ってますけれども、そういう意味で、報道の皆さん方も、きちっと、そういうことを公正に報道していただいている
さ〜て、口蹄疫関連報道では「どうも」ターゲットを定めかねていたマスコミが、ついにロックオンして怒濤の進撃を始めるようです。それも恒例の通り、一斉に足並みをそろえてです。どこに狙いを定めているかなんて下品な事は今日は書こうと思いませんし、書かなくても誰でも判るように世論を引きずり回してくれます。
ただなんですが、かつてのマスコミ黄金時代と違い、書きさえすれば世論が無条件に付和雷同してくれるとは限りません。昔ながらの手法でドツボに嵌った某新聞社の先例もあります。あくまでも横並びでロックオンされたターゲットの撃破を狙われるのか、それともあえて独自路線で我が道を行くに軌道修正されるのかは注目されるところです。
どういう手法が繰り出されるのか楽しみなんですが、頼みますから口蹄疫対策の本体の足だけは引っ張らない様に願うばかりです。