#flurev様がツイッターで中継されていましたので、これを引用させて頂きながら突っ込んでみます。
岩田氏 | 水際対策に当たった人、保健所関係者、ワクチン打った人、発熱外来やった人など現場の人達がいない。それがなぜなのかを聞きたい。 |
岩田氏 | 目標が達成できたのかという観点には反対、そもそもその目標で良かったのかという議論を先にすべきではないのか。結果だけでみてしまうと、それはどうして得られたのか、失った者は何なのかがわからない。プロレスをみるべき。 |
岩田氏 | 年齢別死亡率のグラフは発症者数がぜんぜん違うのに季節性とパンデミックを比較するのはおかしい。ミスリーディングさせるグラフだ。 |
岩田氏 | 総括の会議全体について、メンバーの人選の根拠が不明。これまで委員会がイレギュラーに開かれ、そのプロセスが明らかになってこなかったのが問題 |
岩田氏が突っ込んでいるようです。ポイントは、
- 総括をするのに現場の人間がいない
- 目標よりも過程が大事だ
- 年齢死亡率のグラフがおかしい
- 総括会議の人選自体が意味不明
正林氏 | コアになる人を、当時の対策に関わった人たちからまず選び、その上で現場の意見をもらおうと考えている。今後回数を重ねて行く際に、テーマを決めてそれに合わせて関係者から自由に意見をもらうようにしたい。 |
正林氏 | (グラフはミスリーディングさせるとの指摘に対し)そのとおりです |
金澤氏 | 現場の意見を吸い上げる方向で進めたい。プロセスを評価する必要があるのは賛成 |
岩田氏の突っ込みは正論ですから、この場では主張を認めているようですが、本当に言葉通り実行されるかどうかは「もちろん」不明です。
岩本氏 | 疫学的な見方について専門家の意見を聞きたい。沖縄の流行についてわかっていることは? |
岡部氏 | 沖縄県は1回目の流行が早く、その後第2波がきた。ヨーロッパの国々と同様のパターン。その原因はわからない。沖縄は季節性でも違うパターンのことが多かったのと関係しているかもしれないが・・・ |
岩本氏 | 感染が広がった場はどこで、それぞれどのように広がったのかについて情報はあるか |
事務局 | 年齢層をみると感染が広がった主たる場は学校と考えられる |
岩田氏 | FETPの調査では学校内での感染が多いが家庭内では少ないということがわかっている。これをみれば詳細はかなりわかるはず。 |
いきなりデータの細かいところの論議に突入して行きます。
河岡氏 | グラフによってスケールが異なるので直してほしい。検疫についてのデータはかなり重要な資料だと思うのできちんと出してほしい。 |
事務局 | 出すようにします |
河岡氏 | 米国のデータはかなり方法が違うのでは? |
事務局 | ILIの統計なのでダイレクトの比較はできない |
岩田氏 | 5月に大きな流行がなかったことについて、アジア諸国のデータが必要 (事務局)調べます |
伊藤氏 | 各国のデータの集計法が違うということであれば、その取り方の詳細について調べてほしい |
丸井氏 | 「新型インフルエンザによる直接の死亡」というのは、超過死亡と概念が異なるので注意してみていく必要がある。 |
岡部氏 | 超過死亡についてはデータを出せる。インフルエンザの発症者数や死亡者の評価をどうするのかは大きな問題があり、日頃のサーベイランスの見直しが必要 |
田代氏 | 死亡例の定義は? |
事務局 | PCR陽性例のみです |
金澤氏 | 死亡例はどうやって集計したものなのか? |
事務局 | 主治医から保健所を介して届けられたデータの集計です |
尾身氏 | 今日の会は事実関係を確認するのが趣旨だと思っている。どうやって議論すればよいのか。 |
伊藤氏 | 死亡者の情報についてPCR陽性者とのことだが、実際にはPCRのできない現場はたくさんあった。このようなデータが一人歩きするのはおかしい。死亡例についてはPCRのできなかったケースも含めて情報を集めるべきである。 |
岡部氏 | 超過死亡についてはデータを出せる。インフルエンザの発症者数や死亡者の評価をどうするのかは大きな問題があり、日頃のサーベイランスの見直しが必要 |
なかなか白熱していますが、焦点はおそらくなんですが、3/23付時事通信で報じられた、
政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会の尾身茂委員長が23日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、諸外国と比べ死亡率を低く抑えることができたと述べ、「国の対策は成功だった」と評価した。
この総括路線への前哨戦とみれます。尾身氏が「そういう総括にする」と宣言して会議に臨まれているわけで、これに対する御用委員と反御用委員の鞘当が行なわれていると考えるのが妥当です。現在のところ旗幟がある程度わかるのは、
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御用委員・・・・・尾身氏、金澤氏
反御用委員・・・岩田氏
金澤氏 | 準備段階における日本の対応について議論を進めたい |
尾身氏 | 個別の話の前に言っておきたい。専門家委員会でも総括が必要な時期と考えていた。この会はタイムリーである。一般の人達にとって専門家委員会などの位置づけが不明瞭であったのはたしかだが、今日は事実関係に限定した話をさせてほしい。 |
尾身氏 | 委員会の人選について。現場の声をきくのはいいことだ。ただ、我々や厚労省は現場の声はいろいろと聞いている(!!)。そのような人たちが行っている委員会であり、厚労省や内閣府とたくさん議論をしてきた。 |
尾身氏 | 今回の総括が政府全体の総括ということであれば、厚労省以外の政府関係者にも参加してもらうべきだ。専門家会議の基本的な役割は対策会議から聞かれたことに対してプロとしての意見を述べることであった。 |
尾身氏 | とくにパンデミック初期は専門家会議以外にも公式非公式にたくさんの意見交換を行っていた。WHO等の情報もコンスタントに入っていた。2つを除いてほとんどすべての政策に専門家会議の意見が取り入れられた。 |
尾身氏 | 当初は文書、時期によっては口頭のこともあったが、専門家会議の意見がすぐに取り入れられたこともあった。とくに初期は対策案を事務局と練り上げたが、その根拠についてはずいぶん議論した。 |
尾身氏 | 5月15日の基本方針策定においても、基礎疾患のある人に対する対策の重要性、措置入院の解除が必要であることをすでに述べていた |
尾身氏 | 成田で最初の患者が出た時も現地で情報収集をして停留期間を10日から7日に変更すべきと意見を述べて、それが取り入れられた。 |
尾身氏 | 沖縄県の状況について、学校閉鎖をやった割合が少ないのではないかという非公式な情報があるので事務局には検討をお願いしたい |
尾身氏 | 海外の状況について。諸国の年齢分布をみるのも重要。日本の死亡者が少なかった理由の一つ(可能性)として、学校閉鎖のために感染者が学童中心におさまり成人に広がっていなかったことをあげているグループもある。 |
尾身氏 | 各国の年齢分布について事務局に情報収集をお願いしたい |
おもしろいですねぇ。聞き様によっては「総括会議の結論はこうなんだ」と改めて宣告しているようにも感じます。ポイントを念のために拾っておくと、
- 会議の人選はこれで問題は無い
- 措置入院の解除は早期(5/15)に既に提言している
- 成田(大阪の高校生隔離)の時には隔離期間を「10日間から1週間に短縮させた」
- 沖縄は学級閉鎖を積極的にやってないみたいだからデータとして比較にならない
- 学級閉鎖によって成人への感染者の波及が防げた
- 学級閉鎖により感染が学童に留まった
- 沖縄は学級閉鎖が不十分だったから成人に拡大した
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諸国の年齢分布をみるのも重要。日本の死亡者が少なかった理由の一つ(可能性)として、学校閉鎖のために感染者が学童中心におさまり成人に広がっていなかったことをあげているグループもある
最前線の現場を担当した小児科開業医の意見としては、何故に家庭内での「子 → 親」感染があれだけ小規模に留まったのかが非常に不思議なのですが、その点についても尾身氏は「学級閉鎖」をしたからと主張されるんでしょうか。単に結果と対策を詭弁で結び付けているように感じてならないのですが、どんな総括になるのかを今後の楽しみにしておきましょう。
もう一つだけ、
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2つを除いてほとんどすべての政策に専門家会議の意見が取り入れられた
岩田氏 | 水際対策に当たった人、保健所関係者、ワクチン打った人、発熱外来やった人など現場の人達がいない。それがなぜなのかを聞きたい。 |
岩田氏 | 「基本的対処方針」の策定は根拠に基づいて行ったという発言であったが、これは初耳。これまでに厚労省からでてくる資料に文献が示されたことはない。誰が書いたかもわからない。これはパンデミック前からだ。 |
岩田氏 | 検疫を含めた対策が文献に基づいていたのであれば、それはそのように明示すべきだし、どのような議論がなされていたのか明らかにしてほしい。 |
事務局 | 参考文献は確かに載せるべきだった |
岩田氏 | 目標が達成できたのかという観点には反対、そもそもその目標で良かったのかという議論を先にすべきではないのか。結果だけでみてしまうと、それはどうして得られたのか、失った者は何なのかがわからない。プロレスをみるべき。 |
ツイッターは使っていないのでシステムがよく理解できていないのですが、冒頭の岩田氏の発言と重複している部分もあるようです。ただ今回は岩田氏の発言に対する尾身氏の反論がセットになっている様なのでこのままにしておきます。では尾身氏の反論です。
尾身氏 | 岩田氏の指摘はするどいものである。しかし、5月13日に出した専門家会議の報告には、成田の4例の状況に基づいて、「臨床経過と疫学情報を詳細に検討すると、季節性フルと同様であり、海外からの情報と同様である」ときちんと述べている。 |
尾身氏 | 5月1日の時点でも、病原性や致死率について海外のデータに基づいた意見を出している。H5N1とは異なる弾力的な運用が必要だということも言った。これは議事録も残っているようだ |
尾身氏 | 専門家委員会は早い時期に海外の状況や文献に基づいてバランスよく提言をしてきた。 |
尾身氏 | 国内発生第1例(近畿)の際にも、病原性はあまり高くないこと、基礎疾患ある者には注意することを述べて、方針の弾力的な運用を提言した |
尾身氏 | 目標をそのまま信じるべきではないという意見はわかる しかし、公衆衛生は目標を立てないと方針を出せない。今回は当初から重症者、死亡者を減らすのが目標であり、その目標を達成したかどうかの評価は必要。その目標が正しいかどうかは別に議論すべき |
とりあえず
- 5月1日の時点でも、・・・・・(中略)・・・・・これは議事録も残っているようだ
- 5月13日に出した専門家会議の報告には
それと尾身氏が総括の目標としている
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今回は当初から重症者、死亡者を減らすのが目標
尾身氏が目標と言っているのは、大目標であり、当初重症率(死亡率)が高いとされていた新型対策としては「重症者、死亡者を減らす」は当然過ぎるほどの目標です。実地としてはこの大目標を達成するための小目標の達成評価が総括として重要であると考えます。
もう少し具体的に言えば、当初の小目標は封じ込め作戦であったのは明らかです。そのために水際作戦をやり、根こそぎ隔離をやり、発熱外来に物々しい格好で臨んだわけです。この封じ込め作戦は小目標としてどうであったかを問われなければならないと思います。封じ込め作戦は失敗に終わっていますが、これが失敗だったから目標を達成できなかったのか、感染拡大を遅らせる意味合いとして目標達成とするかです。
言ったら悪いですが、尾身氏が強調する「重症者、死亡者を減らす」は結果として出ています。尾身氏が主張する目標は結果として達成されています。そうなれば総括は終了してしまいます。岩田氏の主張するプロレスの喩えがなかなか素晴らしくて、真のプロレスファンは試合の勝敗でレスラーの勝敗を評価しません。試合で勝った方を必ずしも勝者と考えないと言う事です。
この点はおそらく、尾身氏と岩田氏で議論は続くでしょうが、予想として総括の結論は尾身氏の主張に帰着するとしておきます。尾身氏の主張は決して個人的な意見ではなく、政府や厚労省の意向を受けたものであるのは間違いないからです。
岩田氏 | 今回弾力的な対応を提言したとの頃だが、それはいつ頃きちんと出されたのか。 |
尾身氏 | 私のノートによると(!)5月5日に「尾身試案」を作った |
尾身氏 | この尾身試案に基づいて5月7日に厚労省で会議を行った。尾身試案の中では水際対策、国内対策、発熱外来について、それぞれの段階に応じて弾力的にやるべきだと述べている。 |
岩田氏 | 質問に対する答えは「5月5日」でよいですね。私は尾身氏を糾弾しているわけではない。 |
岩田氏 | 文献的検討についてはその過程を開陳することは重要なのでそれを検討してほしい |
岩田氏 | 目標を立てたことがいけないとは言っていない。目標がよかったどうか、状況が変わってきたときに目標を変えることができたかを検証することが重要。「目標のために手段がある」という状況になってはならない |
尾身氏 | 5月5日には専門家委員会後に上田局長と二人で検疫体制について議論した。その際に「国内発生すると考えられるので検疫体制を見直し、国内体制にシフトすべき」と言った。局長はGW終わるまで待ってくれと言った |
尾身氏 | 5月12日に内閣危機管理監と二人で話し、国内体制の重視にシフトした方がよいと提言した。それがあったから5月15日に会議が開かれて基本的対処方針が作られた。 |
尾身氏 | 本部会議(首相、大臣も参加)で同様の意見を述べ、5月18日には厚労省の中でその考えにそった議論が行われていた。5月19日は厚労省で打ち合わせし、関西の状況を考えると全国の県を2つにわけて考える事と検疫体制をシフトすることを提言した。 |
尾身氏 | このように連日プロセスを経てさまざまな案が作られた |
尾身氏 | WHOから問い合わせが何回もきた。マーガレット・チャンと非公式に1回、その後公式な意見交換を行った(6月3日?)。その際に「地域での持続感染を否定するのは難しい」と発言した。 |
尾身氏 | 6月7日に5月から6月の状況について議論を行い、この時点では疫学的リンクを追えず、年齢分布が変化してきていることを踏まえ、地域に広がっているだろうという提言を行った。 |
岩田氏が神戸の弾力的運用に噛みつかれるのは、神戸の人間としてよくわかります。会議であってもあの運用を「弾力的運用の大成功例」として手柄話とされたら、石でも投げたい気分じゃなかったかと勝手に推測しています。どうもその殺気を感じたのか、尾身氏の説明は少々苦しくなっているように感じます。
金澤氏 | 5月19日頃までの状況について質問は? |
岩本氏 | 5月中旬の時点で、メキシコのデータ(推定致死率)を元に情報発信するのは難しかっただろう。その後のメキシコの状況も踏まえ分析してほしい。 |
岩田氏 | 「基本的対処方針」の策定は根拠に基づいて行ったという発言であったが、これは初耳。これまでに厚労省からでてくる資料に文献が示されたことはない。誰が書いたかもわからない。これはパンデミック前からだ。 |
尾身氏 | パンデミック初期は情報が欲しかったが少なかった。まともな疫学データがなかった。途上国のサーベイランスシステムは日本とはまったくレベルが違う。単純に比較はできないので、そのあたりの事情を考慮して対策を立てた |
尾身氏 | 臨床医との意見交換は頻繁に行なっていた。季節性とは明らかに異なる重症化のパターンであることは把握していた。データということではないかもしれないが、実感として把握していた。 |
尾身氏 | 米国は今回のH1N1をやや軽くとらえたので学校閉鎖をあまりやらなかった。それによってどのくらい死亡者が増えたのか正確な比較は難しいが、実感として日本よりもはるかに多くが死んだ。 |
尾身氏 | 米国は適切なレベルよりもやや低いレベルの対策を行った。日本は適切なレベルよりもやや高いレベルの対策を行った というのが現時点での考え |
岩田氏 | 臨床医とのコミュニケーションが行われたのはいつごろなのか? |
尾身氏 | 私がコミュニケーションしたわけではなく、岡部氏が小児科学会が開いたフォーラムの内容として教えてくれた。 |
岡部氏 | 小児科医のフォーラムは秋頃に行われたもの。この際に重症化のパターンが違うとの話を聞いた |
尾身氏 | WHOを辞める直前に関西地域を訪れた際に、H5N1対策の話をし、「学校閉鎖はラディカルにやるべきだ」と話した。これはスペイン風邪のときの米国のデータに基づいた意見 |
尾身氏 | 今回のパンデミックについては、死亡者の違いが出た要因のひとつとして学校閉鎖が効いているという押谷氏グループの論文に実感として同意している |
岩田氏が基本的対処方針の根拠を問い質していますが、尾身氏は必死で受け流そうとしているのだけはわかります。それよりも面白いのは、尾身氏の学級閉鎖へのこだわりの強さです。どうしてもこれを総括で功績の一つどころか、新型対策が「成功」した要に位置付けたいのがよくわかります。意地悪く言えば学級閉鎖ぐらいしか諸外国と較べて相違がはっきりしている対策がないのかもしれません。その関連ですが、
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押谷氏グループの論文
田代氏 | どの時点でどのような根拠に基づき、どこでどのようにリスク評価が行われたかが大切。リスク評価をどのようにしたかを明らかにしてほしい。 |
伊藤氏 | 米国の学級閉鎖と日本の学級閉鎖の際にregulationがどう違うかを検討することが大切。学級閉鎖しても子供が街に出ているようでは意味がない |
谷口氏 | 日本では生徒が教室にいて教師が移動するが、米国では生徒が動くので学級閉鎖は難しい。医療的な背景の違いもあり、直接比較するのは困難である |
谷口氏 | 対策をとったと思っていても、とっていないと感じる人もいる。大切なのは、なぜ適切な対策がとられていないと感じる人がいるのかというところ |
丸井氏 | 沖縄での感染者の年齢分布等、詳しい情報を出してほしい。 (岡部氏)沖縄県医師会がデータを発表している。豊橋市も詳細なデータを出している。 |
川名氏 | もともとあったガイドラインでは日本独自の段階設定があったが、それが途中で使われなくなった。どんな問題があったのか出してほしい。 |
川名氏 | メキシコの初期の致死率について。4月28日からWHOのサイトに公式にデータが出るようになった。確定例が増えていくに従って致死率がみるみる下がっていった。 |
少々へばってきたので、ここは流します。
金澤氏 | 8月くらいまで伸ばして議論を。 |
岩田氏 | 検疫について。外出自粛というのはどうやって行ったのか。隔離の中止というのはどういうことか。これらはいつ誰に対するものなのか |
官房 参事官 |
隔離とは機内検疫において有症状者でPCR陽性の者を指定医療機関に入院させること、6月18日まで行った。停留は無症状濃厚接触者に停留施設で過ごしてもらうこと。5月21日まで。外出時出は保健所から1日2回電話で連絡して状況を確認していた。6月18日まで。 |
金澤氏 | 日本はタミフル、リレンザの使用が多いと理解しているが、その影響はどうなのか (事務局)検討してみます |
岡部氏 | 抗インフルエンザ薬についてはまだきちんとしたデータは出ていない。示唆するデータは出ている |
尾身氏 | 学校閉鎖、タミフルに加えて、日本人の衛生意識の3つが貢献したと考えている。私の実感としては日本のタミフル投与率は圧倒的に高い。学校閉鎖についてはサイエンス不十分な中で社会的なインパクトを考えて推奨した。 |
伊藤氏 | 学級閉鎖を行うと社会的な影響は大きい。両親の一部が出勤できなくなる。そこまで考え、現実的な検証を行ってほしい。 |
岡部氏 | 英国では雇用状況が不安定なために学校閉鎖をやりにくい状況があった。このような対策には医学的な側面のみならず社会的なバックアップが重要 |
官房参事官が良いデータを整理して出してくれています。
事項 | 期間 |
隔離 | 6月18日まで |
停留 | 5月21日まで |
外出自粛 | 6月18日まで |
もうひとつ繰り返しにはなりますが、尾身氏が新型対策の三大ポイントを挙げられています。
- 学級閉鎖
- タミフル
- 日本人の衛生意識
金澤氏 | 次はワクチンについて |
尾身氏 | 輸入ワクチンについて誰がどのタイミングで考えたか経緯を明らかにする必要がある。専門家委員会ではむしろ安全性を重視して輸入ワクチンには慎重な姿勢をとっていた。 |
岩田氏 | スケジュールの目安を立てた段階ですでに都道府県の判断で前倒しして良いとしていたと事務局は言うが、当時兵庫県からは前倒しは不可と言われたし、11月上旬の時点で厚労省にもそう言われた。建前と実態の違いは非常に重要なので事実関係の確認と議論をお願いしたい |
正林氏 | 10月頃から何回かにわけて、ひとつのカテゴリーがだいたい終わったら次のカテゴリーを前倒しして開始してよいと事務連絡等でだしていた |
尾身氏 | ワクチン接種スケジュールはまだ小児に広がっていない時期に作られた。専門家委員会では小児にまず接種すべきと言っていた。小児科学会に岡部氏から依頼した。ほぼ同じタイミングで小児科学会からの要望がでた。 |
岡部氏 | 日本では10数年かかってようやくワクチンをこのくらい作れるようになった状況がある。今後の重要なツールとしてワクチンをどう位置づけるかが重要 |
正林氏は事務局の人間とされていますが、
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10月頃から何回かにわけて、ひとつのカテゴリーがだいたい終わったら次のカテゴリーを前倒しして開始してよいと事務連絡等でだしていた
どうしても尾身氏の発言が目に付くのですが、
え〜と、え〜と、たしか尾身氏は、
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2つを除いてほとんどすべての政策に専門家会議の意見が取り入れられた
- ワクチン輸入
- 小児への接種順
皆様も御苦労様でした。私もくたびれました。いろんな感想はあるでしょうが、尾身氏の異常な頑張りが非常に目に付いたは確かです。また「きっと」ですが、尾身氏の意見が十分反映された総括が出来上がることもハッキリわかる議論の流れでもあります。もう少し指摘したいポイントもありましたが、後は皆様にお任せします。