話をまとめやすくするために組織は市民運動的なものとします。組織は最初、ある目的の達成のために人が集まります。個人の運動より組織の運動の方が効果的であるとの判断です。集まった人が考えるのは、もちろん目的達成のために活動する事を考えます。そのための組織化ですからね。もう一方で組織は大きいほどより効果的であることも分かります。必然的に組織の運動の方向性は2つに分かれます。
- 目的達成のための運動
- 効果をあげるための組織の増大
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目的達成 > 組織発展
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目的達成 ≒ 組織発展
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目的達成 < 組織発展
この目的が漠然とした対象であれば問題はそれでも少ないのですが、特定対象に対するものであれば困った事態をしばしば起こします。目的の尖鋭化、単純化は果てしもなく進みますから、やがて組織の運動方向は特定対象を消滅させるところまで行き着きます。特定対象が消滅しても良いものなら構わないのですが、無くなったら本当は困るものであっても組織はそこに突き進みます。ここまでくれば
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組織発展のみ
組織の主導権が食っている人間に移れば、特定対象への攻撃に一切の妥協はなくなります。妥協しても組織の肥大化にとって何のメリットもなく、妥協しない事で特定対象と紛争状態になる事の方が望ましいと言う事です。敵対し争っている方が組織は結束しますし、新たな構成員を呼び寄せるのが容易になります。ダラダラと戦争が続くほうが儲かる軍需産業みたいなものと言えばよいでしょうか。
軍需産業にとって適当な戦争は歓迎すべき事です。戦争は巨大な浪費ですから、続けば続くほど儲かる事になります。軍需産業にとっては前線でいくら兵士が血を流そうとも、国家が疲弊しようが興味はありません。彼らの需要を満たす浪費がありさえすれば、自国民がいくら死のうが、相手国民が死に絶えようがどうでも良いことです。
組織がすべてそうなるとはもちろん言いません。そこまでの段階で自制している組織もたくさんあります。ただ一部組織は確実にそうなりつつあります。ここで酒飲みの段階の話があるので比較すると妙に当てはまります。
初期段階 | 人、酒を飲む | 人、組織を動かす |
中期段階 | 酒、人を飲む | 組織、人を動かす |
末期段階 | 酒、酒を飲む | 組織、組織を動かす |
常識でもって相手が出来るのは中期段階ぐらいがせいぜいで、末期段階になれば手のつけようがなくなります。最近つくづくそう感じています。そうそう、この話は特定の団体を念頭に置いた話ではありませんから、くれぐれも誤解無いようにお願いします。