行きはヨイヨイ、帰りは・・・

NATROM様のコメント欄で見つけたものです。

山形ミクラス 2008/03/01 21:05

初めて書き込みさせていただきます。それなのに、話題がちょっとずれていて恐縮なのですが。
朝日新聞投書欄(2月29日付だったと思います)にお医者さんの投書が載っていました。
以下要約>>>>>
患者さんご家族から往診の依頼があっておっとり刀で駆けつけたところ、大きな病院に入院する必要があり、救急車を呼び病院までの同乗を頼まれた。幸い患者さんはよくなったが、乗ってきた救急車は既に帰り、急いで出たため財布も携帯も持っていない。仕方なく、30分かけて歩いて帰った。仲間には消防防災ヘリに同乗して隣県まで行き、そこで身動き取れなくなったものもいる。患者への付き添いは医者としての義務だが、帰りの足も考慮してもらえないだろうか。
>>>>>要約終わり
だいたいこんな内容でした。
いつもお医者様にお世話になっている身として、このあたりも「救急体制の整備」に含めて欲しいと考えるものです。

これは私も経験があります。入院必要な患者に付き添って救急車に同乗したのは良いが、帰ろうと思ったら交通手段がなくて困ってしまう事です。救急隊も業務に余裕があれば好意で送って帰ってくれることもありましたが、次の救急業務が舞い込んだり、入院の引継ぎ作業に時間がかかったりすれば置いてけぼりです。医師は業務中にあまり財布を持ち歩いたりしませんし、救急搬送の時には帰りのことより、とにかく無事搬送する事で頭が一杯で、帰りの事は考えておく余裕がありません。看護師が同乗してもまた同様です。

それでもさほど遠くなければとりあえずタクシーを呼び、玄関で待ってもらって支払えばそれ以上の事はないのですが、

    仲間には消防防災ヘリに同乗して隣県まで行き、そこで身動き取れなくなったものもいる
ここまでになればチョット途方に暮れるかもしれません。お金は搬送先の病院に頼めば貸してくれるとは思いますが、交通手段を探すのが一苦労です。ヘリでは直線に移動するかもしれませんが、電車やバスを利用して帰るとなれば、場所によっては搬送先の病院に聞いても「???」かもしれません。病院も街中にあるような病院ならまだしも、ヘリが使えるとなれば自家用車以外の交通手段の整備が悪い事もありそうです。またヘリならば昼間しか飛びませんから、搬送先に昼間に着きますが、救急車による夜間の長距離搬送で置いてきぼりは辛そうです。

細かいことを言えば冬場はさらに辛いかと思います。救急搬送は急ぎますから、白衣のまま乗り込むことも十分ありえます。ヘリなり、救急車の中は暖房は効いているでしょうし、搬送中は気が張っていますので少々の寒さは気になりませんが、無事搬送が終わり患者の受け渡しが無事終われば寒さが身に沁みます。最悪半袖のケーシーで搬送なんて事もありますからね。

帰りもタクシーで帰れる距離ならともかく、そうでなければその格好で公共交通機関を乗り継ぐ事になります。恥しさぐらいなんだと言われそうですが、あまり見られた格好ではありません。白衣姿は医療機関内ならともかく、街中では異様ですからね。

それとこれも前から疑問だったのですが、置いてけぼりになっての帰りの交通費はどう処理されているのでしょうか。朝から医科診療報酬点数表の読んでいるのですが、その点について見付け出せていません。たしかどこかに搬送時に医師が同乗すればいくらかの報酬があったはずだと思うのですが、あったとしてもビックリするような額ではなかったかと思います。ヘリで置いてけぼりクラスになると絶対足が出るかと思っています。

おそらくもうヘリには縁が無いと思っていますが、医療情勢が厳しくなっていますから、長距離の救急搬送に出くわす可能性はあります。置いてけぼりは困るし交通費もバカにならないと思っています。