モトケンブログへのエール

いつも読ませてもらっている元検弁護士のつぶやきですが、良い意味でも悪い意味でも煮詰まってますね。

良い意味というのは広い意味の医療関係ブログでも屈指の論客が集まり、1年近くも濃厚な論議を積み重ねただけあって、論議の質が非常に高いものになっています。そこで検討される改善案や改革案は司法による医療への圧迫の問題点を鋭くとらえた上で、具体性に満ち満ちています。法曹関係者の協力もありますので、決して医師の独善ばかりで無い現実性も備えた案になってきています。これほど質の高い論議が繰り広げられているというのがある意味信じられないぐらいです。

悪い意味は言い過ぎかもしれませんが、問題点についてかなりの論議を費やし、問題点の現実的な解消のための論議も相当煮詰められてきているので、実行すべき改革案の枠組みは参加されているコメンターの中におおよそ出来上がっていると思います。ところがこれは医療危機について真剣に考えている医療系ブログが最後に直面する大きな壁の前にもだえ苦しんでいると様に感じます。

壁とはなんぞやですが、改革案を実現させる現実的なプロセスが見つから無いと言う事です。これが無い限りいくら叡智を集めて優れた案を練り上げても机上の案から一歩も出ないという壁です。この壁の前に論議が立ち往生しているように見えます。立ち往生は言葉が過ぎるかもしれませんが、いらだちを隠せない雰囲気がうかがえます。

他人事のように書いていますが、当ブログでも同じです。うちはモトケンさんのところとスタイルが異なりますが壁の存在は基本的に同じで、私があるエントリーを書き、それに対し賛否両論または追加や修正の議論が入り、それなりに一つの意見にまとまりはします。ところがそこでオシマイなんです。本当にオシマイで、「こうすれば必ず良くなるのに」とボヤキながら次の話題に移らざるを得なくなります。去年の福島事件以来同じような議論がうちだけではなく、どれだけの医療系ブログで行なわれたか想像もつきません。ある程度の幅はありますが、同じような結論までは到達してもその先は壁の前に行く手を塞がれてどうしようもありません。

あくまでも個人的な感想ですが、今年の医療問題を考えるブログの大きなテーマとしては、去年から煮詰めてきた改善案を実現させる具体的なプロセスを考える必要があるのではないかと考えています。このテーマは医療危機の克服策を考えるのと同じぐらい難題と私は考えています。しかし「改善案を実現させる具体的なプロセス」が編み出されない限り、いくら論議しても壁まで行って行き止まり状態から脱却しないと考えます。

もちろん壁を越えるのは至難の技です。相当真剣に考えても

    「医療危機が進行し、国民が医療への認識を改めない限り不可能」
この考えは非常に強力です。私も恥ずかしながら現時点ではそれ以上の考えを出すことは出来ていません。ひょっとしたらこれが結論かもしれませんが、それ以外の方法の摸索をする努力はすべきでないかと考えています。外野からの提案と一笑に付されそうですが、もっとも質の高い議論を重ねているモトケンさんのところでも考えて欲しいと思っています。

改革論の質を高める議論も欠かせませんが、それを実現させるプロセスの議論も私は期待しています。事態はそれぐらい切迫しているように感じています。誰も現時点では回答を出せていない問題であるからこそ、モトケンさんのところへの期待も大きくなっています。もちろんモトケンさんのところに丸投げではなく、私も含めてこの問題を危惧している者すべてが考えなくてはならない問題ですが、その中心的な役割の一翼を果たして頂くと嬉しいと思っています。