WikiJBM計画への意見募集

独特の口調の拙ブログのレギュラーコメンターのしゃれ頭様から御忠告を頂きました。まずコメントを再掲します。

管理人さまっ  JBM自体は面白いやろし、元田舎医様や774様なんかニタニタしながら見るやろなと想像してますが、これはなるべく医師専用サイト内だけにとどめといた方がええんと違うかなと思います。医者の間では何ぼでも言うてもいいと思うし、若手の教訓にもなるけど、患者さんからしたら治療が受けられかもしれへんと思われるやろし、マスコミがごっつい叩いて来たら怖いですよ。前に、民生委員の苦情の俳句が公表されてマスコミや一般人に大顰蹙かった事があるんで、それが怖いんです。
あと公表することで医療裁判がひどすぎるちゅう宣伝にはなると思うけど、中にはこんなことでも病院にいちゃもんつけたら1000万円もらえるんかと悪用されることも考えられますし。実際に調停委員の院長に聞いたら、ネットでは、こういうふうに言うたら相手から何ぼもらえた、こう言うふうにいちゃもんつけたら相場は何ぼや、ゆうサイトが多なってきて、その証拠も何の根拠もないネットのサイトのコピーしかない、ちゅうのが増えてると言ってはりました。JBMの一般公開はどうも心配なんです。杞憂かもしれへんのですが。

たしかに御懸念はご指摘の通りで、読みながら唸ってしまいました。これに対する賛否の意見を参考までに再掲しますと。これもまたレギュラーコメンターの774様です。

しゃれ頭様の書かれていることは一理あります。1年ほど前に、他に鑑別疾患がなく、坐骨神経痛の診断を下した患者さんが、「エステのマッサージの結果で起こったと診断書を書いてほしい」という事を要求されました。患者さんには坐骨神経痛は、単に坐骨神経による痛みの総称で、いろいろな原因があって特定はできない事を詳しく説明しましたが、裁判にするから絶対診断書がほしいとの事で、結局「疼痛は坐骨神経痛で生じている可能性が考えられる」のみの診断書を交付しました。裁判でどうなったのかは知りません。どうも某サイトでそういう事例で500万円の和解料が取れたという書き込みや、アドバイスがあったようでした。そのため、JBMの公開はやはり慎重にするべきという、しゃれ頭様の意見には私も賛同いたします。もはや手遅れかもしれません。しゃれ頭様がご指摘されたようなサイトは山のようにあるようです。もちろん現段階では証拠能力は限りなく0に近いのですが、JBMですと判例という強力な証拠能力となり、あまりよい結果をもたらさないかと危惧いたします。しゃれ頭様のおっしゃるとおり、m3等の医師専用掲示板での公開が理想的かと思われます。

 医師以外の方で協力を申し出ておられる方々には申し訳ないのですが、医師の訴訟や、そのトンデモ判決に対する恐怖心が、救急・産科医療を中心とした防衛医療・医療崩壊を引き起こしている側面が強いため、申し訳ありませんが、書かせて頂きました。

もうひとつはJBM募集で多大なご協力を頂いた「ニックネーム選択」様からです。

JBMの一般公開による、マスコミ、プロ市民からの攻撃は当然予想されますが、医療崩壊の経緯を世に知らしめるためには、インパクトがあって、却って早道でないかと思います。
ただし、簡単に論破されるようなJBMでは説得力に欠けますので、上滑りの議論ではいけないと思います。
最低限、報道のみによるものでなく、判決文からの詳細な検討をもとに、帰結されるJBMのみを、掲載すべきと考えます。岡山事件のJBM等は、かなりしっかり管理人様が考察されていますが、さらなる検討が必要と思います。問題は、その検討をどの場でおこなうかですね。

意見を少しだけまとめると、現在の医療情勢の必要悪としてJBMをどこかで取りまとめるサイトがあっても良いと言う点では一致していると考えます。実は患者サイドでは類似のものがあり、医療側の観点からのものの必要性はあると考えています。ただ作る事により圧力が発生することを予想するべきだと言うのも見解としてこれもまた一致していると考えます。

一般公開路線で行なうなら、医学的に文句のつけようのない主張を十分に盛り込まないと、作るだけで悪意で利用するものが出現する可能性があるだろうとの懸念が強いということです。ただ十分なものの作成は個人的な努力では自ずと限界があり、実際問題としてWiki形式が望ましのですが、一方で完成度が低いうちは逆効果の懸念が高まると言う事です。

そうなればm3.comのように関係者限定版にするというのも一法ですが、そうなればどうやって関係者の認証を行うかが問題となります。SNS方式となるのでしょうが、ここに集まっていただいているコメンターの皆様でさえ、ごく一部の例外の方を除き素性は知りません。当たり前と言えば当たり前で、ここは匿名のブログです。とくに「はてな」では他のブログのようにメアドやURLを書き込む必要さえなく、そういう意味では匿名性が高いという一面があります。

作ってもほんの数人のSNSサークル限定でのスタートとなり、なおかつ輪を広げるのも相当な手間とヒマがかかることになります。さらにそういうSNSサイトを運用するだけの能力と時間が私にはありません。折衷案と言うか理想論として、医師クローズドのSNS内で十分に練り上げ、世に問うことが出来る段階で逐次公開方式が望ましいと言えば望ましい形態かもしれません。ただしそれでも最大の問題である医師のSNSの構築がこれも前提となります。

もちろんWikiJBMサイトを立ち上げても懸念しているような注目サイトにならない可能性も十分あり、杞憂だとの考えもありますが、Wiki形式であるが故にトンデモナイ暴走をする可能性もまたあります。頂いたコメントを読んだ素直な感想は、少なくとも開始時にはクローズドが良さそうな感触を持っています。しかしクローズドにする方法の時点で途方にくれると言うのが現実です。

どうにもうまい解決法がなく頭を抱えています。何か良い知恵があればお貸しください。