親知らず夏の悪夢

奥歯のアレです。一昨年の夏ぐらいから変調がありまして、左の下の真横に生えている親知らずが、横の歯を圧迫したとかでパンパンに腫脹。あんまり痛かったので歯科受診。その時に子供の頃に治した虫歯が再燃とのご託宣と、右の上の親知らずが頭を出していて、そこがかなりの虫歯だと言う事でとりあえずひと通り治療。完治と喜んでいたら、昨夏に再び左の下の親知らずがパンパンかパンに腫脹。今度は切開排膿して治療。

そして今週の火曜日。朝一番の診察をしている真っ最中にかぶせがポロリ。大急ぎで予約を取って、昨日歯科受診。取れたのは親知らずにかぶせていた奴らしく、貼り付けなおしたら終わりと甘い期待をしていたのですが、

    「親知らずがひどい虫歯になっています。抜いた方が良いですね」
内心「ヒェー」と思いながら、「お願いします」という事で急遽怖ろしい抜歯作業となりました。局所麻酔をかけて、グリグリと引っこ抜きにかかります。麻酔がかかっているので激痛はありませんが、上顎に鈍痛はしっかり感じます。怖くてよう見ませんでしたが、おそらくペンチ様の器具で右に左に捻り、その上で緩んだところを引っこ抜こうとする手順のようです。

なんと言っても初体験なので、「大変な作業だな」と思ってはいましたが、歯科医は助手に次々と新しい器具を要求するのです。感じとして新しいのが来るたびに器具が大きくなり、上顎への圧力は強くなります。少々抜けにくいらしく、そのうちドリルようのものが登場してきて「ピー、ガリガリガリ」。その後再び歯をグリグリ、またガリガリ削って、歯をグリグリとこれが何度も繰り返されます。

いくら麻酔をしていると言っても怖いし、少々は痛い。とはいえ「痛い、痛い」とはプライドがあるので言えないのですが、それでも作業に熱はこもるほど、痛みは恐怖とともに強くなります。30分ほど経過して、さすがに我慢しにくくなってきて、「少し痛みます」と申告すれば、局所麻酔を追加。そして再び、ガリガリ、グリグリです。おおよそ1時間を経過した頃から、グリグリが減り、ガリガリの頻度が増えます。

そして最後のご託宣。

    「どうにも根っ子がしっかりくっついていて抜けません。その代わり虫歯部分を根こそぎ削り落としたので、これで様子を見ましょう。今夜は少々痛みます。」
夜は麻酔が取れてくるとかなり痛みました。鎮痛剤を多めに飲んでみましたが、ズキズキ、ズキズキと寝るに寝れない。こんな調子で明日の外来なんか出来るのかと心配しましたが、今朝になり痛みはかなり軽快。さすがはまだ若いと喜んで、味噌汁を飲んだら、後悔するぐらい沁みてくれました。今朝の味噌汁ほど辛かったものは初めてです。お茶も相当辛く、今日も大変だろうの予感を漂わす朝食となりました。

ところで一本はそれなりにカタをつけましたが、まだ3本も親知らずが残っています。これは肉の中に埋っているので、外来ではチョット抜けないそうです。今回抜けなかったのも合わせて、入院して抜いてしまうかどうか考慮中です。こう毎年、毎年夏になると親知らずでトラブルのなら一考に値します。一考に値しますが、あれ以上の作業が今回の残りも含めて、4倍あると思うと少々怖気づいています。

どうしようかなと考えていますが、考えているうちに秋が来て、冬が来ればそんな時間はなくなります。という事は、親知らず問題は四度もちこしとなって、来年の夏の悪夢になりそうです。それこそ「♪夏が来〜れば、思い出す」の世界です。たぶん今年はこの程度で終わって、きっと来年の悪夢の時に決断を迫られる事になりそうです。

とうぶん歯医者と縁が切れそうにないですね。