もうすぐ読書感想文の季節

梅雨は最後の大雨を降らせているようですが、もうすぐ夏休みが来るのはカレンダーで時間の問題です。夏休みは子供が家にいるだけに親としては厄介な季節なんですが、とりあえず付き合わなければならないのは読書感想文。これは奥様が非常に苦手にする分野なので毎年私に指導役が回ってきます。これが毎年の事ながら結構大変です。

でっちあげるだけなら、本を読んで書き上げるのに1時間もかからないのですが、そんな事をすれば「勉強にならない」と奥様から烈火の怒りが降り注ぎますから、娘に書かせる必要があります。しかしこれもまた毎年恒例なのですが、「何を書いて良いかわからない」からスタートします。私も過去の経験者ですから気持ちだけは良く分かるのですが、人に物を教えるのが苦手な私としては非常な苦行となります。

読書感想文なんて代物は小学生レベルなら単純至極なもので、要は無理やりでも何でも感動したり、感銘したところを結論部分として書けばOKです。子供の正直な感想として「そんなところはない」と言われるのが辛いのですが、実は感動したり、感銘を受け無ければならないところも決まっています。読者である子供がそう感じないのは読み手の子供の責任ではなく、作者の表現力不足にしか過ぎないのですが、指定図書とやらではそうではなく、読者である子供の読解力不足にされるのですが、これは昔からそうなので置いておくとしましょう。

置いておくとしても、そこを子供が見つけてくれないことには読書感想文は進みませんから、それとなく(かなり強引に)誘導する事になります。ところが誘導してもピンと来れば話は早いのですが、ピンと来なければ作業は難度が増します。最後はそれこそ不承不承で無理やり納得させるのですが、「そこが正解やったんか」とでも言われると悲しくなります。本なんて読み手が自由に感じれば良いもので、たとえ書き手がどう意図しようが、読者が感じた感想こそが正解のはずなんですが、これもまた読書感想文ですから致しかたありません。

次に結論部分を引き立たせるエピソードの取捨選択です。ここを適当に膨らませれば文章量は自由自在に調整できるのですが、適当に膨らませるテクニックを望んでも、無いものは無いと割り切らないと考えなkれば仕事は終わりません。結論から見て必要なエピソードは自ずと決まるのですが、子供の目からはそんな簡単な作業ではありません。そもそも結論部分を無理やり納得させているのですから、結論への誘導に至るエピソードなど見つけるのは難作業になります。ここもまた強引な誘導となります。

結論部分、中盤のエピソード部分の構成が骨格として決まると、最後の大難関、書き出しです。これも恒例の「どうやって書いたらよいかわからへん」の悲鳴が上がります。結論、中盤が決まっているのでそこに向かうように書くだけで良いのですが、たしかにここは難しいところです。ある意味、個性が濃厚に出るところなので、しかたが無いので何度か書かせ、それを基に手直ししてやります。

もちろんそこから中盤の展開へのつなぎ、中盤の膨らませ方、結論の一ひねりまで、しっかり手を加えてようやく完成です。今年は一人でやってくれるかな?無理だろうな?毎年の事ながら厄介な宿題です。そう言えば、下の娘もついに1年生。1年生にも読書感想文があったかな。あれば二人分だ、ギャー!