トリノオリンピック

やってますね。ただしどうも日本選手は雰囲気が重いようで少し心配です。日本選手団と言ってもサッカーや野球と違い、それぞれの競技種目の代表の集団であり、他の競技種目が不振だからと言って本来関係無さそうなものですが、その辺は現場の心理と言うものがあるそうで、前の競技の不振を「私が取り戻してやろう、私が流れを変えてやろう」と微妙に力む事はあるそうです。メダル争いなんて紙一重の争いですから、そのちょっとした力みが大きな差になると言う事も実際あるそうで、このままズルズル沈没しない事を祈っています。

そう言えば開会式を見ていて思ったのは、夏に較べて冬はやはりマイナーなような気が改めてしました。当然と言えば当然で、雪が降らないとスキーは出来ませんし、寒くなって凍らないとスケートは出来ません。さらに用具も夏に較べると莫大な費用がかかります。欧州でも少し南の国になると、夏ならそれなりの選手団を送る国が、ほんの数人だったり、前回は不参加だったりは珍しくもないようです。

やはり強いのは寒い国々で、ノルディックの本場の北欧であるとか、アルプスの麓の国々で、ウィンタースポーツが国技に近いような国々のようです。とくにノルディックなんて、北欧人特有の見るからにバイキングの末裔みたいな大男が驀進する姿を見ていると、とても勝てそうな気がしません。

ノルディック競技の中でも複合の勝者は本場ノルウェーでも特別の尊敬を受けるそうです。ノルディック複合はご存知の通り、瞬発力を必要とするジャンプ競技と、持久力、耐久力を必要とするクロスカントリーの2種目の総合で争われます。夏で言えば十種競技みたいなもので、十種競技の中のロングジャンプと長距離走で勝者を決めると言っても良いと思います。

日本はエースの高橋大斗が腰痛で棄権し惨敗しましたが、あの競技でかつて日本が優勝した事があるのが今でも不思議です。大エース萩原健司はオリンピックの個人種目では勝てませんでしたが、ワールドカップでは北欧の大男をはるかに引き離して独走し、世界選手権3連覇を飾っています。あんまり萩原が安易に勝つものですから、複合なんてジャンプとクロスカントリーの落ちこぼれがやっているマイナー競技と思っていましたが、これは大きな誤解だったようです。

「キング・オブ・ノルディック」これが荻原の敬称だそうです。極東から出現し、大会と言う大会を総なめした王者として、今でも非常に尊敬されているそうです。今でもと言うか、日本の歴代冬季オリンピック選手の中で、唯一世界の強豪として記憶されている名選手だそうです。

日本選手がテレビ画面にも出てこない今回のオリンピック中継を見ながら、ふとかつての栄光を思い出してしまいました。ちなみに私の世代では、今でも札幌五輪の笠谷を思い出してしまうのが悲しいですが・・・。