やっぱり地道が一番かな

ライブドアショックはありましたが、ミニバブルと呼ばれるぐらいのマネーゲームの過熱は相変わらず続いています。マネーゲームの世界は賭博場と似ている面がありまして、基本的により巨額の資金を持っているものが有利です。巨額な資金を持つものが金の威力に物を言わせて企業を脅し上げれば、それによって金が動き巨額の利益を得る仕組みと言えばよいでしょうか。

零細な投資家も大手の動きを読み取る事でその尻馬に乗る事でそれなりの利益を得ています。現在は株式市場に巨額の資金が流入していますから、大手はより巨額の個人でもそれなりに利益を手に入れ、その利益の奪い合いに血道をあげていると言っても言い過ぎではないでしょう。

ただし私のような素人から見ると非常に危ういものにしか見えません。賭博場の資金は賭博者が持ち込んだものに限られます。その限られたパイの奪い合いが賭博の実相と見る事が出来、参加者がドンドン増えているうちはまだ良いでしょうが、減ってきたら直ちに影響が出ます。また参加者は純粋の自己資金だけではなく、借金をして参加していますから、どこかの大口参加者が負債を払えずひっくり返ったら莫大な損失を参加者全員が分け合う事になります。

基本的に投機者は自らの手で生産、販売をしているわけではないように思えます。他人が商売で稼いだ利潤を掠めているだけのように見えて仕方がありません。地道にコツコツと百万円を稼ぐのは大変な努力を要しますが、株式市場では一瞬の株価の変動で容易に稼いだり蕩尽したりします。

そんな世界に慣れ親しんでしまうと地道に稼ぐのがアホらしくなる気持ちは分からなくもありませんが、マネーゲームで取引される資金の基は、コツコツ稼いだ汗と涙の結晶の産物である基本を、忘れない方が良いのじゃないかと最近つくづく思っています。

おっさんのカビの生えた主張かもしれませんが、賭博に使う金は無くなっても家計に応えない小遣い銭程度の範囲でやるべしだと思っています。儲かったら小遣いが増えるわけですし、損しても小遣いにしばらく不自由するだけですから、誰にも迷惑がかかりません。

株式投資と賭博を同一視するのは勘違いも甚だしいの反論が返ってきそうですが、1万円のお金を稼ぐのにどれだけの労力が必要か日々噛みしめている人間には、加熱した株式市場は賭博場と同じように見えて怖くて仕方ありません。

「やめましょう」なんて大それた提案はする気もありませんが、「ラクして儲かりそうだから参加しよう」と考えている人間には「そのうち痛い目を見るよ」とつまらない忠告をしたくなる昨今です。

賭け事はパチンコでさえ滅多にしない人間ですし、人には向き不向きはあります。地道に働くという言葉もそんなに軽蔑されるものではないと思うのですが。