続々々アラカンの修羅場

 順調に行っても6月までかかりますから、クールを積み上げています。ですがどうにもトラブル続きです。第1クールが壮絶な下痢と極度の疲労でニッチもサッチもいかなくなり、第2クールは減量したゼローダだけにまずなっています。

 第3クールはエルブラッド投与も復活しましたがこれも減量投与。80%Xeloxってところです。第1クールでは嘔気も強くてメシが食えなくなったのもありましたから、第3クールは制吐剤をパワーアップして行うことになりました。

 このパワーアップした制吐剤にオランザピンがあります。元は統合失調症とか、双極性の鬱症状に用いられるクスリのようですが、化学療法剤に対する制吐作用も認められている薬剤のようです。

 1日目の夜に内服を開始したのですが、2日目の昼ぐらいから、ふらつき感が強くなり、泥縄式に調べたら、それなりに出て来る症状のようで対応として、

    服用しながら慣らしていく
 そんなものかと思ったのですが、帰宅する頃にはまっすぐ歩くのも難しくなり、さらに嘔気も強く、メシが食えない状態に陥ってしまいました。これは無理と判断しオランザピンは中止。5日目ぐらいまでふらつき感は残りましたね。

 次に襲いかかられたのはインフルエンザです、商売柄しかたがないのですが、さすがに良い気になりません。そりゃ、外来治療とは言え化学療法中だからです。下手すれば命にかかわりかねません。そこにさらなる試練が襲いかかります。ゼローダによる強烈な下痢です。

 Fluと下痢のダブルパンチでフラフラになってしまいました。とにかく下痢をなんとかしないと考え、それこそバカスカとロペミンを飲んで2日ほどで止める事が出来ました。あれも不思議な下痢で、止めれば止まるのです。次の時はどうしようか頭を悩ましています。

 それでも、それでも、なんとか第3クールはすべて完徹。何度か中断が頭に浮かびましたし、中断すべきだったかもしれませんが、やっちゃいました。

 それでもって第4クールになりますが、ここから難しい判断になってきます。化学療法の有害事象は基本的に蓄積作用になります。ごくシンプルにはクールを重ねるごとに有害事象もパワーアップすると言うことです。

 Xelox療法も基本は8クールですが、現実的には4クールぐらいが一つの節目のようで、そのあたりで治療中断になるケースも多いようです。次が第4クールですが、エルブラッド入りで3クール目になります。前回のクールの経過を踏まえてどうするかです。

 おそらくオランザピンの副作用とインフルエンザの併発がなければ、ゼローダ下痢が問題になったぐらいの評価で良いはずです。そうなると減量していたエルブラッドの増量の選択もあるかと思って受診したら、

    一度減量したら、原則として増量しません
 なるほどってところ、現時点の評価は手術により肝前摘除状態で、それでもリスクを考慮しての外来術後化学療法の位置づけです。極論すれば術後化学療法無しでも治っている可能性が高いぐらいになります。原発巣や転移巣が存在しての化学療法とは違うって部分が大きいとしているぐらいです。

 外来での治療ですから日常生活への影響は重視されるぐらいとすれば良いでしょうか。入院治療で踏み込める範囲とは評価が違うぐらいでも良いかもしれません。それに上述した通りに、3クール目はあの程度で済んでくれましたが、4クール目が同じとは限りません。

 それと3クール目の前にStage 3への4クールと8クールの治療成績に差が出なかった点も重視しているところもありそうで、

    5クール目でXeloxは4クールになりますから・・・
 副作用が後遺症なるレベルの前でプロトコール終了の口ぶりまでありました。この辺はゼローダ下痢がかなり強いので、残りの3クールをセローダ単独でも可能かどうかの問題を考慮している感じがしました。

 これまた難しい判断で、xeloxは1クール目が7日目でゼローダ中断、2~4クール目が80%Xeloxです。ですからもう1クールぐらいあった方が良さそうな気もするのですが、どちらにしてもこの4クール目(Xeloxとして3クール目)、さらに5クール目(Xeloxとして4クール目)の結果次第になりそうです。

 知ってはいましたが、見えない敵とのサバイバル戦争の治療戦術の判断は厄介です。でもって治療2日目ですが、とりあえず手足のピリピリ感は前回より強い感じがします。さてどうなることやら。あのゼローダ下痢にどうやって対応しようも頭の痛いところです。