エミの青春:あとがき

 シノブの恋のサイド・ストーリーです。主人公はシノブの恋でチョロっと出てきた北六甲乗馬クラブの娘であるエミです。お話的にはシノブの恋の馬術勝負を北六甲乗馬クラブ側から描くところから入っています。

 さすがにそれでは1冊は引っ張り切れないので、当初構想では竹取物語をベースにしたエミの恋物語を書く予定でした。その辺がセレクト・ファイブとして残っていますが挫折しています。

 温泉話もエミの恋物語への布石で、いつまでも貧乏では恋をする間もないので、リッチまで行かなくとも生活に余裕が出てくるための過程づくりです。

 最初に書き上げた時には、竹取物語は挫折したものの、エミの恋につながるエピソードの導入部を書いて、次作で花開かせるものでした。ところが次作を書き上げた時に、後半部をゴッソリと次作の導入部に使う事にしたので、少々短くなってしまいました。

 仕方がないので誘拐事件のエピソードを入れて補いましたが、全体の流れからすると浮いている感じがするのを遺憾とします。