8/28付朝日新聞より、
「急患たらい回し」削減へ 断らない病院100カ所整備
【辻外記子】厚生労働省は、急病や事故による救急患者の受け入れを断らない病院を全国に約100カ所、整備する方針を決めた。救急患者の「たらい回し」を防ぐのがねらいで、条件を満たせば、どんな状態でもいったん受け入れて対応することを目指す。来年度予算の概算要求に約20億円を盛り込み、スタッフやベッドの確保に必要な経費を補助する。
対象となるのは、入院や手術を必要とする患者を受け入れる二次救急の施設。地域ごとに受け入れ条件として「30分以上待った」や「5カ所から断られた」などのルールを決め、対象の救急患者を受け入れ、入院させたり、手当てをした後に他の施設に転院させたりする。
救急車を呼んでも、受け入れ病院が見つからず車内で待たされたり、救急隊がいくつもの病院に電話をしても断られたりするケースの減少につなげる。
ふと気になったお話です。これはぐり研ブログ様の分析ですが、
100カ所の整備を20億円で行うとして1カ所あたりに使える予算が2000万円、診療報酬の分配比率で考えると病院収入のうち医師の人件費に回る部分が1割強ですから年間200万円強という潤沢な予算で24時間365日必ず救急対応してくれる医師を確保しようと言うのですからまさに壮図と言うべきですが、そう考えても確かにこれは大学病院向けの業務ではないかという気がしてきます。
この補助金が診療報酬比率で人件費になるかどうかは判りませんが、1ヶ所に付き2000万円なら単純平均で1日に付き5.5万円ぐらいになります。これを一晩の人件費と考えるとしても5.5万円に釣られそうなのは
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大学病院向けの業務ではないかという気がしてきます
例外的なところは・・・千葉の亀田とかでしょうか。もっとも千葉には「断らない病院」として名を売っているところもありましたが、今はどうされているんでしょう。ただ千葉の亀田のような民間病院では5.5万円は殆んど有り難味の無い金額ですから、有り難味があるのは大学病院と考える方が自然な気がします。ただですが記事を信じれば、
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対象となるのは、入院や手術を必要とする患者を受け入れる二次救急の施設
そうなると、やはり千葉の「断らない病院」みたいなところを指定する構想のように見えます。千葉は手を挙げそうな病院がありそうなのでまだ良いとして、千葉以外の多くの県で指定に難渋しそうな気がしないでもありません。のぢぎく県まで言わずとも神戸市内の二次救急病院を思い浮かべても候補になりそうなところが思い浮かびません。そりゃ、神戸クラスでも二次輪番(小児科は既に穴が開いています)を組むのがそろそろ怪しくなっているからです。
のぢぎく県で強いて候補をあげれば公立豊岡。えらい逆説的ですが、あそこは立地条件としてほぼ「断れない病院」になっているからです・・・と思ったら公立豊岡も三次でした。そうなれば赤穂市民とか、姫路日赤とかかなぁ?さすがに公立八鹿じゃ辛そうだし。。県立柏原も逆説的には「断れない病院」として当てはまりそうな気もしますが、チト無理が大きそうです。
いずれにしても千葉のような例外を除けば指定に難渋しそうな企画です。とは言え国策として予算化されたら行政は形式を整える事に奔走しますから、そういう時に遁辞を使えないのが公立病院です。ここは奥の手の業務命令を下すと言うのがありますから、晴れて100病院に名を連ねられるのだと想像します。候補は現在の二次輪番病院でしょうし、その中でも内科系、外科系の両方を担当している公立病院が有力そうに思います。
それと100ヶ所と言っても都道府県で平均すれば県に2ヶ所程度になります。これも記事を信じればになりますが、
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地域ごとに受け入れ条件として「30分以上待った」や「5カ所から断られた」などのルール
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対象の救急患者を受け入れ、入院させたり、手当てをした後に他の施設に転院させたりする
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御愁傷様