ちょっとディープな世界のムック

AWG電子照射機

医学博士高原喜八郎公式サイトのAWGについてから引用します。まず概要です。

当クリニックで採用しているAWG(Arbitrary Waveform Generator)は、直訳すると「段階的マイナスイオン電子投射機器」の略号です。AWGによる電子(=マイナスイオン)の投射により、ウィルスを破壊し、身体のずれた機能を戻し、低下した能力を引き上げることができます。

 AWGは、既存の「マイナスイオン発生機」と呼ばれるものと一線を画するもので、電子そのものを体内に送り込むことが特徴です。また、投射の時間や出し方を微細に調節することによって、目的とする効果を最大限に発揮することができます。

どうやらマイナスイオン化した電子を体内に直接送り込むによって治療効果を発揮させる治療機器のようです。原理も一部ですが引用しておくと、

投射された電子は、強烈にウイルスやバクテリア等の殺滅、病巣部の破壊を行います。ウィルスやバクテリア等にはそれぞれ固有の共振周波数があり、この周波数に適合させた電子を投射することで共振現象を起こし破壊することができます。

さらに特徴です。

AWGは癌にだけ効くのではなく、重症筋無力症、劇症肝炎、B及びC型肝炎膠原病などの難病をはじめ約400種類以上の疾病に有効で、有効治癒率も94パーセント以上という医師の臨床報告もされています。

突っ込みたい方は御自由にどうぞ。ここではあえて、こういう謳い文句で使用されている代替療法の一種であるの紹介に留めさせて頂きます。


医学博士松浦優之氏

PETESDA MEDICAL OFFICIAL WEBSITEより、

AWG (Arbitrary Waveform Generator) は医学博士松浦優之 (VMD, OMD, HSD, CMD, Ph.D.) が25年間の歳月をかけ研究開発した段階的波動発生装置です。このHPは、松浦博士によるAWG治療の研究機関、ペテスダメディカルのオフィシャルウェブサイトです。

AWGは松浦博士の25年間の研究集大成と紹介されています。このページにもAWGの様々な効果が紹介されているのですが、注目したいのは、

AWGは、ガストン・ネサン博士のソマチッド理論に合致した世界初の新しい技術です。(詳細は「完全なる治癒ーガストン・ネサンのソマチッド新生物学」、クリストファー・バード著にあります)

ちょっとディープな感じがしませんか? ムックはこの流れで進みます。


ヴィルヘルム・ライヒ

ガストン・ネサン博士とは何者かになりますが、ガストン・ネサン博士に行く前にガストン・ネサンの「ソマチッド論」より、

1924年、フランスに生まれた“ガストン・ネサン”は様々な学問を習得するも、天才ゆえに学者として異端的な行動が目立った様です。定説とか一般論に妥協する感性は、元々なかった人物と言われています。彼が研究活動に入り、最初に興味を示したのは学問の中で最も矛盾を感じていた医学(生物学)だった様です。

「何故、現代医学はガンや難病に瞑想するのか」そんな単純な動機が、ガン抑止を目指す切欠になったと思います。 その後、顕微鏡で人の血液を観察し、その中に不思議な微小生命体が存在する事を確認しています。それは19世紀、フランスのウィルヘルム・ライヒが発見した「小胞バイオン」に類似する微生物と思われます。

気になるのは、

    フランスのウィルヘルム・ライヒが発見した「小胞バイオン」に類似する微生物
ウィルヘルム・ライヒとか、「小胞バイオン」が既知の知識のように書かれていますが、私は存じません。幸いウィルヘルム・ライヒwikipediaに掲載されていますからお手軽に、

オーストリア・ハンガリー帝国領だったガリツィア地方のドブジャニツァ(正しくはドブリャヌィチ。レンベルク近郊、現ウクライナリヴィウ州ペレムィシュリャーヌィ近郊)出身のウクライナユダヤ人。妻は同じユダヤ系のルイザ。

13歳のとき母親が家庭教師と寝ているところをライヒが父親に密告し母親が自殺。17歳の時に父親が自殺同然の死に方をする。法学部に入学するが、その後ウィーン大学医学部に入学しなおした。学生時代から精神分析について学び、敬愛する同じユダヤ系のジークムント・フロイトから指導を受け、フロイト派の精神分析家として活動した。植物神経療法として発展させた。

単純にはフロイトの弟子の1人ぐらいの理解で宜しいようです。でもって「小胞バイオン」とは何かですが、

翌1934年にはデンマークを経由してノルウェーに亡命。オスロ大学で性科学を研究し、そこで滅菌した肉汁中に小胞(バイオン)が認められると発表。

実はライヒは小胞バイオンで有名なわけではなく、

1939年にはバイオンの研究中にオルゴンを発見

ただバイオンやらオルゴンの関する学説はノルウェーで強い批判を受けアメリカにライヒは渡ります。アメリカでライヒはオルゴン研究を進め、

この研究所で作られたものの中でよく知られているものとしてはオルゴン・アキュムレータ(「オルゴン蓄積器」、いわゆる“オルゴン・ボックス”)やオルゴン放射器のクラウド・バスターなどが挙げられる。

ここで当然「オルゴン」とはなんぞやの疑問が出ると思いますが、これもwikipediaにあり、

オルゴン(Orgone) は、精神医学者ヴィルヘルム・ライヒが発見したとする自然界に遍在・充満するエネルギーのこと。 オルガスムス(性的絶頂)からオルゴンと名づけられた。性エネルギー、生命エネルギーであるとされ、病気治療に有効であると考えられた。

ライヒはこのオルゴンを実際に目にしたともなっており、

オスロ大学で、自らが発見したという滅菌した肉汁中の小胞バイオンを培養基に入れ顕微鏡で観察していた際バイオンとは異なる激しく動く青い光を放射するものを発見した。その放射は目や皮膚を痛めると感じたライヒは培養基を内が金属、外は木の板の箱に入れた。開けてみると培養基ごと光っており、また取り出しても箱の中に光る粒子が見えたという

ライヒが一体何を見たかは誰にもわかりません。わかっているのはライヒの末路だけで、

ライヒは1954年にFDAにオルゴン・アキュムレーターの販売が、がん治療機の不法製造販売にあたると訴訟をされ、その時の裁判所の命令に従わなかったため、1957年投獄、同年11月3日コネチカット刑務所で心臓発作で死亡した。

これはオマケみたいなものですが

1カ月黒い雲が研究所の上空にあり続けたことで、ライヒは、オラナーがDeadly Orgone(デドッリーオルゴン、死のオルゴン)略称、DOR )になったとしてオルゴンを集中的に放射する投射機(構造は下部を曲げて流水にアースさせてある中空のチューブを並べたもの)を作成し上空の黒雲を消したという。これをクラウドバスターと呼んだ。 これを雲に向けて引き金を引くと、放射されたオルゴンによって上空の雲を消去することができるとされ、数度の実験にも成功したという。 1954年、UFOを目撃DORを利用した侵略者の宇宙人の宇宙船と直感しクラウド・バスターで撃墜の必要を訴える。

なかなかのご活躍だったようです。


バイオンとオルゴンはどうも違う物質のようです。でもってオルゴンの研究はライへがコネチカットで獄死した事で一応の研究系譜は途絶えたようです。残ったバイオンは新たに発展を見せる事になったようです。正確にはバイオンと同じと言えないかもしれませんが、ガストン・ネサンの「ソマチッド論」を再掲しますが、

    フランスのウィルヘルム・ライヒが発見した「小胞バイオン」に類似する微生物
まあ、ひょっとするとライへのオルゴンかもしれませんが、発見の経緯が物凄いもので、

彼は自らソマトスコープと名づけた、倍率3万倍で分解能0.015μmの超光学顕微鏡(一般的に光学顕微鏡の倍率は1000-1500倍、分解能は0.1μm程度が限界である。これは光の波長の大きさに由来する)を開発し、人の血液を観察。その中に不思議な微小生命体が存在する事を確認したとし、それを「ソマチット」と命名した。

たぶんソマトスコープなるものの物理的な再現も無理そうに感じます。そこはともかくネサンはこれを、

彼はソマチットを意思や知性を持った微小生命体であると断定した。

誠に凄い研究です。ネサンはこの研究を発展させ「714-X」と言う免疫強化剤を開発しますが、

「714-X」は、窒素、アンモニウム塩、塩化ナトリウム、エタノールなどと結合したカンファー(樟脳)から成る製剤であると宣伝されたが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の分析によれば、94%の水と0.01%未満の樟脳および他の塩類から構成されていることが判明した。

人に対する安全性及び治癒効果についての論文は一例も報告がなく、またごく小さな規模で実施された動物実験でも有益な治癒効果は見られず、米国癌学会(The American Cancer Society)は、「714-Xがガンあるいは他のいかなる病気に対しても治癒的効果を持つという科学的な証拠は一切ない。」との声明を出した。

「714X」は支持者が多かったようで現在でも、

この「714-X」が薬品として正式に認可されていない時期、ガストンは薬事法違反で摘発された。カナダに移住した後は、「714-X」投与によって末期癌患者が死亡したという嫌疑での訴訟が起こり、最も重ければ殺人罪終身刑もあり得たが、X-714使用者たちによって結成された「ガストン・ネサンを守る会」の活動もあり、無罪となった。その後カナダにおいて714-Xは末期のガン患者への使用が認可された(この認可を受けたものには、「通常療法に見放された末期のガン患者に限って、使用を許可する」として、カウンセリングや食餌療法など患者の心理的な安心を図るための幅広い治療法が含まれる)。 

日本であえて例えれば丸山ワクチンとか蓮見ワクチンみたいなものでしょうか。ここでオルゴンは消えたようですが、ソマチッドは生き残ったようです。


ソマチッド

ソマチッドは物凄い特性があるようで、これもガストン・ネサンの「ソマチッド論」より、

ソマチットは、300度の高温でも、5万レムの放射能でも、強い酸でも死なず、意思や知性を持ったDNAの前駆物質である生命体と断定し、DNAの基質であるタンパクの合成をする生体の免疫物質である事を、ガストンは突き止めています。

それは、地球上の全生命の基礎単位であり、自己免疫を司る奇跡の微生物と考えられるものです。

どうも高温を除いてEM菌より強そうな感じです。もう少し引用すると、

ガストン・ネサンは、血液中に免疫を司る不死なる知的生命体・ソマチッドが存在し、生体をコントロールしていると言っています。ある意味で、怖い話です。

 生命すなわち運命が、血液の中のソマチッドに支配されていると言われても、簡単に納得できないのは当然です。しかし、この事実は大勢の学者によって究明されています。日本においては、千島 喜久男氏・牛山 篤夫氏・松浦 優之氏などの学者が、ソマチッドの存在を裏付ける研究をし、それぞれ結果を残しています。概ね ガン細胞の増殖メカニズムを、ドイツの病理学者 ルドルフ・ウイルヒョウが唱えた「細胞分裂説」を覆し、血液に宿る微生物・ソマチッドの免疫作用に狂いが生じる為と示唆しています。

ちなみに牛山篤夫氏とは、

日本におけるソマチット研究の中心は日本ソマチット学会である。 学会では、牛山篤夫(元長野県茅野市立病院長)が発見して命名した結晶性粉末S.I.Cをソマチットと同じものであると主張している。

これもちなみにSICとは「低酸無酸性胃炎薬」の事だそうで、ガンにも効くとされたところから昭和37年4月25日の第40回・衆議院特別委員会「科学技術振興対策特別委員会(第22号)ガン対策に関する問題」で参考人と呼ばれて質問を受け、以後の活躍は萎んだようです。千島喜久男氏は言うまでも無く千島学説の元締めであられます。松浦氏も牛山氏や千島氏と並び称されている訳です。日本のソマチッド学の権威と言うところでしょうか。これもまたガストン・ネサンの「ソマチッド論」より、

松浦博士は、ガストン・ネサンのソマチッド論を応用し、ガンや難病患者の血液中に存在する微小生命体を、電子波動(マイナスイオン)を患部に照射する事で、細胞の異常増殖を抑止しする 段階的波動発生装置 を開発しました。

でもってどうなったかですが、

平成10年、松浦博士は長年の研究で完成した AWGを厚生労働省に医用治療器として申請した後、突然 警察に検挙されました。容疑は、医師法違反および薬事法違反でした。

バイオンとか、オルゴンとか、ソマチッドに手を出すと司法関係と仲良くなれそうな実績はあるみたいです。


感想

今日のお話はAWGを軽く調べようとしたら深みにはまってしまったものですが、珍しくラジオニクス理論や波動理論に到達しませんでした。でもなんとなく近い気はします。波動理論では効果の源泉は結局のところ生命の神秘・宇宙の神秘系で留まるのですが、ソマチッド理論では具体的に「かつて」特定できた物質への治療効果を謳っています。

ところで基本的な疑問ですが、ネサンがかつて物理的に作製不可能の手製の光学顕微鏡(ソマトスコープ)で目視し発見したソマチッドは、ネサンの死後に再び特定できたのでしょうか。別にライへのバイオンでも構いません(こっちは普通の顕微鏡で見えたようです)。新物質の特定は追認が広く行われることが重要のはずですが、現在のソマチッド研究者は今もソマチッドを見ておられるのでしょうか。それとも現代技術のレベルでは発見できなくなったのでしょうか。

そこまでいくと深すぎて私の手には負えなくなります。きっと見える人しか見えないんでしょうねぇ。