「助産院は安全?」がお引越し

琴子の母様が書いておられるブログが引越しされました。引越し理由は7/20付「ブログが引っ越します」にあるのですが、

    お世話になったFC2ブログでしたが、今回、このブログに関してブログ運営会社の方に批判を受けている助産師の知人と名乗る人物から、
    『名誉棄損や営業妨害で訴えるかもしれませんから、そちらの方で先になんとかしてください』
    との要請が入ったそうです。
    そこでブログ会社より、どうしましょうかと連絡を頂きました。
    まあ、圧力ですよね。

ちなみに引越し先は

名前は同じですが、FC2からHatenaに変わっています。Hatenaも使い方にクセのあるブログですから早く慣れてくれる様に祈っておきます。なお、引越しに当たって旧ブログのエントリーは移ったそうですから、内容は今でも読む事ができます。読む事ができるのは良いのですが、心配なのはエントリーも引っ越しているので同じ事態が繰り返さないかです。なんつうても、
    名誉棄損や営業妨害で訴えるかもしれません
これはエントリー内容に向けられたものですから、存在すれば同じ抗議が行われる可能性は当然の様にあると言う事です。問題は「営業妨害」や「名誉毀損」に該当するような内容であるかどうかです。これは私ではなんとも言えません。琴子の母様には申し訳ありませんが、お世辞にも熱心な読者とは言えず、すべてのエントリーを把握している訳ではないからです。

琴子の母様のブログのスタンスは助産院に対し大変批判的ではあります。理由はここで書かなくても良いとは思いますが、悲しい体験に基いてそうなっておられます。ただ感情的に当り散らしているかと言えば、私はそう感じません。出来うる限り根拠を集め、時に感情が混じるのは致しかたありませんが、出来るだけ冷静に論旨を展開されていたと感じています。

医師批判のブログもこの世にはテンコモリありますが、知っている範囲で較べても、同じレベルのものはそんなに多くないと思っています。つうかこの程度の批判で「名誉毀損」「営業妨害」の正式の抗議とは正直なところ驚かされます。もし医師や医師会、医師の知人であっても抗議をやれば、抗議活動自体について猛烈な批判が浴びせられると考えます。


さて次の問題は抗議を行ったのは誰だろうになります。もちろんある程度具体的には書かれており、

    批判を受けている助産師の知人
琴子の母様が熱心に取り上げられた事件にビタミンK不投与(VitK事件)による死亡事故があります。時期を考えても「批判を受けている助産師」はその方の可能性が高いと推測されます。理由としては私の知っている限り、助産院への批判は数多く行なわれていましたが、助産師個人が特定できるものは他にはなかった記憶があります。ちょっと自信が無い点は白状しておきます。ですから可能性もあるぐらいにしておきます。

ただなんですが、助産師がこの抗議に関与しているかどうかは疑問に思っています。この助産師は客観的に見て旗色の悪そうな訴訟の被告の位置に座っています。助産師本人がどう感じているかは知る由はありませんが、被告側弁護士は法廷戦略・戦術をどの方向で展開するかで苦慮している段階と考えています。そういう状況で新たな火種に手を出すかと言う率直な疑問です。

通常と言うか、一般的に考えて、助産師は経済的にも、精神的余裕の面からも、まず眼前の訴訟に全力が必要であり、とてもこんなところにチョッカイを出す余裕はないんじゃないかと考えます。それぐらい個人で訴訟を抱え込むと言うのは大変なものだと推測します。

それと良く読んで頂くと、抗議を行ったのはあくまでも「知人」であり、助産師であるとは書いてありません。この辺は言葉の綾もあるかもしれませんが、あくまでも抗議を行ったのは知人です。もう少し言えば、本当に「助産師の知人」かどうかも不明です。抗議が連名ならまだしも、知人の名前だけであれば、極論すれば誰でも抗議は可能になります。

知人と言うのは取り様によっては広い意味を取る事は可能であり、一度会っただけでも知人とするのは可能です。助産師と知人の間に面識はあったとしても、それが深いか浅いかは不明です。FC2も子ども使いでは無いと思うので、それなりのチェックは行なっていると思いますが、このチェックもどの程度であったのかは不明です。


情報が乏しいので推測に推測を重ねる部分が大になりますが、状況からし助産師本人が積極的に関与しての抗議ではなく、知人が主体の抗議の可能性が高いと考えます。ここで知人が助産師の個人的な友人関係で、義侠心から全面的に協力している可能性はあります。ただ引っかかるのは名誉毀損はともかく、営業妨害も持ち出している点です。

助産師の営業に影響は無かったとは言えませんが、それでも営業妨害が出てくることに非常な違和感を感じます。営業妨害が出てくるとすれば、助産師が関係している団体に知人がいるのではないかの推測は成立するかと思います。周知されている範囲で思い浮かぶのは、助産師会と民間療法団体です。この二つの団体なら営業妨害の言葉が出てきても不思議ありません。

とは言え直接関与しているかどうかと言えば疑問です。助産師会は、平成22年7月9日付社団法人日本助産師会の声明に、

 このような事態が発生したことは、誠に遺憾であり、亡くなられたお子さまとそのご家族の皆さまには、心から哀悼の意を表しますとともに、二度とこういうことが起きないよう本会としても、強く会員に注意の喚起を促していきたいと考えている。

この声明の内容にも色んな批評がありますが、とにもかくにも助産師会はこの助産師の行為に反対しています。そういう状況で正面に立って抗議を行えば逆効果になる可能性が明らかであると言う事です。民間療法団体の方が助産師会より閾値が低そうに漠然と感じますが、通常は同様の判断を下すと考えます。もっとも変態記事で問題を引き起こした新聞社はそれをやりましたから、絶対に無いとは言えないぐらいの可能性は残しておきます。

そうなると団体が関与しているとしても、正面から関与している可能性は非常に低いと考えられます。では関与している可能性はゼロかと言えばそうとは言い切れません。正面からではなく側面からの関与の可能性が残るからです。正面からの関与はリスキーであるのはまともな感覚が残っている人間なら誰でも判ります。そこで団体の関係者が個人の資格で抗議するという方法は可能です。その個人に対し側面から支援を与える形式なら関与は可能と考えます。あくまでも表に立たず、裏から支援する方法です。


今日、推測した事がどれほど正しいかは、FC2とのやり取りに直接関与した琴子の母様にでも聞いてみないと、これ以上は判らないですが、問題は出発点に再び戻ります。焦点はやはり、

    Hatenaに移っても抗議があるか
ここに関心が絞られる事になります。琴子の母様はFC2時代のエントリーを移転に当り、すべて移植しています。つまり抗議の元になったエントリーは健在であり、消去する気が無い姿勢を明確に示しています。そうなれば再び抗議を行うのが筋となります。知人の姿勢に立てば、抗議にも関らずエントリーが公開され続けるのは「悪質」と判断する事も可能だと言う事です。

では、今度は抗議抜きで名誉毀損なり、営業妨害で訴訟に及ぶかと言えば、これは判りません。抗議段階では匿名性が保たれるようですが、訴訟になればすべて公開されます。さらにになりますが、訴訟となれば助産師本人が直接関与しなければならなくなります。知人は個人的な友人であっても直接被害を受けたわけではないので、原告として適格性が無い事になります。

では助産師本人ではなく関係団体が名誉毀損、営業妨害で訴えるのは原告として成立するとは思いますが、今度は訴訟の矢面に立つことになります。そういう状況に陥るのは上述した様に団体としてデメリットの大きい所業になります。琴子の母様のエントリーが名誉毀損なり、営業妨害に当たるかどうかは法律論から可能かもしれませんが、一方でこの程度の批判も許容できないとの批判は容赦なく降り注ぐ危険性は大と言う事です。

そんな面倒くさい事は私もやりたくありませんが、もしHatenaに引っ越しても同様の抗議があるようなら、訴訟を受けて立って頂ければ正体がはっきりします。つうかそこまで表に出る度胸が本当にあるかです。紫色先生の名誉毀損訴訟ぐらいしかよく知りませんが、原告側にとってかなり大変な訴訟です。それこそ文章の一字一句をチェックして具体的に名誉毀損かどうかが判定されます。

表現の自由との兼ね合いはかなり厳密で、あからさまな誹謗中傷であるとか、事実無根が明らかに証明された誹謗中傷で無い限り、そう簡単には事実認定されない様な気がしています。野次馬のようで申し訳ありませんが、ブログを変えても執拗に追っかけて来るのか、これで終わりなのかは興味深いところです。その動向はブロガーとして注目しておきたいところです。