7/18付読売新聞より、
日本医師会「二また」後遺症深刻…組織候補ゼロ
日本医師会(日医・原中勝征会長)が、参院選の「後遺症」に苦悩している。
参院選では、同会の政治団体「日本医師連盟」(日医連)の推薦・支援した3候補が全員落選し、1974年以来、守ってきた「組織内議員」の議席を失った。日医連は今回、組織内候補だった自民党現職を「支援」に格下げし、民主党候補を推薦した。ほかにみんなの党の候補も支援したが、結果的に都道府県ごとに支持が分かれ、「全敗」となった。日医連の横倉義武副委員長は14日の記者会見で、「候補の一本化は困難だった」と苦悩をにじませた。
選挙後、原中氏は日医連委員長として、「これまで、日医連は政府・与党への働きかけを重視してきた。今後は政府・与党及び野党に対しても力強い働きかけを行っていく」とする談話を発表した。日医は長く自民党の有力支持団体だったが、4月に民主党支持の原中氏が会長に選ばれ、原中氏の主導で民主党候補の推薦に踏み切った。しかし、参院選を受けてさらに軌道修正を迫られ、与野党の「二また」というあやふやな立場に追い込まれる形となった。
日医連にとって衝撃だったのは、3候補の総得票数が約17万票で、2007年の前回参院選で擁立した組織内候補1人(落選)の得票より1万6000票も減った点だ。日医連関係者は「計算上、日医会員(約16万6000人)が1人1票入れただけに終わった」と落胆を隠さない。1977年の参院選で、組織内候補として過去最多の約130万票を得たころと比べると、組織の弱体化は否めない。
ある県の医師会幹部は、「組織を一本化できなかった原中氏の責任は大きい」と批判する。発足して間もない原中体制の求心力低下は避けられそうもない。
この日医の対応はあちこちで酷評されていますが、より正確には「二股」ではなく記事にあるように「三股」かけての結果です。実際にはどんな応援要請であったかと言うと、平成22年6月21日付日医連発第21号(オリジナルは諸般の事情により掲載していません)より、
さて、第22回参議院議員通常選挙(6/24公示、7/11投票)が目前に迫っておりますが、「安藤たかお」候輔(民主党公認)、「西島英利」候補(自民党公認)、「清水こういちろう」候補(みんなの党公認)の3氏を各医師連盟、各会員がそれぞれの立場で全力を挙げて応援をいただいているところであり、貴医師連盟のご協力に心より御礼申し上げます。
「全力を挙げて」と言われところで私には1票しかありませんから、困ったものです。まあ神戸の方針は、
兵庫県医師連、神戸市医師連は「安藤たかお」候補を推せんしておりますが、会員諸兄のご判断で「西島英利」候補、「清水こういちろう」候補のご投票して頂いても結構です。
この辺は地域の温度差があったとは思いますが、今回の参議院選挙で私が見た日医がらみの応援要請はこれだけです。原中会長のお膝元の茨城ぐらいだったら、もうちょっと熱の入った運動があったかもしれませんが、私のところではこんなものです。つうか、選挙と言っても毎回この程度なのが神戸です。今回がいつもと違ったのは応援が1人ではなく3人であったぐらいが違いです。
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組織の弱体化は否めない
一応、これでも表向きは日医会員ですから、できるだけ頑張って今日は日医を援護してみたいと思います。かなりの努力と忍耐が必要なんですが、酷評は先に多数されていますから、目先を死ぬほどの努力で変えてみます。とにもかくにも不動の大前提は、
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組織内議員がいなくなった
- 三股選挙方針の総括
- いなくなった事態への今後の戦略
あえて言うなら、三股かけて誰か当選したらどうするつもりだったのかが不明です。3人当選するとか、2人当選するとかの妄想はさておき、1人当選ならどうするつもりだったのかと言うところです。民主候補なら原中会長の親民主路線が推進されたかもしれませんが、自民候補が当選していたら反会長派が元気付き、
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発足して間もない原中体制の求心力低下は避けられそうもない
問題の本質はあくまでも、
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組織内議員がいなくなった
先日も選挙結果について様々な論評がコメ欄で為されていましたが、大連立でも起こらない限り、当分は不安定な政治情勢が続きます。民主は解散総選挙でも行なわない限り、後3年は政権を担当する事になりますが、ねじれ国会の運用は深刻な問題で、現在の菅政権でさえ、いつ政権を投げ出しても不思議ない状態になっています。9月の代表選がどうなるかの予測が乱れ飛んでいます。
さらに言えば、現在の民主・自民二大政党体制さえ、どうなるかが危ぶまれています。誰かが動いてガラガラポンが起こらないとは言えない状態です。この辺の見方は様々でしょうが、少なくとも自民長期政権時代と様相が完全に異なっています。そういう時にフリーハンドを持てるのは勿怪の幸いと言えなくもありません。もちろん組織内議員がいなくなるデメリットは大きいかもしれませんが、これもいなくなったものをこれ以上悔やんでもどうしようもないと言う前提です。
組織内議員がいないのですから、議員と議員の所属する政党とは自由に距離が取れます。バタバタと起こるであろう政争の外に日医を置くのは決して悪いばかりの状態とは言えません。あえて問われるのは、そういう状態を日医がどう有効活用するかだけです。組織内議員がいなくなったのは代えられない現実ですから、開き直ってそういう状態をフル活用する手腕です。
うまく活用すれば組織内議員を失ったデメリットをカバーできるメリットも、現在の政治状況なら生み出す事は不可能ではないと思うのですが、原中会長がそこまでの政治家であるかどうかが問題でしょうね。どっちかと言うと、そういう戦略戦術論より、責任の総括紛争で精力を磨り減らしてしまう可能性の方が高そうに見えてしまうのが残念です。
「うぅぅぅ」無理して援護論を書いたので蕁麻疹が出そうになっています。これ以上は限界ですから、今日はここまでにさせて頂きます。