週末休載にします

「休む、休む」と言いながら執念深くエントリーを重ねていましたが、今日は限界、休載にさせて頂きます。疲労は集中力を低下させますが、ネタを捻り出す気力もまた低下させます。政治ネタならあるのですが、これは扱いが難しくて、それこそ気力と集中力が必要で、今の状態で書くと炎上しかねません。個人的に100日マナーを出来れば尊重したいというのもありますから、チョットというところです。

休載と言いながら軽い雑談ぐらいは書いておきたいのがサガなんですが、診療所のミニミニ・ウィンドウ・ディスプレイを旧友に作ってもらっています。その関係で2ヶ月に1度程度雑談を楽しんでいます。旧友は美術関係を志して、売れなかった人なんですが、美術教師の免許だけはあり、時々非常勤の仕事があるそうです。

そのせいか教育関係の知識と実体験があり、その方面では論客です。私の知らない世界のお話ですから、聞くとおもしろいのですが、ちょっと御紹介しておきます。教育界も様々な問題があり、有識者が会議室で決めた机上論に振り回される面は私も同情しています。そういう話題も出るのですが、今日ご紹介するのは、もっと基本的なお話です。

教師は教員免許を取得して、採用試験に合格すればなれます。晴れて教師になった後、「どうだ」と言うお話です。「どうだ」と言っても、学校に赴任し、授業を行なうだけなんですが、旧友に言わせるとそこに大問題があるとしています。どういう大問題かと言うと、授業のテクニックを取得研修する期間が無いという事です。

もちろん大学の講義等であるにはあるそうですが、しょせんは畳の上の水練で、どんな業種でもそうですが、やはり本番を重ねないと身につかないテクニックがあると指摘しています。言われてみればそうで、どんな新人教師でも教室内では1人で授業を行ないます。自分の記憶を掘り起こしても教師は常に1人で授業を行なっていました(細かい例外を除く)。

どうやって授業のテクニックを取得しているか指摘されれば不思議だったのですが、実質的には独学であるとの事です。もちろん先輩教師に熱心に教えを乞うて、実戦のテクニックを向上させる教師も存在しますが、システムとして存在するわけでなく、あくまでも個人的な努力に依存する世界であるとの事です。

それと教師間の関係は水平関係に近く、スタンスとして他の教師の仕事には容喙しないのが原則との事でした。そのため、教師の質のムラが大きくなり、また公務員となれば滅多な事で免職にはならないのでトンデモ教師が存在する温床になっているとの指摘です。


そこまで指摘されて自分が属する医療界と比較して考えてみました。医療界の教育システムがとくに優越しているわけではありませんが、少なくとも新人医師はかなり長期の期間、見習いとして指導者の監督の下に置かれます。公的制度になっている前期研修2年間はもちろんの事、後期研修でも見習い扱いです。もっと言えば前後期の研修が終了してもまだ見習い扱いから脱しません。

経験年数を重ねるに従って、部分的に「一人前」と認められる個所が増えていき、最終的に一人前として文句無しに認められるようになるのは10年程度はかかります。私の経験も古くなっているので変わっている部分があるかもしれませんが、そんなには基本は変わらないと考えています。

他の業種でも研修期間は長短様々ですが存在します。付き合いの多い、製薬会社のMRもそうで、4月に入社していきなり実戦の場に放り込まれる事はありません。おおよそ半年ぐらいは研修期間を置いています。新人が顔を出すのは秋ぐらいからの事が多いように感じます。それぐらい実戦のための教育研修期間は必要だとも考えられます。

教師の仕事も重責です。子どもの将来を大きく左右するお仕事です。子を持つ親の心情として失敗は許されないと考える部分はあります。失敗と言っても許容部分はありますが、教師の学級運営のために学級崩壊を経験させるような羽目は最低限会わせたくありません。誰だってそう考えていると思います。それを防ぐためには、授業や学級運営のための実戦テクニックを教師に身につけてもらわなければなりません。

その実戦研修システムが、どうやら不十分であるらしいとの旧友の指摘に少し驚かされました。あまり詳しい分野とは言えませんし、旧友の指摘や見方もどれだけ正論であるかの検証は難しいのですが、この件は前から何度か旧友から指摘があり、とくに今回はかなりの熱弁であったので、ご紹介だけしておきます。