バイク待ち15か月

 永遠に来ないのじゃないのかと漠然たる不安さえ抱く今日この頃です。まあこれだけ品薄になるとホンダドリーム店が優先になるのは理解します。その点では失敗したかと思わないでもありませんが、後のメインテナンスを考えると・・・

 ドリーム店だってちゃんとやってくれると思いますが、担当の責任者が変らない方が個人的には好きなんです。個人経営の店は逃げ場がないですからね。

 さてと言うわけじゃないのですが、しばらく見ていなかったレビュー動画を見ていました。レビュー動画はあれこれ役には立つのですが、違和感を抱く時はあります。たとえばプロのレビュー。さすがに手際よく仕上がっていますが、

    手放しで褒めすぎだろ
 これはプロの動画であったかは怪しいのですが、いくらなんでも250ccに匹敵するはやりすぎです。では、では、素人ならどうかですが、レンタバイクのレビュー系では知見の狭さが気になる人がいます。

 レビューですから比較対象があっても良いのですが、ちょっとエグイと思ったのはずっと乗り継いでいたハーレーとの比較でした。ジャンルが違い過ぎるだろうです。

 この点はハーレーに限らず大型を乗っている人に出やすい通弊の気がしました。ここも誤解ないようにして欲しいのですが、そういう人でもちゃんとレビューしている人もいます。ですが、パワー不足だとか、振動を強調され過ぎると、

    そんなものは当たり前だ!
 パワーや振動で大型を上回ったりしたら、それこそ化物バイクです。バイクはクルマ以上に乗り手を選びますし、乗る目的も変わります。さらに言えば趣味性が高い乗り物です。小型に、それもモンキーにパワーとスピードを求められても困るじゃないですか。

 この辺は、そういう物を求める人が買ってはいけないのアドバイスと見なせない事はありませんが、この情報社会ですから、10馬力も無い小型バイクの能力の限界ぐらい承知で買おうとする人の方が多いと思っています。

 それと目に付くのは50ccの旧モンキーとの比較です。したって悪くないのですが、フォルムは受け継いでいる部分はありますが、中身もコンセプトも別物でしょう。旧モンキーはクルマに載せて出先で楽しむコンセプトはあったはずです。

 そのためにあれこれ妥協している部分は多々あります。それが味として人気を集めてたのは認めますが、今のモンキーは普通に走れるのがコンセプトだと思っています。だから面白みがなくなったとするのはわかりますが、返す刀で面白味がなくなってしまい価値は無いは言い過ぎの気がします。

 比較的参考になるのは、実際に買って走り込んでいる人のレビューです。なんでもそうですが、使い込んでこそわかる部分は大きいからです。使い込むことでわかるメリット、デメリットこそ本当の実感の気がします。

 どんなバイクにもメリット、デメリットはあり、その差引勘定が評価になります。もっとも買って乗り込んでいる人のレビューにも弱点はあります。レビュー動画を上げるぐらいですから、気に入ってしまってるバイアスが発生します。

 バイクなんて取り回しの難儀さ(維持費用も含む)と走行性能のトレードオフの部分がある乗り物です。どういう点を重視するかは乗り手の価値観の問題に尽きるぐらいです。クルマだってそういう部分はありますが、バイクの方が遥かに大きいですからね。

 ぶつぶつと書きましたが、様々な角度からのレビュー動画あるのはありがたいことで、あれこれと想像だけは膨らみます。結局のところ、自分で乗ってみないとわからないのがバイクですが、15か月は待たせ過ぎがやはり結論になりそうです。

藤井五冠、強すぎる

 将棋はまったくのヘボです。それでも、なんとかぐらいですが、棋譜の解説を後で聞けば、なるほどあそこが勝負の流れを変えたのかとか、あれが悪手だったのかとか、妙手とされるのはそういう事かぐらいは理解していたつもりです。

 ネットで棋譜解説をされているのはアマでも強豪クラスのはずです。元奨励会員の肩書の人もいますもの。そう言う人は、私なんかと桁がいくつも違うレベルで藤井五冠の棋譜を理解できるはずですが、最近の藤井五冠の棋譜の解説には苦労されているようです。

 極論すれば、どこが勝負の分かれ目であり、どの手がどう具体的に良かったとか、悪かったを探し出すのさえ苦労しています。それこそ最新AIをフル回転させて、

    どうもこうのようだ
 それが間違っているとは思わないと言うか、それはそれで説得力もあるのですが、どこか違う気がします。その局面で相手がその手を選んで指してしまうような状況に既に追い込まれている気がします。

 今年の棋聖戦の解説を渡辺名人が動画でされていましたが、第3局の最終盤に渡辺名人に勝ち筋があったそうです。これは感想戦でも出なかったそうで、対局後にそれこそAIをフル回転させて見つけたで良さそうです。ですが、対局中にそれを見いだせたかと言えば、

    30分あればなんとか・・・

 ここのニュアンスが微妙ですが、せっかくの勝機を見逃してしまったという感じではなく、

    それぐらいしか勝機はなかったですね
 この辺は勝負師ですから、どこまで本音かは察しにくいところですが、勝ち筋を見逃がしてしまって悔しいと言うより、その手まで見つけないと藤井五冠に勝てないぐらいに受け取れそうな気がしました。

 もう一つ印象的だったのが、敗着とまで言わないまでも流れが変わる一着とかみたいなものです。緩手としても良いのですが、指した時には無難ぐらいに思われていたのが、指し進んでみると、ちょっと弱気だったとか、消極的な部分があったとかです。

 そういう一手は接戦の将棋なら普通はあって、あれが結果的に敗因につながったは定番のはずですが、これも渡辺名人の棋聖戦第3局の解説からですが、

    遡って行くとになりますけど、最初の構想自体が・・・
 これもどこまで話しているかは私如きでは判断しようがないのですが、見ていた時の印象で言えば、序盤も、中盤も、いや終盤だって、これと言った勝負の分岐点になるような局面はなく、あれだけ指してAIをフル回転させてようやく見つけ出した勝ち筋しかなかったぐらいに受け取りました。

 つまりどこかの一手が勝敗を決したようなものじゃなく、ああいう展開の将棋にしてしまったのが敗因みたいな感想でしょうか。この感想は最近になって増えているような気がします。名だたるトップ棋士が局後の感想で、

    どこが悪かったかわからない
 少し前の藤井五冠なら「AI越え」とか「神の一手」みたいな妙手が称賛されましたが、最近ではどうして負けたかの原因が、対局中の棋士さえすぐにはわからないのかもしれません。

 今では優勢、劣勢がAIで常に表示されますが、対局中の棋士にはわかりません。ですがプロ棋士は指しながら優勢、劣勢を肌身で感じるとされます。どうもぐらいにしか言えませんが、AI判定以上の微差の優劣が藤井曲線が描かれる前に出ている気がします。そうですね、対局中の棋士ならわかるぐらいの微差で、

    局面は互角だが、どうも指しにくい
 互角であれば、そこから優位に導く手順が必要なのですが、それがいくら考えても出て来ず、藤井曲線がAIが描く頃には、対戦している棋士からすると苦し過ぎる状況に陥ってしまってるぐらいの感じです。


 将棋は先手の優位さはあります。囲碁はこれがはっきりしすぎていて、コミが入るのですが、将棋の場合はそういうハンデはありません。ここでなんですが、もし先手がすべて最善手であれば先手が勝つはずです。最善手と言ってもAIレベルですけどね。

 後手が勝つには先手のミスを待つしかありません。これまではトッププロであっても、必ず悪手までいかないものの緩手が飛び出し、それで形勢が逆転とか、二転三転させるのが将棋だったと思っています。将棋の先手後手でハンデがないのは、それが将棋ですから勝率に大きな差が出なかったからで良いと考えています。

 ところが藤井五冠が最善手を指す確率はトッププロと較べても非常に高いと分析されています。こんな単純化すれば怒られそうですが、最善手の確率が高い方が勝つのが将棋なら、これだけ藤井五冠が強いのが説明出来てしまう気がします。そうですね、対戦相手はまるで最新AI相手に指している気分になるのかもしれません。

 もちろん藤井五冠とて人の子ですからミスも出ます。ミスも出るから負ける事もありますが、ミスが極度に少ないので驚異的な勝率を残しているとして良いはずです。藤井五冠の勝率はデビュー当時から高いのですが、今の対戦相手はトッププロが大半です。それで変わらず勝ち続ける驚異をこれぐらいでしか説明できない気がしています。


 これは妄想レベルになりますが、藤井五冠は将棋の勝ち方を会得している気さえします。将棋は様々な局面に進展しますが、こういう駒組に持って行けば勝てると言うか、勝てる駒組にもっていく手法を会得してしまったぐらいの見方です。

 対戦相手からすれば手の広い、難解な中盤戦に見えても、藤井五冠からすれば、勝利への道筋が見え、それに向かって指し進み、ふと気づけば藤井曲線に抵抗しようもなくなっているぐらいでしょうか。最近の先手番での圧倒的な強さがそれを物語っている気がしてなりません。

 人がAIに負けたのは将棋界にとって衝撃的な出来事であったはずです。あの時に将棋界は打倒AIじゃなく、人のチャンピオンを決めるところに路線変更したぐらいに思っています。それぐらいAIは強かったですからね。

 AI将棋の特徴は人が定跡とか、手筋とか、常識としたものを一切斟酌しない思考過程で最善手を選ぶぐらいと考えています。それにトッププロが勝てないのを見て、気づいたのじゃないかと考えています。人の思考過程じゃなく、AIの思考過程を取り入れたら強くなるはずぐらいです。

 その申し子が藤井五冠かもしれません。トッププロが蹴散らされてるのは、ALの思考を取り入れようとしても、これまで積み重ねて来た人の思考の常識がどうしても出てしまうのが弱点のような気さえします。これも渡辺名人の解説ですが、

    こうなったら〇〇を取り返さないと損得が合わないと考えるじゃないですか・・・
 ギリギリの終盤になると時間も切迫していますから、従来の将棋常識が顔を出してしまうのを物語っているような気がします。そうなってもAI思考で判断できる藤井五冠と他のトッププロの差が今の成績になっているのじゃないでしょうか。

続々アラカンの修羅場のおまけの続き

 近所の内科診療所から無事降圧剤をゲットできたのですが、高血圧と言えば血圧を測定しての管理は必要です。内科医からも、

    家に血圧計はないんか
 ええ、家にはありません。さすがに仕事場にはありますが、小児科ですからあんまり使いませんし、恥ずかしながら、あの血圧計の使い方を知らないと言うか、自分で使った事がありません。そこでって話じゃありませんが、自分用の手軽な血圧計を買おうと決断しました。

 調べるとあれこれあったのですが、今どきの血圧計はスマホ連動して記録も付けてくれるようなので、手頃そうなものをネットで購入しました。ただし購入決断までの始動が遅くて、降圧剤内服開始してから1週間後になったのは御愛嬌です。さすがは今どきの機械で、血圧測定もスマホへのデータ送信もスムーズだったのですが、大問題が発覚。

    下がってへんやないか
 こりゃ、どうも頭がフラフラするのは高血圧が原因と見て良さそうです。さてどうするかです。素直に考えて血圧が高すぎるのですが、計測したのはまだたったの1回ですから、これだけで動くのはちょっと早い気もします。

 ワンポイント測定での再診であっても、このデータなら降圧剤の効果は不十分ぐらいは言えるとは思いますが、こういうものは、それなりの経過日数での変動を見て判断するはずです。降圧剤を始めて何日目なのか、その間の血圧の変動はどうかを見てこの先の治療戦略を考えると思うのです。

 この辺の知識が薄すぎるのがネックですが、せめて何日分かの血圧データが溜まるまで待つことにしました。化学療法剤の影響まで考慮すると、それが終わった後のデータもあった方が望ましいとは思いますが、化学療法剤の休薬期間は1週間です。

 化学療法中が2週間で、休薬期間が1週間のサイクルが今回も含めて7回残っています。さらに言えば、休薬期間だって化学療法剤の影響は残っているはずです。参考データは多いほど望ましいはずですが、待ち過ぎるのもどうかと言うところです。

 ですから5日分ぐらいデータがあれば、それなりの参考になると考えて、それぐらいのタイミングで受診しようと思っています。ただそうなると予習が必要になります。これが同業者相手の辛いところで、前回の受診の時にも、

    なにが欲しいんや

 気持ちはわかりますが、小児科医ですし、内科も諸般の事情で半年ぐらいやってはいますが、いかんせん古すぎる知識です。初診の時はARBを希望したのですが、咳のリスクを重く見られたようで、ACE阻害薬になっています。それに文句などないのですが、またぞろ、

    なにが欲しいんや
 これをやられると正直なところ困ります。悪意はないのは十分承知していますが困ります。ググった程度ですが、ACE阻害薬で十分な効果が得られない時は増量の選択もありますが、能書きでは今の投与量はマックスみたいです。

 そういう時にはARBへの変更か二剤併用のようです。初診の時に60日もゲットしてしまったのもありますし、ARBへの変更でも単剤では効果が薄そうな気がしないでもありません。そうなれば二剤併用になってくるのですが、二剤目の組み合わせもあれこれあるようです。

 病状に応じての部分のはずですが、今のところ癌治療中ぐらいで他にはデータ上は問題ありません。ざっとググった程度ですが、とりあえずCa拮抗剤ぐらいがポピュラーそうなので、もし聞かれたらそうしましょう。他を勧められたら従います。だって、今の降圧剤事情なんてわからないのですから。

 でも診てくれている内科医には同情します。同業者がどれだけやりにくいかは、こっちだって良く知っています。同業者だって患者に違いはないのですが、どうしても、その辺はあるのは良くわかります。次でコントロールが付きますように。

続々アラカンの修羅場のおまけ

 救急外来からそのまま入院になったのですが、入院患者となればバイタルチェックが行われます。そこで発覚したのが高血圧。それも相当な物として良いものです。定番の、

    普段の血圧は?
 職業柄不養生でまったく計っていません。結構な高血圧なのですが、その扱いが今の大病院なんだろなの経験をさせてもらいました。治療を担当したのは1回目の入院が外科と消化器内科、2回目の入院は外科と手術の時の麻酔科になります。

 血圧は朝夕ぐらいでチェックしていたので、そのデータは把握しているはずですが、高血圧に伴う自覚症状が乏しいだけですべて突っ走られました。そう高血圧治療はほとんどノータッチです。この辺は私も良くないところがあって、手術からケモまでの間は術後の回復しか考えず、1クール目のケモに突入していったぐらいです。

 1クール目は年末年始の休みだったのですが、年明けにさすがに高血圧の治療はしておいた方が良いとやっと決心した次第です。自覚症状も出て来たのはあります。なんとか診察時間が微妙にずれている近所の内科を受診したのですが、

    そこの病院の医者はなんもせんかったんか!
 はいそうです。理由として考えられるのは循環器科が診療に参加していなかったで良さそうです。そこから考えると診療科同士の連携も綿密とはお世辞に言えないところがあります。ここも断っておきますが、それぞれの診療科の医師は真摯に対応してくれています。

 ですが横の連絡、たとえば採血データの共有も怪しそうなところがあります。それを言えば画像データもどうなんだろうかの部分はあります。現時点で言えば手術した外科と、ケモを担当する腫瘍科も微妙に連絡の悪そうなところがあります。

 端的には予定通りに進めば3クール目がありますが、その5日後に外科フォローがあります。この外科フォローは採血データの確認と聞いていますが、採血なら化学療法前に行っています。検査の評価の時期が近すぎると素直に思います。

 大病院になるほど診療科同士の壁が高くなるの話は聞いていましたが、なるほどこんな感じなんだと実感した次第です。そこに高血圧が混じり込んでも、誰も積極的に手を出さなかったぐらいでしょうか。まあ、高血圧なんて診療所案件で、わざわざ自院の循環器科にコンサルタントなどしないぐらいの理解でも良さそうです。

 とくに入院中は、とにもかくにもDPCの縛りがあるのも大きいかもしれません。前にも書きましたが、悪性腸閉塞で発見され、現在は腸閉塞をステントで解除してから4週間後に手術するのは納得しました。でもって退院してから、胃カメラ、大腸ファイバー、造影CT、ちょっと別件で肝胆膵EUSを行っています。

 入院は1週間あったのですから、患者サイドとして入院中に出来るだけ済ませて欲しかったのは本音です。入院も後半は暇を持て余していましたからね。やらなかった主な理由はDPCです。それで納得してしまうぐらいの知識はありましたが、検査のために通うのは二度手間って言葉がどうしても浮かんでしまいました。

 今どきなら常識であるとの話は断片的に聞いてはいましたが、自分が実際に経験するとなんだかなぁと思ってしまうのは仕方がないですよね。

続々アラカンの修羅場

 手術で原発巣は摘除出来てリンハ゜節転移も見つからず、術前のStage 3B予測からStage 2Aになってくれて正直なところホッとしました。あれが逆だったら嫌だったろうな。ただこのStage 2Aですがオマケが付いていました。それは、

    high risk group
 名称を聞くだけで薄気味悪そうなオマケです。いくら医者でも専門外の知識となると古くて手薄も良いところなので、ググる程度ですがどんな代物か調べてみました。これぐらいだったら、どこかで手軽に解説しているだろうぐらいです。

 ところがギッチョン、どうにも記述が曖昧だったのです。high risk groupとする定義や、Stage 2であっても術後化学療法を必要とするぐらいは書いてあっても、患者にしたら欲しい5年生存率とかが出てこないのです。なんとかわかったのは、術後化学療法はStage 3と同じ扱いぐらいです。

 それだけわかれば術後化学療法が必要ぐらいには十分と言えば十分ですから、サバイバルのためのケモに入りました。行われたのはエルブラッドとゼローダを使うXelox療法です。これも標準として広く用いられるレジメです。

 ケモには副作用はセットみたいなものですから、それなりの心構えで臨みました。こんなものはこの身で体験しないとわからないものですが、エルブラッドの末梢神経障害は「うゎ」てな感じでした。それでも滑り出しは想定内の副作用が出てる程度だったとして良いでしょう。

 想定外だったのは倦怠感じゃなく強烈な疲労でした。倦怠感や疲労も出る事はあると主な副作用には出ていましたが、おそらく出現頻度として低いためか、どれだけググっても体験談とか、対処法みたいなものが見つかりませんでした。

 とは言うものの強烈過ぎる疲労で、それこそ文字を読むどころか、映像さえ見るのが苦痛です。どれだけ休んでも回復せず、着替えとトイレぐらいしか出来ない状態に陥ってしまいました。最終的には強烈な下痢や、悪心から食物をまったく摂取出来ない状態になり、ケモを断念せざるを得なくなってしまったのです。

 これは深刻な決断を考えざるを得なくなってしまったと言うことです。副作用の主役はケモの経過日数からゼローダでしょう。ところがキードラッグは5FUのプロドラッグであるゼローダで、エルブラッドだけでは効果は期待できないとなっています。

 なんてこった状態です。こりゃ、ケモをあきらめる最終決断さえ思い浮かんできます。そうなると頭に巡って来るのは、ここでケモを中止した時のhigh risk groupの再発リスクです。これがどうにもはっきりしません。私がググって調べた印象ではStage 2でありながら、限りなくStage 3に近い感触です。

 2クール目の前に腫瘍科医と相談です。腫瘍科医も疲労の原因となったのはゼローダであろうとしていました。またあの時点でケモを中止にした判断は間違ってないともしてくれました。まあ、あれ以上継続するとなると入院治療が必要ですからね。

 相談はこのクールの結果を受けてどうするかです。まずですがhigh risk groupについて簡潔な説明をしてくれました。私の場合、脈管への浸潤もあったのですが、ポイントは既に血液中に癌細胞がばら撒かれている可能性が残るのがhigh risk groupとしました。

 当たり前の話と言えばそれまでですが、妙に納得したものです。具体的な数値の説明を避けたのは、どうもエビデンスに足るほどのデータがまだそろっていない印象を受けました。突っ込んで聞かなかった私が悪いのですけどね。

 興味深かったのは血液に播種されているかどうかの検査法の開発も行われてるそうです、これが完成すれば、high risk groupでケモが必要かどうかの判断が出来るそうです。ただし、

    10年ぐらいしたら実用化されるかも・・・
 ギャフンです。もっともそんな検査があればやってますものね。とりあえず私のケースには間に合わないのは理解して、これからどうするかです。腫瘍科医の判断として、やはりケモは続けたいし、ゼローダは必要です。それは私もわかっていますが具体的にどうするかです。

 示されたのは現実的な対応です。副作用の主役はゼローダですが、同時にキードラッグでもあるのです。これは最終的な選択として、エルブラッドの副作用が強すぎる場合、ゼローダ単独投与もあるぐらいです。さらに副作用が強すぎる時には減量もあります。

 それに1クール目の副作用の強さを勘案して、次のクールはゼローダ単独とし減量して投与し、エルブラッドの投与もやめておく提案でした。その次のクールは今回の結果を踏まえて考えようぐらいです。

 こういう判断になるのはこれが外来化学療法であるのもエッセンスとしてありそうです。それなりに副作用が出るとしても日常生活が送れ、仕事も大きな支障を来たさない必要があるぐらいでしょうか。

 前回の副作用の主役はゼローダの可能性は高いですが、エルブラッドも併用している訳であり、この二つの化学療法剤の相互作用が副作用の増悪にどれほど影響を及ぼしているか未知数の部分はどうしたって残ります。今回も二剤投与をすれば、前回の悪夢の再来の可能性は誰にも否定できません。そこで副作用がどれほど出現するかわかりやすいゼローダ単独の減量投与にしたぐらいです。


 ここでなのですが、薬剤は量が多いほど効果が強くなるものです。もちろん多すぎると副作用が出て来ます。ただ化学療法剤の相手は腫瘍ですから、可能な限り多くの化学療法剤を投与します。ゼローダなら体表面積から算出されますが、それでも強い副作用は出る時は出ます。

 だから減量投与なのですが、これが有効量かどうかは神のみぞ知る世界になります。副作用ゾーンと有効域は近い時もありますが、被っている時もあります。被っている場合は有効域より下がっている可能性も十分にあると言うことです。こればっかりは個人差ですからね。

 今回は検査上は腫瘍がなくなってくれていますから、有効に作用してくれているか、そうでないかの判定なんて調べようがないぐらいです。それを言いだしたら標準量であって副作用が強くない人の場合は、実は有効域を下回っているケースだってあるはずです。

 あれこれ考えたところで、出来る範囲の事しか出来ないのが化学療法です。辛いのは自分の生死に直結するところですね。寿命と言うものは、元気な時に考えるのと、こうやって死の可能性に直面した時とでは違うと言う、ごくごく当たり前の事を実感している次第です。