1.17 あれからもう28年か・・・

 小説連載の関係もあって、もう1.17は触れない気もありました。地元紙は前日ぐらいから社会面は1.17で埋め尽くされる勢いなのは例年通りですが、ひょいと目に付いたのは語り部を受け継ぐです。減ってるだろうなは、素直にそう感じます。

 私だってアラカンになってしまいしたし、あの頃に大変な目に遭っていたはずの70歳なら、生きていれば98歳です。逆に30歳以下になれば、神戸生まれで神戸で育っていても記憶にすらありません。成人した二人の娘がそうですからね。

 30歳代の半ばぐらいから上なら記憶に残っているはずですが、神戸を生きるために離れた人も多く、40歳なら知っているかと思っても、震災後に神戸に移り住んだ人も少なくありません。これは後から見つけたので書き足しておきますが、震災後19年で8割が転居しているのデータを見つけました。

 転居は市内もあるでしょうが、市外だって少なくないはずです。どちらかだったまで当時も追及してませんが、あれからでも10年ぐらい経ってますから、推して知るべしぐらいは言わせて頂いても良いぐらいに考えています。

 それでもって言えるぐらいの人はまだいますが、他人のことは言えませんが、経験が深刻過ぎて口にしたくない人もいれば、逆に軽すぎて、この程度の経験を口にするのは控えてしまう人もいるはずです。私は後者です。

 それと震災経験者と言えども、知っているのはその目で見、その身で体験した事だけです。それが貴重だの意見もありますが、どうしたって同じ話の繰り返しになります。それが28年となれば、もうエッカみたいな気持ちもあるのじゃないかと思ったりします。

 語り部的な役割は震災の悲惨さを語り継ぐのも一面ですが、震災経験を後に活かして欲しいもあると思っています。そういう点では、かなり活かされてると思っています。阪神の後にも震災は起こっていますが、阪神の経験は確実に活かされています。

 それでもまだの意見はあると思っていますが、端的には自衛隊の出動の迅速化です。迅速化だけではなく、被災地救助に自衛隊が出動するのは当然ぐらいになったとは思っています。東日本大震災では、自衛隊だけでなく米軍も参加したトモダチ作戦が展開されています。

 阪神大震災の頃には、まだいかなる状況であっても自衛隊の出動には反対であるとする勢力が強かったのです。まああの時に不運だったのは首相が社会党だったのもあると思ってるぐらいです。ですから米軍なんて夢物語だったなんて、もう信じられない人も多いかもしれません。阪神の時に米軍まで必要だったかはさておき、それが28年の成果の気が個人的にはしています。

 復興予算もそうみたいで、復興計画には16兆3000億円が投じられたとなっていますが、その半分が県や自治体の負担になっています。復興予算を調達するために地方債が発行されてますが、28年経っても5826億円残っているそうです。

 これも阪神の教訓で、以後の震災では国の負担割合が大きくなって行ったそうですが、遡及措置で救済はしてくれないだろうな。そういう面でも利権に絡みついて、税金をチューチューするところへの怒りは被災者として大きいのかもしれません。 

ナニカみたいな騒動:利権の棲み分け仮説

 この騒動でマスコミの動きが鈍いの声はありましたが、議員の動きも鈍い気がします。これもマスコミが注目しない事案で動いたところでアピール効果が薄いぐらいで説明も可能ですが、話は公金の使用問題ですから、もうちょっと反応があっても良さそうな気がします。

 ある有識者がマスコミが動きが鈍い理由として、与党マターでなく野党マターだからとしたのを先日紹介しました。これはマスコミだけなら説明になりますが、野党マターなら与党が攻撃に使える材料じゃないかの素朴な疑問が出て来ます。

 ですが与野党とも腫れ物に触るようにこの騒動を取り扱っている印象を強く受けます。この辺は、もう少し確たる根拠、たとえば監査の結果を待っているとも考えられますが、週刊誌ネタでも国会で追及の材料にされている事もありますから、どうなんだろうと言うところです。

 そこで思い付いた仮説です。今回であれば男女共同参画事業から赤い羽根共同募金まで飛び火していますが、よくよく考えなくとも、この二つだけにしか起こっていないと考える方が能天気です。もっと広い範囲でも掘り起こせば出て来るとする方が妥当です。

 そうなると下手に攻撃材料にすれば逆襲されて暴露合戦の泥沼になる懸念があるから、積極的に手を出さないぐらいの見方が出てきます。つまりって程じゃありませんが、与野党とも事業利権を抱えており、それもこれはそうなっているとしか考えようがありませんが、棲み分けしている可能性が出てきます。そうですね、

    よそのシマには手は出さないのが議員道
 これまでも公金の不正会計疑惑はありましたが、あれだってもしかして、それは議員道に外れる行為であるとか、追及しても「ここまで」みたいな議員道としての紳士淑女ルールに則ってのものだった可能性すら考えてしまいます。

 こんなもの陰謀論も良いところですが、それでも利権の広がりは騒動になっている男女共同参画事業や赤い羽根共同募金にしか起こっていないと考えるのは。無理があり過ぎる気がします。

ナニカみたいな騒動:禁じ手の考察

 まず、

  • (監査請求を申し立てた)一般人氏
  • (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
 こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。

 この騒動にはあれこれ枝葉がこれでもかと繁ってしまっていますが、根本は会計問題です。一般人氏は会計問題から波及する問題点からの推理を広げた点を団体側から訴訟を起こされたぐらいに私は見ています。一般人氏が広げた推理や推測も団体側の会計報告に本当に問題があったと立証されてこそのものです。

 たぶんぐらいですが、私のような外野の人間にとっての関心は会計報告が正しいのか、はたまた一般人氏が指摘するような問題が存在するのかの一点として良いでしょう。そこからの波及問題は会計報告にケリがついてからの話になります。

 会計報告と言っても委託費に対する費用対効果問題でもありません。それはそれで重要な問題ではありますが、この騒動では焦点ではありません。そういう評価はまた別のところで為されます。知りたいのは公金である委託費が事業目的に副って問題なく使われているかどうかだけです。

 この点も団体側の会計報告に適切でない部分がある可能性は、監査委員会で認められ滅多に起こる事はない監査の決定が下されるぐらいに存在しています。もちろん現段階では監査委員会も監査を行うに足るぐらいの疑念があるに過ぎず、最終決定は後日になります。


 ここでなのですが、この騒動の初期から上がり続けている声として、

    疑われているのなら領収書付きで疑惑を晴らせ
 おカネの支出の話ですから、それさえすれば話は終わりです。団体が一般人氏に起こした訴訟も、先に領収書付きで会計報告の潔白証明をした上でなら、より効果的かつ優位に立てたはずです。ですがまるで禁じ手のように扱われています。

 ただ醒めて考えれば、領収書付きの会計報告をどういう形で行うかは容易じゃないところはありそうな気がします。具体的な方法をあれこれ考えてはみたのですが、私如きの知識と技術ではウンザリするような作業が求められそうな気がします。

 これが税務署とか、この団体なら東京都相手なら担当者だけが相手ですから、実物の領収書を見せながら説明するのは可能ですが、Webでとなるとお手軽にポンって訳にはいかないのぐらいは理解しても良い気がします。だって領収書の公開に好ましくない部分に海苔を貼り付ける作業だけでもウンザリしそうですからね。


 ですがそれだけが理由と言えないところもありそうです。団体代表のお考えとして、手掛けている事業性質として領収書は不要であるとのお考えをお持ちのようです。これについては、団体の事業に共鳴され、団体代表の領収書不要論に協力したことがあるとした、維新だったかの都議が話されています。

 団体代表の領収書不要論は団体の支持者、その中でもとくに強い支持者であると見てよい83人委員会の発言をみてもわかる気がします。誰もが事業の崇高な目的を称え、高邁な精神で運用に当たられている代表だから正しいのは団体だとしておられます。

 これらは崇高な目的に対して高邁な精神で運用してるのだから、領収書などは不要であるの代表のお心を汲んでの発言と見て良い気がします。これは思想信条の自由ですから、そう考え、それに賛同されること自体はなんの問題もありません。

 代表の領収書不要論は団体の自主事業部分に関して行われるのなら誰も問題とは考えません。事業団体には事業団体としての運営理念があり、どんな運用をされようが自由だからです。あえて老婆心で言えば領収書なしで組織の運営なんて可能かどうかぐらいです。たとえば税務署相手に通用するかもありますし、団体に中にも不心得者が混じり込んだりするリスクへの心配です。


 されですが納税は国民の義務ですが煩雑なものであるのはわかります。私も勤務医時代ならまだしも、零細でも事業主になれば手に負えないと判断して税理士を雇っています。税理士費用は安くないですが、税理業務の煩雑さ、さらに税務署への対応の大変さを考えると余裕の必要経費です。

 そりゃ税金対して文句はあるかと言われたらありますけど、これは国民の義務ですからこれを支障なく行うのは当然ことです。とはいえと言うか文句もありますから、そうやって払った税金の使用について関心が高いのもまた当然です。ココロで言えば一円だって無駄に使って欲しくないです。

 団体は公金による委託事業を行っています。種類は異なりますが公金を受けての仕事の経験もあります。そういう方は少なからずおれるはずですが、あれはかなり面倒な作業であったのは認めます。そこまで文句を付けるのかの感想を持った事も白状しておきます。

 ですが納税者の立場から考え直すと、それぐらいの厳しさは求めたいのは理解できます。それが嫌ならば貰うなです。それこそ欲しい人はいくらでもいるのです。そこのギャップはどうしたって生じますが、公金を受け取る以上はセットに付いて来る代償みたいなものです。

 代表がどういう考えをもって運用されようが自由です。その考えの中に領収書不要論があっても構いません。ですが公金を扱う事業である限り、いくらお嫌いでも領収書付きの会計報告は必要です。それは公金を扱う事業に参加する義務みたいなもので、事業の崇高さとか、代表の高邁な精神とは別次元のお話になり、特別扱いは無いとして良いはずです。

 ここもですが、これは私が考えているだけでなく、監査報告からもそうであるの裏付けもあります。どこをどう読んでも団体の事業の特性を鑑みて領収書など不要としている指摘がなさそうだからです。蛇足みたいなものですが、これは男性が行う事業であっても、女性が行う事業であってもどこも変わりはありません。

ナニカみたいな騒動:監査請求

 まず、

  • (監査請求を申し立てた)一般人氏
  • (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
 こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。

 監査請求の話はとにかくややこしくて、三行でまとめるなんて到底無理な代物です。それでも滅多に認められないとされる監査請求が認められたのは大きなと言うより、衝撃的なものとして受け止められています。

 監査決定の内容も御存じの方が多いと思うので割愛しますが、文面上は団体にかなり厳しい内容と評価する方が多かったと感じています。ここからの話は監査を請求された一般人氏の情報に主に基づいています。他に有力な情報源もありませんから御容赦ください。


監査請求の審議の流れ

 言うまでもなく一般人氏とて監査委員会の審議に実際に参加しているわけではなく、監査決定の報告書みたいなものからの推測になります。それがかなり不思議と言うか、不自然過ぎる構成になっています。この問題は団体の会計処理の方法になります。

 一般人氏は会計分析にあたり団体が公表している会計報告・活動報告、さらに情報開示で得られた団体が東京都に提出した会計報告・活動報告を基礎資料とされています。そりゃ、会計問題ですからそこから始めるのは定跡ですし、誰だってそうする以外にありません。

 そこで浮かび上がった疑問点を監査して欲しいと申し立てたのですから、常識的に考えて監査委員会も団体が公表している会計報告・活動報告、さらに東京都に提出した会計報告・活動報告から検討を始めそうなものです。

 ここで結果で言えば一般人氏が申してた疑問点はことごとく却下となっています。そうであれば監査請求自体も却下になるはずですが、そうなっていないのは周知の通りです。とにかくこの騒動は、普通はとか、一般的にはなんてものがしばしばぶっ飛ぶような事が次々と起こるのですが、これもまたそうです。

 監査を請求した理由はすべて却下されたにも関わらず、監査が認められてしまうと言う訳のわからない事が起こったと言うことです。


謎の表3

 一般人氏の指摘をすべて却下した根拠が表3として有名になった会計報告です。この表3に基づいて審議した結果として一般人氏の指摘は却下されています。そう、ここまで影も形もなかった表3が監査委員会に突然登場し、一般人氏の指摘を否定しています。

 これだけでも何が起こったのだと思う以外はないのですが、すぐに出た疑問が表3を誰が作ったのかです。表3は団体側の領収書を基に作られたと監査報告書に明記されていますから、団体が作ったと推測が出ています。そりゃ、領収書を保管しているのは団体ですから、他の誰が作れるんだになるのはわかります。

 ですが一般人氏は否定しています。もう何がなんやらの世界ですが、少し冷静になって考えれば理由はわかる気がします。新たな会計報告を団体が提出などすれば、二重会計の裏帳簿になってしまいます。さすがにそこまでになれば一撃轟沈に普通はなるはずです。あくまでも普通はですけどね。

 そうなると表3を作成したのは監査委員会になります。他に作れる人はいませんからね。第3者である監査委員会が作成したのであれば裏帳簿にならないことになります。そうやって作られた表3の威力は上で説明した通りです。

 それでもと思うのは、表3と団体の正式の会計報告は相違します。そりゃ、同じであれば一般人氏の主張を却下できないからです。そこの問題についてですが、たぶんに過ぎない推測ですが、

    正式の報告書と若干の相違は認めるので訂正の必要がある
 これぐらい注意を団体側に行って幕引きの予定ではなかったかと見ることは可能です。つまりは監査請求は却下です。これは、そうでも考えないと監査報告書の内容が奇妙過ぎるのです。これも一般人氏の見方に同意しますが、あれだけ前半部分で一般人氏の指摘を表3で否定したのなら、結論は監査請求棄却しかないだろうです。


何が起こった

 表3まで作り上げて監査棄却の方針であった監査委員会が掌を返したのは理由があるはずです。それもかなりギリギリの段階で方針が変ったと見るのは一般人氏の意見に同意です。時間に余裕があればあんな妙な文章構成にせず、それはそれなりに辻褄のあったものに書き換えるはずです。

 ここはあの文章のままにしたのは他にも理由があると見ることは可能です。よくよく読んで欲しいのですが、監査報告書は表3で一般人氏の主張を退けていますが、最終段階で監査が必要としたのもこれまた表3なのです。

 つまり団体の会計に問題があると判断したのは一般人氏の指摘ではなく、表3を作り上げた監査委員会のお手柄になります。自分で書きながら頭がグシャグシャになりそうですが、監査委員会は一般人氏の指摘を表3で否定しながら、表3で自分のお手柄を作った事になってしまいすます。

 ここなのですが、お手柄を作ったのは監査委員会の最初の意図とは違う感触があります。当初の予定では表3で監査請求を却下だけするはずだったのが、なんらかのアクシデントで監査をせざるを得ない状況に陥り、強引な辻褄合わせを行ったと見れると考えます。


アクシデントの仮説

 一般人氏はそうなった理由を会計検査院の影じゃないかとしていました。そういう情報を都議会与党の代表が出してました。あの時は会計検査院が出てくればこの話はケリがつくで盛り上がりかけましたが、あれこれあってフカシとかデマ扱いで終わったと記憶しています。

 ですが一般人氏はそういうアングラ情報を都議会与党代表は実はつかんでいたぐらいに推理しています。ここもなんですが、会計検査院に本当にそういう動きがあるのかどうかは不明です。あくまでも都議会与党代表が何らのルートで得た情報がそうであったのじゃないかです。

 さらにですが、会計検査院が介入する可能性はかなり高いものとして監査委員会に伝わった可能性はあるとしています。監査委員会でも会計検査院が相手となると姿勢は変わってもおかしくありません。予定通りに表3で却下した時に身の安全を図れるかの問題に直面したぐらいでしょうか。

 そこから突貫工事でシナリオ変更に励まれたのでしょう。かなり急場であったので表3で一般人氏の指摘を却下する部分まで手が回らないのでそのままにし、表3をフル活用して、あの監査決定の理由としたぐらいです。それでも表3になっても、あれだけの指摘があっさり出来上がるのは、なかなかのものだと感じた次第です。

 それとこれはあくまでも状況から考えられる仮説であり、こう考えると起こっている事が上手く説明できるぐらいのものに過ぎません。ですがこの仮説もどうなのかの疑問は残っています。私が考えている仮説はモロ陰謀論みたいになり長くなるので後日にさせて頂きます。


とにかく奇々怪々

 監査請求の全貌をこれで把握したとは自分でも思えないところがあります。とにかく監査報告書の内容があまりにも不自然なのです。繰り返しになりますが、あの監査報告書を素直に読めば、一般人氏の申し立てを悉く却下しておきながら、監査委員会が新たな証拠を作り出して会計の不適当な点を見つけ出したになってしまいます。

 それって手柄の横取りになるのじゃないですか。ここも監査請求を認めることが手柄になるかどうかの評価はわかりませんが、外野から見ればそう見えてしまうぐらいです。それぐらい不自然な構成です。それだけ不自然な構成であるから、上記なような推測と言うか憶測が生まれてしまうぐらいでしょうか。

 これも繰り返しになりますが、この騒動では普通はとか、一般的にはをあっさり覆すことが次々と起こるので付いて行くのに目眩がしそうになります。たとえば監査報告書を読んでも、

    これは団体側の大勝利だ♪
 こう判断される方がおられるのも良くわからないところです。とにもかくにも文面上は素直に読めば厳しそうな指摘です。これはこの手の文章を良く知っておられる方の意見もそうでした。だから裏があるなんて憶測も飛んでしまうのかもしれません。

 それでも、それでも、あくまでも普通とか、一般的とか、常識的に滅多に認められる事がない監査請求が認められ、それも文面上では厳しい指摘がなされたら、団体の危急存亡の時と感じるのじゃないでしょうか。というか、日本的なありきたりの反応として、そういう指摘を監査委員会から受けたと言うだけで低姿勢になりそうなものです。

 とにかくしつこいですが、普通はとか、一般的にはとか、常識的にはとかを覆す事が次から次に起こってしまうのがこの騒動です。まさに奇々怪々としか言いようがありません。まあ、外野から見ていると奇想天外のドラマみたいなものですから、興味深いのは間違いないですけどね。

ナニカみたいな騒動:会議室を借りた国会議員

 まず、

  • (監査請求を申し立てた)一般人氏
  • (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
 こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。

 一般人氏は団体の会計報告に疑問を感じ問題点をあれこれ指摘され、これに対して誹謗中傷であると団体は訴訟を起こされています。訴訟については起こす自由は保障されており、訴訟の是非については公判もまだ開かれていない状態のはずですから、外野からの論評は控えさえて頂きます。

 団体は訴訟を起こすにあたり記者会見を行っていますが、選ばれたのがなぜか衆議院議員会館。ここについては昨日も考察しましたが、議員会館だけあって一般の貸会議室とは性格がかなり違います。会議室を借りられるのは国会議員だけであり、使用目的もその国会議員との会合のためと限定されています。

 つまり団体が議員会館で記者会見を開くには、国会議員が会議室を借り、その国会議員の名前で指名された者しか議員会館への通行証が得られず参加出来ないところです。これも昨日からの繰り返しになりますが、会議室では、

    集会、請願、要請、陳情等には使用できません
 記者会見とは集会に該当しないのかの素朴な疑問です。それでも記者会見が行われた理由はあれこれ考察しましたから省略するとして、規則を素直に読む限り何故に一般社団法人に過ぎない団体が議員会館で記者会見を開くことが出来たのかの説明が欲しいところです。

 誰が会議室を借りたのかの疑問は報道直後から一般人氏からも出され話題になり、今でさえ燻っています。というのもさっぱり名前が出てこないからです。そうしていたら、会議室を借りた議員の名前の開示請求を行った人が出て来たのです。結果は御存じの通りの不開示。これも有名になってしまいしたが、開示できない理由として、

    会派又は議員の活動に関する情報であって、公にすることにより、これらの活動に支障を及ぼすおそれのあるもの
 これについて不満を示す者は多数いましたし、私だってそんなものまで不開示なのかと感じたのは白状しておきます。ですが少し冷静に考えるとそうなるのかもしれません。議員会館で誰と誰が会合したかは政治的にはデリケートな扱いになっていたとしてもおかしいとは言い切れません。

 もちろん個別の事情を言いだせばキリがありませんが、個別の事情で判断にしたら、今度はそれで揉める気がします。とにかく利用者は国会議員ですから、ウルサ方の極致みたいなものですし、議員個人だけでなく所属する政党だって口を挟んできてもおかしくありません。
 
 事務局みたいなところが矢面に立ちなくないと考えれば、原則として却下とか、議員の同意を得られない限り却下みたいな運用になっていても不思議とは言えません。それでも開示して欲しければ、事務局でなく裁判所でどうぞみたいな感じです。

 もちろん推測に過ぎませんが、そうであれば開示請求を望む者にとって手間も、時間も、費用がかかる面倒な代物です。これが本当にそうなのかを探る情報もありませんから、結果として開示請求は却下されたのが現実です。

 あえて考えればもう一つぐらい理由が思い浮かびます。会議室の利用形態は、素直に見ればタダの一般社団法人のタダの一般人への訴訟を起こしたの記者会見です。あれを議員との会合であるとするのは無理があり過ぎます。これまでの実態とか慣例とか先例により一般社団法人の記者会見が開けるにしても、どうして出来るのかの疑問を抱く人が出て来る懸念です。

 だって、だって1時間半にも及ぶ記者会見で議員の姿どころか声さえないのです。出席はしていた可能性は残るにしろ、一言も議員発言が無い議員との会合ってありうるのかの疑問です。事務局なりがどれぐ

    「議員会館の私的利用じゃないのか」
    「あれは規則で禁じられている集会じゃないのか」
    「利益供与に当たらないのか」
    「名義貸しが認めれるのか」
 この程度の穏やかな疑問の声は最低限上がると予想されるところです。それ以上の声は・・・出そうな気はします。名前が出れば一騒動は必至なのが今の情勢と感じています。そうなった時にどうして開示など行ったのかの抗議が当該議員だけなく、その所属政党からも猛烈な抗議が事務局に申し入れられるみたいな展開を憂慮したぐらいです。

 もちろん全部推測で事務局のようなところの真意は不明です。それも永遠の謎になりそうです。それにしてもどういう意図で議員会館を記者会見場に選んだのかは興味深いところです。素直に考えれば権威付けでしょうか。こんなところを記者会見場に使えるぐらいの力のアピールです。この辺の感覚は神戸と言う地方都市に住んでいるもので議員会館と言われても、

    変ったところで記者会見をやるものだ
 これぐらいの感想しか出ませんが、東京に住まわれている方なら感覚がきっと違うのでしょう。もう一つ考えられるのは議員会館の会議室は国会議員しか借りられませんから、そこを借りれるぐらい国会議員と深い関係があるとの誇示でしょうか。

 そっちはありそうです。たとえば私が議員会館の会議室を利用しようと思っても絶対に無理です。地元選出の国会議員が誰だったかもウロ覚えなぐらいのレベルですものね。そんなところであるのに、ひと声かければ動いてくれる議員がいるんだぞのアピールぐらいにはなりそうです。

 もちろん団体の真意などわかりようもないのですが、議員サイドのメリットはどうなのでしょうか。ここも議員が記者会見に登場していれば話は簡単です。団体との連携をアピールし、訴訟に関してもバックアップするぐらいのパフォーマンスの場になったはずです。

 ですが議員は記者会見場に姿を現していません。さらに記者会見終了後も名乗り出る気配さえありません。そうなると議員側としては議員会館の会議室を借りたり、報道陣の指名招待までは協力されても、その存在を公にするのにデメリットであるとの判断をお持ちの気がします。

 これも最初からそうだったのか、状況の変化で姿勢を変えられたのかはまったく不明です。とにかくこの騒動は状況の流れる速度が異常に速くて、あれこれ思うところが出て来ても不思議とは言えないからです。外野から見ている分には興味深いものですが、渦中の人の状況判断は大変でしょうね。