まず、
- (監査請求を申し立てた)一般人氏
- (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。
監査請求の話はとにかくややこしくて、三行でまとめるなんて到底無理な代物です。それでも滅多に認められないとされる監査請求が認められたのは大きなと言うより、衝撃的なものとして受け止められています。
監査決定の内容も御存じの方が多いと思うので割愛しますが、文面上は団体にかなり厳しい内容と評価する方が多かったと感じています。ここからの話は監査を請求された一般人氏の情報に主に基づいています。他に有力な情報源もありませんから御容赦ください。
■監査請求の審議の流れ
言うまでもなく一般人氏とて監査委員会の審議に実際に参加しているわけではなく、監査決定の報告書みたいなものからの推測になります。それがかなり不思議と言うか、不自然過ぎる構成になっています。この問題は団体の会計処理の方法になります。
一般人氏は会計分析にあたり団体が公表している会計報告・活動報告、さらに情報開示で得られた団体が東京都に提出した会計報告・活動報告を基礎資料とされています。そりゃ、会計問題ですからそこから始めるのは定跡ですし、誰だってそうする以外にありません。
そこで浮かび上がった疑問点を監査して欲しいと申し立てたのですから、常識的に考えて監査委員会も団体が公表している会計報告・活動報告、さらに東京都に提出した会計報告・活動報告から検討を始めそうなものです。
ここで結果で言えば一般人氏が申してた疑問点はことごとく却下となっています。そうであれば監査請求自体も却下になるはずですが、そうなっていないのは周知の通りです。とにかくこの騒動は、普通はとか、一般的にはなんてものがしばしばぶっ飛ぶような事が次々と起こるのですが、これもまたそうです。
監査を請求した理由はすべて却下されたにも関わらず、監査が認められてしまうと言う訳のわからない事が起こったと言うことです。
■謎の表3
一般人氏の指摘をすべて却下した根拠が表3として有名になった会計報告です。この表3に基づいて審議した結果として一般人氏の指摘は却下されています。そう、ここまで影も形もなかった表3が監査委員会に突然登場し、一般人氏の指摘を否定しています。
これだけでも何が起こったのだと思う以外はないのですが、すぐに出た疑問が表3を誰が作ったのかです。表3は団体側の領収書を基に作られたと監査報告書に明記されていますから、団体が作ったと推測が出ています。そりゃ、領収書を保管しているのは団体ですから、他の誰が作れるんだになるのはわかります。
ですが一般人氏は否定しています。もう何がなんやらの世界ですが、少し冷静になって考えれば理由はわかる気がします。新たな会計報告を団体が提出などすれば、二重会計の裏帳簿になってしまいます。さすがにそこまでになれば一撃轟沈に普通はなるはずです。あくまでも普通はですけどね。
そうなると表3を作成したのは監査委員会になります。他に作れる人はいませんからね。第3者である監査委員会が作成したのであれば裏帳簿にならないことになります。そうやって作られた表3の威力は上で説明した通りです。
それでもと思うのは、表3と団体の正式の会計報告は相違します。そりゃ、同じであれば一般人氏の主張を却下できないからです。そこの問題についてですが、たぶんに過ぎない推測ですが、
正式の報告書と若干の相違は認めるので訂正の必要がある
これぐらい注意を団体側に行って幕引きの予定ではなかったかと見ることは可能です。つまりは監査請求は却下です。これは、そうでも考えないと監査報告書の内容が奇妙過ぎるのです。これも一般人氏の見方に同意しますが、あれだけ前半部分で一般人氏の指摘を表3で否定したのなら、結論は監査請求棄却しかないだろうです。
■何が起こった
表3まで作り上げて監査棄却の方針であった監査委員会が掌を返したのは理由があるはずです。それもかなりギリギリの段階で方針が変ったと見るのは一般人氏の意見に同意です。時間に余裕があればあんな妙な文章構成にせず、それはそれなりに辻褄のあったものに書き換えるはずです。
ここはあの文章のままにしたのは他にも理由があると見ることは可能です。よくよく読んで欲しいのですが、監査報告書は表3で一般人氏の主張を退けていますが、最終段階で監査が必要としたのもこれまた表3なのです。
つまり団体の会計に問題があると判断したのは一般人氏の指摘ではなく、表3を作り上げた監査委員会のお手柄になります。自分で書きながら頭がグシャグシャになりそうですが、監査委員会は一般人氏の指摘を表3で否定しながら、表3で自分のお手柄を作った事になってしまいすます。
ここなのですが、お手柄を作ったのは監査委員会の最初の意図とは違う感触があります。当初の予定では表3で監査請求を却下だけするはずだったのが、なんらかのアクシデントで監査をせざるを得ない状況に陥り、強引な辻褄合わせを行ったと見れると考えます。
■アクシデントの仮説
一般人氏はそうなった理由を会計検査院の影じゃないかとしていました。そういう情報を都議会与党の代表が出してました。あの時は会計検査院が出てくればこの話はケリがつくで盛り上がりかけましたが、あれこれあってフカシとかデマ扱いで終わったと記憶しています。
ですが一般人氏はそういうアングラ情報を都議会与党代表は実はつかんでいたぐらいに推理しています。ここもなんですが、会計検査院に本当にそういう動きがあるのかどうかは不明です。あくまでも都議会与党代表が何らのルートで得た情報がそうであったのじゃないかです。
さらにですが、会計検査院が介入する可能性はかなり高いものとして監査委員会に伝わった可能性はあるとしています。監査委員会でも会計検査院が相手となると姿勢は変わってもおかしくありません。予定通りに表3で却下した時に身の安全を図れるかの問題に直面したぐらいでしょうか。
そこから突貫工事でシナリオ変更に励まれたのでしょう。かなり急場であったので表3で一般人氏の指摘を却下する部分まで手が回らないのでそのままにし、表3をフル活用して、あの監査決定の理由としたぐらいです。それでも表3になっても、あれだけの指摘があっさり出来上がるのは、なかなかのものだと感じた次第です。
それとこれはあくまでも状況から考えられる仮説であり、こう考えると起こっている事が上手く説明できるぐらいのものに過ぎません。ですがこの仮説もどうなのかの疑問は残っています。私が考えている仮説はモロ陰謀論みたいになり長くなるので後日にさせて頂きます。
■とにかく奇々怪々
監査請求の全貌をこれで把握したとは自分でも思えないところがあります。とにかく監査報告書の内容があまりにも不自然なのです。繰り返しになりますが、あの監査報告書を素直に読めば、一般人氏の申し立てを悉く却下しておきながら、監査委員会が新たな証拠を作り出して会計の不適当な点を見つけ出したになってしまいます。
それって手柄の横取りになるのじゃないですか。ここも監査請求を認めることが手柄になるかどうかの評価はわかりませんが、外野から見ればそう見えてしまうぐらいです。それぐらい不自然な構成です。それだけ不自然な構成であるから、上記なような推測と言うか憶測が生まれてしまうぐらいでしょうか。
これも繰り返しになりますが、この騒動では普通はとか、一般的にはをあっさり覆すことが次々と起こるので付いて行くのに目眩がしそうになります。たとえば監査報告書を読んでも、
こう判断される方がおられるのも良くわからないところです。とにもかくにも文面上は素直に読めば厳しそうな指摘です。これはこの手の文章を良く知っておられる方の意見もそうでした。だから裏があるなんて憶測も飛んでしまうのかもしれません。
それでも、それでも、あくまでも普通とか、一般的とか、常識的に滅多に認められる事がない監査請求が認められ、それも文面上では厳しい指摘がなされたら、団体の危急存亡の時と感じるのじゃないでしょうか。というか、日本的なありきたりの反応として、そういう指摘を監査委員会から受けたと言うだけで低姿勢になりそうなものです。
とにかくしつこいですが、普通はとか、一般的にはとか、常識的にはとかを覆す事が次から次に起こってしまうのがこの騒動です。まさに奇々怪々としか言いようがありません。まあ、外野から見ていると奇想天外のドラマみたいなものですから、興味深いのは間違いないですけどね。