ナニカみたいな騒動:禁じ手の考察

 まず、

  • (監査請求を申し立てた)一般人氏
  • (監査請求の対象になった崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表がおられる)団体
 こうしておいて話を進めて行きます。崇高な目的と高邁な精神を持たれる代表に関しては伝聞ですが、これを否定する根拠を持ちませんのでこうさせて頂きます。こうさせて頂くのは決して魔除けとか、姑息な免罪符にする意図は微塵もございませんので誤解なきようにお願いします。

 この騒動にはあれこれ枝葉がこれでもかと繁ってしまっていますが、根本は会計問題です。一般人氏は会計問題から波及する問題点からの推理を広げた点を団体側から訴訟を起こされたぐらいに私は見ています。一般人氏が広げた推理や推測も団体側の会計報告に本当に問題があったと立証されてこそのものです。

 たぶんぐらいですが、私のような外野の人間にとっての関心は会計報告が正しいのか、はたまた一般人氏が指摘するような問題が存在するのかの一点として良いでしょう。そこからの波及問題は会計報告にケリがついてからの話になります。

 会計報告と言っても委託費に対する費用対効果問題でもありません。それはそれで重要な問題ではありますが、この騒動では焦点ではありません。そういう評価はまた別のところで為されます。知りたいのは公金である委託費が事業目的に副って問題なく使われているかどうかだけです。

 この点も団体側の会計報告に適切でない部分がある可能性は、監査委員会で認められ滅多に起こる事はない監査の決定が下されるぐらいに存在しています。もちろん現段階では監査委員会も監査を行うに足るぐらいの疑念があるに過ぎず、最終決定は後日になります。


 ここでなのですが、この騒動の初期から上がり続けている声として、

    疑われているのなら領収書付きで疑惑を晴らせ
 おカネの支出の話ですから、それさえすれば話は終わりです。団体が一般人氏に起こした訴訟も、先に領収書付きで会計報告の潔白証明をした上でなら、より効果的かつ優位に立てたはずです。ですがまるで禁じ手のように扱われています。

 ただ醒めて考えれば、領収書付きの会計報告をどういう形で行うかは容易じゃないところはありそうな気がします。具体的な方法をあれこれ考えてはみたのですが、私如きの知識と技術ではウンザリするような作業が求められそうな気がします。

 これが税務署とか、この団体なら東京都相手なら担当者だけが相手ですから、実物の領収書を見せながら説明するのは可能ですが、Webでとなるとお手軽にポンって訳にはいかないのぐらいは理解しても良い気がします。だって領収書の公開に好ましくない部分に海苔を貼り付ける作業だけでもウンザリしそうですからね。


 ですがそれだけが理由と言えないところもありそうです。団体代表のお考えとして、手掛けている事業性質として領収書は不要であるとのお考えをお持ちのようです。これについては、団体の事業に共鳴され、団体代表の領収書不要論に協力したことがあるとした、維新だったかの都議が話されています。

 団体代表の領収書不要論は団体の支持者、その中でもとくに強い支持者であると見てよい83人委員会の発言をみてもわかる気がします。誰もが事業の崇高な目的を称え、高邁な精神で運用に当たられている代表だから正しいのは団体だとしておられます。

 これらは崇高な目的に対して高邁な精神で運用してるのだから、領収書などは不要であるの代表のお心を汲んでの発言と見て良い気がします。これは思想信条の自由ですから、そう考え、それに賛同されること自体はなんの問題もありません。

 代表の領収書不要論は団体の自主事業部分に関して行われるのなら誰も問題とは考えません。事業団体には事業団体としての運営理念があり、どんな運用をされようが自由だからです。あえて老婆心で言えば領収書なしで組織の運営なんて可能かどうかぐらいです。たとえば税務署相手に通用するかもありますし、団体に中にも不心得者が混じり込んだりするリスクへの心配です。


 されですが納税は国民の義務ですが煩雑なものであるのはわかります。私も勤務医時代ならまだしも、零細でも事業主になれば手に負えないと判断して税理士を雇っています。税理士費用は安くないですが、税理業務の煩雑さ、さらに税務署への対応の大変さを考えると余裕の必要経費です。

 そりゃ税金対して文句はあるかと言われたらありますけど、これは国民の義務ですからこれを支障なく行うのは当然ことです。とはいえと言うか文句もありますから、そうやって払った税金の使用について関心が高いのもまた当然です。ココロで言えば一円だって無駄に使って欲しくないです。

 団体は公金による委託事業を行っています。種類は異なりますが公金を受けての仕事の経験もあります。そういう方は少なからずおれるはずですが、あれはかなり面倒な作業であったのは認めます。そこまで文句を付けるのかの感想を持った事も白状しておきます。

 ですが納税者の立場から考え直すと、それぐらいの厳しさは求めたいのは理解できます。それが嫌ならば貰うなです。それこそ欲しい人はいくらでもいるのです。そこのギャップはどうしたって生じますが、公金を受け取る以上はセットに付いて来る代償みたいなものです。

 代表がどういう考えをもって運用されようが自由です。その考えの中に領収書不要論があっても構いません。ですが公金を扱う事業である限り、いくらお嫌いでも領収書付きの会計報告は必要です。それは公金を扱う事業に参加する義務みたいなもので、事業の崇高さとか、代表の高邁な精神とは別次元のお話になり、特別扱いは無いとして良いはずです。

 ここもですが、これは私が考えているだけでなく、監査報告からもそうであるの裏付けもあります。どこをどう読んでも団体の事業の特性を鑑みて領収書など不要としている指摘がなさそうだからです。蛇足みたいなものですが、これは男性が行う事業であっても、女性が行う事業であってもどこも変わりはありません。