1.17 あれからもう28年か・・・

 小説連載の関係もあって、もう1.17は触れない気もありました。地元紙は前日ぐらいから社会面は1.17で埋め尽くされる勢いなのは例年通りですが、ひょいと目に付いたのは語り部を受け継ぐです。減ってるだろうなは、素直にそう感じます。

 私だってアラカンになってしまいしたし、あの頃に大変な目に遭っていたはずの70歳なら、生きていれば98歳です。逆に30歳以下になれば、神戸生まれで神戸で育っていても記憶にすらありません。成人した二人の娘がそうですからね。

 30歳代の半ばぐらいから上なら記憶に残っているはずですが、神戸を生きるために離れた人も多く、40歳なら知っているかと思っても、震災後に神戸に移り住んだ人も少なくありません。これは後から見つけたので書き足しておきますが、震災後19年で8割が転居しているのデータを見つけました。

 転居は市内もあるでしょうが、市外だって少なくないはずです。どちらかだったまで当時も追及してませんが、あれからでも10年ぐらい経ってますから、推して知るべしぐらいは言わせて頂いても良いぐらいに考えています。

 それでもって言えるぐらいの人はまだいますが、他人のことは言えませんが、経験が深刻過ぎて口にしたくない人もいれば、逆に軽すぎて、この程度の経験を口にするのは控えてしまう人もいるはずです。私は後者です。

 それと震災経験者と言えども、知っているのはその目で見、その身で体験した事だけです。それが貴重だの意見もありますが、どうしたって同じ話の繰り返しになります。それが28年となれば、もうエッカみたいな気持ちもあるのじゃないかと思ったりします。

 語り部的な役割は震災の悲惨さを語り継ぐのも一面ですが、震災経験を後に活かして欲しいもあると思っています。そういう点では、かなり活かされてると思っています。阪神の後にも震災は起こっていますが、阪神の経験は確実に活かされています。

 それでもまだの意見はあると思っていますが、端的には自衛隊の出動の迅速化です。迅速化だけではなく、被災地救助に自衛隊が出動するのは当然ぐらいになったとは思っています。東日本大震災では、自衛隊だけでなく米軍も参加したトモダチ作戦が展開されています。

 阪神大震災の頃には、まだいかなる状況であっても自衛隊の出動には反対であるとする勢力が強かったのです。まああの時に不運だったのは首相が社会党だったのもあると思ってるぐらいです。ですから米軍なんて夢物語だったなんて、もう信じられない人も多いかもしれません。阪神の時に米軍まで必要だったかはさておき、それが28年の成果の気が個人的にはしています。

 復興予算もそうみたいで、復興計画には16兆3000億円が投じられたとなっていますが、その半分が県や自治体の負担になっています。復興予算を調達するために地方債が発行されてますが、28年経っても5826億円残っているそうです。

 これも阪神の教訓で、以後の震災では国の負担割合が大きくなって行ったそうですが、遡及措置で救済はしてくれないだろうな。そういう面でも利権に絡みついて、税金をチューチューするところへの怒りは被災者として大きいのかもしれません。