セレネリアン・ミステリー:あとがき

 わかる人はわかると思いますが、下敷きはジェイムズ・P・ホーガンのSFの名作「星を継ぐもの」です。ですから登場人物も「星を継ぐもの」へのオマージュを込めて、なんとなく似てるものにしています。そうそうトライマグニスコープなんてそのまま登場させています。

 ただ全部下敷きにすると単なるパクリなので、ミステリーの導入部分だけ借りて、後の人類創生はオリジナルのつもりです。この辺はシリーズの御都合主義で、エラン人と地球人は種としてほぼ同じにしている点を利用させて頂きました。

 ですからミサキとディスカルが結婚し、子どもまで出来ているのですが、どうしてエラン人と地球人の種がこれほど近いのかの謎を巡る話にしています。ここのプロット設定に手間がかかり過ぎ、どうにも説明的になってしまったのはホーガン氏との力量の差だと痛感しています。

 それとある意味、今回のヒロイン的な存在であるシンディですが、途中まではほんの彩り程度の脇役のつもりでした。でも神戸編の展開時にコマが必要になり、それだったらとあそこまで頑張ってもらいました。

 ラブロマンスからの濡れ場のシーンも長いこと御無沙汰でしたから、たまには良いかと。あそこも久しぶりだったので最初は長くなりすぎて、なんの小説を書いているかわからないようになりかけたので、あれぐらいにさせて頂いています。

 それとシンディを活躍させるために、ほったらかしにしていたマリーにも出てきて来てもらえたのはラッキーでした。マリーも中途半端に意味ありげに登場させて、ロッコールに行かせたまま、ほったらかしでしたからね。

 ディスカルにも活躍してもらい、なにか在庫一掃セールみたいな側面もありましたが、これもまた長期シリーズの楽しみということでご理解いただければ幸いです。