アカネ奮戦記:あとがき

 タイムリミットが迫っていたアカネの結婚話です。独身のままにしておくのもあったのですが、やはり結婚させてみたかったです。そうなるとラブ・ロマンスになりますが、どうにもアカネのキャラでは、微妙な心理描写で話を紡ぐには無理がありました。

 それとラブ・ロマンス定番のライバルの登場による三角関係も、前作で使ったばっかりですし、アカネにも使いにくいと言ったところです。

 そこで関係をアカネとタケシだけに絞る方針にしたのですが、そうなると周囲の出来ごとに二人の恋が翻弄されないといけません。芸がないとは思いましたが前半のエピソードは前作の背景を借りています。

 あれも、もうちょっと引っ張りたかったのですが、そうもいかず後半のエピソードを作っています。モデルにした街は極めて適当ですが、地域として漠然と信州を想定しています。ネイティブの方には変に思われたでしょうが、あれぐらいが私の信州弁の限界です。あれは難しかった。

 後半のライバル辰巳の設定も何度か変更がありまして、影の部分を市長や築田にかなり割り振っています。今回限りのキャラにする予定だったのですが、次回以降にも使ってみたくなったぐらいです。脇役はやはり大事ですし。

 それとラブ・ロマンスでは濡れ場も必要だったのですが、キス・シーンまでカットしにしています。天真爛漫キャラのアカネではどうにも、こうにも書きにくくて、一行も書けなかったぐらいです。

 さて残るはシノブのロマンスですが、やっぱり前回で結婚させときゃ良かったと後悔しています。もう一回やらないといけませんし。それとも、このまま売れ残りの会に入れちゃいましょうか。