麻疹の定期接種率

厚労省定期の予防接種実施者数 平成6年法律改正後(実施率の推移)から接種率の推移のグラフを作ってみました。

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たく読みにくい表でウンザリしましたが、少し解説を加えます。接種率というのは当たり前ですが、

    接種者 / 接種対象者
こうなります。厚労省データでも母数として接種対象者が挙げられていますが、2005年までの母数は1歳児の数になっています。しかし2005年までの1回接種の時代は接種期間が12〜90ヶ月でした。つまりは7歳半まで接種が可能だったわけです。1歳時に接種する人は多かったですが、すべてが1歳児に接種されていたわけではなく、2歳以降に接種された子供も決して少なくありません。だから2005年までにしばしば100%を超える接種率が見られます。とくに2005年は2006年から2回接種になる事による駆け込み需要が多く140%を超える接種率が叩き出されています。ちなみに2006年から移行措置はありましたが、
    1期・・・12〜24か月
    2期・・・小学校入学前の1年間
こうなったため、2010年ぐらいから、ほぼ正確な1歳児の接種率を反映していると見て良いかと思います。では1回接種時代の1歳児の接種率がどうであったかですが、IDSC(国立感染症研究所感染情報センター)の情報では

これは2000年の情報ですが目分量で40%ぐらいしかありません。ただなんですがIDSCの情報も

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2010年時点でも1歳児の接種率は接種歴不明者を接種者に含めても80%ぐらいしかありません。厚労省のデータと矛盾するので、どんなものだろうってところです。


2回接種した世代

2006年から2回接種になっていますから、2006年時に1歳であったものは2回接種世代にまずなります。これに2006年に2〜5歳であった者も2期接種を受けられます。2006年時に5歳であれば現在は16歳になります。それと2008年から3期4期があります。3期は中1で4期は高3ですから、2008年時点で18歳であった者も2回接種世代になり、現在は26歳ぐらいのはずです。ただ3期・4期の接種率はイマイチでして、

3期 4期
接種対象者 接種者 接種率 接種対象者 接種者 接種率
1192612 1015341 85.1 1224084 946593 77.3
1194878 1026892 85.9 1213204 933891 77.0
1200301 1047356 87.3 1214161 957506 78.9
1207874 1064727 88.1 1201664 978440 81.4
1190773 1057237 88.8 1235125 1027607 83.2
5986438 5211553 87.1 6088238 4844037 79.6
3期の中1も忙しいですが、4期の高3なんてもっと忙しいですから、個別接種ではこれぐらいが限界なのかもしれません。でもってその上の世代は1回接種時代になります。おおよそ1990年以前に生まれた人は定期しか接種していなかったら1回だけになります。もうちょっと簡便には昭和生まれの方は1回接種ぐらいに見れば良いかもしれません。