ある映画にまつわるムック

話のキッカケは琴子の母様の

ここには映画「うまれる」の上映会&由井寅子氏の講演会の案内があり、そこに「助産師の皆さん」が御出席されると告知されています。琴子の母様が関心を持たれた理由は、平成22年9月7日付日本助産師会報道資料「ホメオパシー」に関する調査結果の公表に関する調査結果の公表についてに、

日本助産師会は、8月24日に公表された日本学術会議会長談話に全面的に賛成し、8月26日、ホメオパシーを医療に代わる方法として助産師が助産業務に使用したり、勧めたりすることのないよう、見解を発表したところです。

にも関らず「まだ参加するんだ!」で宜しいかと存じます。もっとも助産業務以外の使用や勧奨は助産師会の範囲を越えるものですから、たとえ助産師会所属の助産師が由井寅子氏に傾倒しておられようが、ホメパチ集会に熱心に参加されておられようが、それは信教の自由であって誰もこれを阻害する事は許されません。もっとも映画の内容がチト微妙そうですから、琴子の母様が

    そもそも、このようにホメオパシーが妊娠、出産について関わること自体、助産師の方たちはタブー視するべきではないのか? まさか、「忘れた」とか、「知らない」なんてことは言わないですよね?
こう言いたくなる気持ちはわかりますが、もう少し情報が欲しいと思った次第です。そこでささやかなお手伝いとして映画「うまれる」と由井寅子氏の講演会の周辺をちょっとムックしてみます。


上映会&講演会情報

CHhom(カレッジ・オブ・ホリステック・ホメオパシー)は東京、札幌、名古屋。大阪、福岡に分校がありますが、たぶんCHhomの本部ページに、「とらこ先生ライブ講演会と自然トーク+映画「うまれる」上映会が開催されます!」とあります。そこには、

2013年3月3日(日)

10:00〜13:00 映画「うまれる」上映

    自然トーク(とらこ先生&助産師のみなさん)
    ※豪田監督の自然トークへの出演は無くなりました。ご了承願います。
 
14:00〜16:30 とらこ先生ライブ講演会 
    「女性が幸せになること、それがすべての原点」

チラシもありますが、東京で上映会&講演会を行い、札幌、名古屋。大阪、福岡は中継を行うようです。構成は上記したように上映会とトーク、講演会の2部構成ですが、別々に参加しても良いようです。両方参加の料金は割愛して、片方づつに参加する時の料金は、

「映画&トーク」のみ
一律 2,000円

「講演会」のみ
一般 3,000円 とらのこ 2,500円 とらのこペア割 2,000円(お一人様)
学生・卒業生(JPHMA会員)1,500円

講演会の料金体系は複雑ですが、どうも講演会の方が高そうな感じです。そういう価値観の人々がお集まりになられるぐらいの理解で宜しいかと思います。あくまでもちなみにですが、映画「うまれる」は自主上映会のみにおいて公開されているようで、豪田監督の講演会も含めた2時間の上映会の基本料金は、

【50,000円(税込52,500円)】

講演会場が渋谷区、新宿区、杉並区、世田谷区、港区、目黒区の場合は、【40%OFFの30,000円の特別料金】とさせていただきます(税込31,500円)。

CHhome東京校は世田谷区にありますから、税込31500円でなおかつ「豪田監督の自然トークへの出演は無くなりました」となっていますから、もう少し安いかもしれません。


由井寅子氏の姿勢

チラシから幾つか言葉を拾っておきますが、

  • ひな祭りスペシャル企画 自然な妊娠・出産・子育てを考える
  • 子育てしている人 子育てしていない人 すべての人たちへ とらこ先生からのメッセージ

まあこの辺は講演会のテーマである「女性が幸せになること、それがすべての原点」に因んでいると考えられます。講演内容の予告みたいなものも書かれていまして、

 妊娠、出産、子育ては、女竹に与えられた特権です。いのちを授かり、母親になることには、喜びとともに貴任も伴います。そのため、うまれてくる子どもが、自分らしく健やかに生きられるように、多くの皆さまが、自然な妊娠、出産、子育てを望んでいます。

 しかし今、自然な出産が難しい世の中になりつつあります。体や心の問題から、自然な出産ができなくなることも多いです。子宮頚がんワクチンは、その副反応による影響が指摘されています。

 水、空気、食べ物など、私たちが生きる環境自体も不自然なものがあふれています。また、母親自身が親から愛されていないという、インナーチャイルドの問題もあります。母親がインナーチャイルドを抱えたまま子育てを行うことは苦しく、自分の子どもたちを慈しみ、愛情を注ぐことは難しくなるでしょう。ですから、子育てをする母親が心から癒されることは、大事なテーマです。

 今回の講演会では、本来の自然な妊娠、出産、子育ての大切さを、皆さまに知っていただきたいと思います。それができなくなっている世の中の問題と、ホメオバシーによる解決方法について、とらこ先生がお話しします。

定番のワクチン忌避は今日は置いときます。今回はどうやらインナーチャイルドをテーマにもってきているようです。ちなみにインナーチャイルドとは子供の頃の記憶とか感傷を指すぐらいで良いと思います。子供時代の経験が大人になって反映されるぐらいの解釈でも宜しいかと思います。インナーチャイルドは映画と講演会の関りの一つのポイントとして宜しいかと思います。


豪田トモ監督

私がチェックする限り直接の関連性はなさそうです。奥様でありプロデュサーでもある牛山朋子氏も関連性は見つかりませんでした。さらに豪田監督が立ち上げた株式会社インディゴ・フィルムズにもとくに認められません。上映会は講演会がセットになってのパック料金である事は上記しましたが、これをトークショーに変えたのに欠席されたあたりも、事情は存じませんが何らかの意志があるのかもしれません。もっとも長時間拘束に変更する料金交渉がまとまらなかったのかもしれません。それでも豪田監督が感性として惹かれやすいところはあるかもしれません。これは経営理念にあるのですが、

株式会社インディゴ・フィルムズは、「スピリチュアル」、「LOHAS」、「自己実現」の三つをキーワードに、芸術性と娯楽性のバランスの取れた、クールで美しく、オシャレで楽しい映像をご提供すべく、常にベストを尽くします。

もちろん「スピリチュアル」とか「LOHAS」とか「自己表現」があったからと言って、必ずしも親和性が高いとは言えませんが、無いより有る方が惹かれ安いのはあるとは思います。今回の映画の製作のキッカケも書かれてあるのですが、

僕がこの企画を考え始めたのは、2007年1月頃でしょうか。
たまたまボランティアで撮影させていただいたセミナーで
産婦人科の池川明先生のご講演を聴いた事が大きなきっかけです。

赤ちゃんと妊婦さん双方にとっての幸せな出産、という事をテーマに活動
されている池川先生のお話は、

「 胎内記憶を持つ子供達が3歳くらいだと何と30%もいる 」

と言うブッ飛んだ内容でした。
そして、さらに池川先生が子供たちへのリサーチの結果を語っていくと、


「 お母さんのお腹に来る前の、雲の上での記憶を持っている子供達が出現し始めた 」
「赤ちゃんたちは雲の上で自分のお父さんとお母さんを選んでくる」

なんて言うんです。
子供たちは、雲の上から、「お母さんを癒してあげるため」、「優しそうだから」と言った理由でお腹の中に飛び込んでくるそうです。

僕は撮影しながら手が震えているのを感じました。

「なんて話だ!」
その場でカメラを倒してしまいそうになるほどの衝撃を受けました。

チョットつながりが浮かび上がって来たのが判って頂けるでしょうか。「胎内記憶 = インナーチャイルド = 妊娠・出産・子育て」みたいな関連性のつながりです。しかしなんですが、わざわざ由井寅子氏がひな祭り企画に持ち出すぐらいですから、プラスアルファの理由が必要です。そこで注目したいのが豪田監督がインスピレーションを受けた

    池川明先生のご講演
池上氏は胎内記憶についての持論を講演されているのはもちろんですが、もう一つの顔があります。日本ホメオパシー医学協会全国提携クリニック紹介に名を連ねられております。ホームページあるので宜しければどうぞ。本職は産婦人科医です。


映画に出演したらしいコメンテーター

これは映画HPのキャスト&スタッフにあるのですが、池川明氏、伊深佳洋子氏、大葉ナナコ氏、岡井崇氏、鮫島浩二氏、見尾保幸氏、吉村正氏の7名です。この7人をあえて分けてみます。

池川 明氏 吉村正氏 岡井崇氏
大葉ナナコ 伊深佳洋子氏 見尾保幸氏
鮫島浩二氏


岡井氏もまさかと思ってチェックしましたが情報はありませんでした。見尾氏は不妊治療の権威の開業産婦人科のようですが、とくに関連情報は見つかりませんでした。お二人の位置付けは権威ある専門家としてのコメントと位置付けられているんじゃないと見ます。

吉村氏は説明の必要もありませんが、ニアミス的に近いところにおられながら直接の関連は出てきません。吉村氏も突き抜けた方なのでむしろ見下ろしておられるのかもしれません。伊深氏は助産師で、かなり慎重にチェックさせて頂きましたが、確実なものは皆無です。このお二人の位置付けはお産現場からの声ぐらいの位置付けでしょうか。吉村氏の立ち位置は有名ですが、伊深氏はアンチテーゼと言うより、近似の路線では無いかと類推しここに分類しています。あえて言えば豪田監督の「自己表現」の感性に近い方ぐらいの感じです。

池川氏は既に紹介しましたし、大葉氏は紹介不要でしょう。結構厄介だったのは鮫島氏です。鮫島氏は産婦人科医なんですが、NPO法人国際ボンディング協会の理事長も務められています。まず帯津良一氏が作られた帯津養生塾と言うのがあります。全国に20ヶ所の支部があるそうですが、帯津養生塾市川市支部におそらく市川支部代表の肩書きとして、

薬剤師 セラピスト(HIROKO)
日本ホリスティック医学協会会員
東洋医学薬学古典研究会
日本ホメオパシー医学会認定薬剤師
JAMHAハーバルセラピスト
BACH国際教育プログラムLEVEL3
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー
東西中医学院 中医アロマテラピーおうちセラピスト
NPO法人国際ボンディング協会 ベビーボンディングケアスペシャリスト

しっかし世の中には色んな資格があるもんだと感心しました。ただこれだけでは弱すぎるので、これも帯津良一氏が会長を努められているサトルエネルギー学会セミナー・イベント情報【意識科学】第3回意識科学シンポジウムの基調講演を行なった方の略歴です。

小児科専門医・医学博士・臨床心理士。平成元年旭川医科大学卒業後千葉大学医学部小児科学教室に入局、その後千葉県こども病院、国立病院機構下志津病院小児科医長等を経て、平成14年千葉県八街市に八街こどもクリニックを開業し現在に至る。国際ボンディング協会理事サトルエネルギー学会監査

赤色背景の3氏は映画のメイン・モチーフと考えられる胎内記憶に関するコメンテーターと見たいところです。無理やり分類すれば「スピリチュアル」が合うぐらいの感じです。とくに池川氏は製作助言にも深く関与されている旨も映画HPに書かれており、影響力は小さくなかったと見たいところです。でもって出来上がった映画は由井氏が講演会の枕に使っても「望ましい」のお眼鏡に適う出来栄えであったと言うところです。

もちろんですが、豪田監督が由井寅子氏のために作ったとは「まったく」思っていません。豪田監督がアーティストの感性として「スピリチュアル」、「LOHAS」、「自己実現」を大事にされている事は明言されています。その感性が池川氏の主張に惹かれたわけであり、感性が近い人の意見に影響されるのは当たり前と言ったぐらいのところです。目指す方向性が由井寅子氏と「たたまた」一致もしくは非常に近かったんじゃないかぐらいの推理です。


助産

トークに出られる予定の助産師の特定は難しいところです。「助産師の皆さま」が登場するのは東京の世田谷区ですから、出来れば近場の助産師が望ましいとは思われます。たとえば映画でコメンテーターをされた伊深氏は埼玉県狭山市です。あくまでも映画に関するトークとして出演依頼された可能性はあります。他に有力そうなのは、日本ホメオパシー医学協会全国提携助産院紹介に掲載されている助産師です。ここには7ヶ所が掲載されていますが、そのうち2ヶ所は神奈川県川崎市です。地理的に出演可能かもしれません。

だからどうしたと言われそうですが、甚だ中途半端なムックである事を遺憾としながら終わりにさせて頂きます。