関連マスコミ情報が妙に金額に細かく、ssd様が数字給と表現されるぐらいなので、私もそこに視点を出来るだけ据えて書いてみます。
この時点のお話は福山の小児救急を淡々とで書いたので簡単にしますが、2009年度には17人いた小児二次輪番救急の小児科医が2011年度には13人になり対策を立てたお話です。福山の小児二次輪番救急病院は4つで、
ここに対して従来行なわれていた支援体制は2011.6.19付中国新聞より、国、県、市は、民間病院には1回当たり計約2万6千円を基準に補助して24時間態勢を整えてきた。
「民間病院」に対する補助となっていますから狭義に取ると福山市民病院以外の3病院ですが、福山医療センターは微妙なところです。そうなると残り2病院になりますが、公立学校共済病院はどうなんでしょう。よく分からないところです。この補助もどれほど医師に渡っていたか不明ですが、仮に医師に全額渡っていたら、民間病院当直料は高くなっていたかもしれません。
これは従来の対策で、2011年6月時点ではさらにの対策が行われています。これも2011.6.19付中国新聞からですが、
市は本年度、非常勤医師の手当を4病院の最高額にそろえる助成制度を新設。年24回の派遣分の178万円を予算化した
ここは前回の時に誤読していました。今になって読み返すと、
- 市は本年度、非常勤医師の手当を4病院の最高額にそろえる助成制度を新設
- 年24回の派遣分の178万円を予算化
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最高額病院 = 派遣医師当直料 = 7万4000円
2/22付msn産経より、
福山の救急小児科医不足解消へ 岡大から准教授ら派遣 広島
福山市内で休日や夜間の救急医療にあたる小児科医の不足を解消するため、県と同市は平成25年度から5年間、岡山大学医学部から小児科の外来診療とともに医師への実習指導をする准教授や講師の派遣を受ける。
同市内では、休日や夜間に小児患者を受け入れる救急病院が4つあり、各病院の小児科医が交代で診療にあたっている。だが近年の医師不足で、その数は平成21年度に比べ5人少ない計12人。このため小児救急医療体制に空白が生じ、1カ月で最大8日間、患者を尾道市や岡山県倉敷市の病院に受け入れてもらわざるを得ない状態となっていた。
県と市は、4病院の小児医の大半が岡山大学病院からの派遣であることや福山市までの距離などを考慮。岡山大学医学部に25年度から5年間で総額1億円を寄付し、福山市内で診療や医師の指導にあたる准教授と講師の2人を週2、3日派遣してもらうことにした。
派遣される准教授はアレルギー専門医で、講師は循環器専門医。どの病院への派遣となるかは今後、岡山大と検討する。2人は、福山市の小児救急医療体制の問題点などについても助言を行うほか、小児医療についての市民向け講座も年数回開く。また、県は医師免許を持つ大学院生や小児科を目指す研修医が、岡山大学から診療に派遣された場合、1日8700円を支給するとしている。
この記事からわかる事は1億円で岡山大に寄付講座を作り、
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平成25年度から5年間、岡山大学医学部から小児科の外来診療とともに医師への実習指導をする准教授や講師の派遣を受ける。
見出しにも記事にも小児救急の危機を書いているので、准教授と講師なりが輪番救急の当直に派遣されそうに読めてしまいそうですが、そうではなく昼間に来院されて、指導とか市民講座を開くと読むのが正しそうです。
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県は医師免許を持つ大学院生や小児科を目指す研修医が、岡山大学から診療に派遣された場合、1日8700円を支給するとしている。
井笠、福山の小児救急医療充実へ 岡山大が寄付講座設置を発表
医師の都市部への偏在などで手薄になっている福山・府中地域と井笠地域の小児救急医療の充実を目指し、岡山大は21日、2013年度から5年間、大学院医歯薬学総合研究科内に寄付講座「小児急性疾患学講座」を設置すると発表した。広島県と福山市が計1億円を寄付。隣り合っている両地域の小児救急を担う拠点病院構築や、優れた小児科医の育成に向けた研究、診療に取り組む。
講座には2人の専任スタッフを配置。食物アレルギーの専門家である萬木章医師を准教授、小児循環器専門医の大野直幹医師を講師とする。講座では人材育成プログラムを開発する一方、両地域の小児救急を担う国立病院機構福山医療センターや福山市民病院など同市内の4病院に週2、3回出向いて夜間救急などにも従事。実情を把握し、将来構築すべき拠点病院の在り方を検討する。
広島県などによると、両地域の休日・夜間の小児救急は、福山医療センターなど4病院と軽症患者を診る「夜間小児診療所」(福山市医師会設置)で対応しているが、医師が足りず1カ月に数日、当番が存在しない空白日が発生し、「崩壊寸前」の状況という。
寄附講座の名前が
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小児急性疾患学講座
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小児救急を担う拠点病院構築や、優れた小児科医の育成に向けた研究、診療に取り組む。
産経記事と内容がほぼ同じと見ても良さそうです。たぶん同じ報道資料から記事を書いているのでしょうから、似ていても不思議ありません。産経になくて山陽にあるのは、
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同市内の4病院に週2、3回出向いて夜間救急などにも従事。
たった2人で「週2、3回」もやった日にはチト辛いところはあります。それぐらい今でもやっているところは幾らでもあるでしょうが、やはり多い気がします。もしなんですが「週2、3回」を2人の寄附講座医師がやってくれれば、福山の小児救急はかなり助かるとは思います。週2回でも年間100日になりますから、4病院の負担はかなり軽減されます。まあ「週2、3回」の可能性もゼロではありませんが、24回枠の方が可能性は高そうに思います。
なんとなくなんですが、2011年度からの24回枠の当直派遣を岡山大が渋り始めたんじゃないかと思っています。そこで出た話が寄附講座。よくあるお話です。ただそんなモロのバーターではさすがに双方とも面子があるので、小児救急の研究講座と福山市は位置付けたと考えます。福山市は岡山大の医療圏らしいのは前回の時に情報がありましたから、医師派遣のコネを作ったぐらいです。
もちろん謳い文句通りに「人材育成」「拠点病院構築」が出来れば申し分ないですが、「出来ればヨロシク」ぐらいでしょうか。それでも任命されたお二人は真面目にはやってくれると思います。5年限定の寄附講座ですが、成果次第では延長の可能性もあるわけで、特任であってもつかんだポストですから、前向きの姿勢で対応してくれるんじゃなかろうかです。ただ産経の見出しの
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福山の救急小児科医不足解消へ