大阪府立病院の給与お手盛り騒動

いつもシャープな切り口に驚かされるssd様のKY(給与値上げやめました)にトラバと言いたいのですが、設定上できないようなので心の中でトラバしておきます。

とりあえず元記事ですが、4/5付のAsahi.com関西です。

大阪府立病院機構、院長らの給与アップを当面凍結

 地方独立行政法人大阪府立病院機構」(高杉豊理事長、大阪市住吉区)は4日、臨時理事会を開き、府立5病院の院長などの基本給を4月から最高で月額10万円増額する給与改定について、当面、凍結することを決めた。同機構は「府の財政再建の取り組み状況を見極める状況が生じたため」としている。

 同機構は、給与増額が明らかになった4日、急きょ理事会を招集。3月26日の理事会で改定した基本給表の施行日について「4月1日」としていたものを「理事長が別途定める日」に変更し、当面は増額を見合わせることにした。担当者は「橋下徹知事の『大阪維新プログラム』の方針に基づく取り組みを今後、注視していく状況が生じたため」と説明した。増額には府民から批判も数件寄せられたという。給料日は17日で増額分は支給されない。

 同機構によると、総長、院長、病院長の計7人の月給が6万3千〜10万5500円増額されることになっていた。それに伴い、ボーナスなども含めた年収も126万〜203万円増え、7人で年間1137万円の経費増になる予定だった。機構には府から年間140億円(06年度)の運営費負担金が投入されている。(稲垣大志郎)

これは大阪府の施策として「医師優遇」で

    府立5病院の院長などの基本給を4月から最高で月額10万円増額
これが行われ、それに対し府立5病院の臨時理事会で、
    当面、凍結することを決めた
これに対してのssd様の比喩は痛烈で、

「ほんままいるで、しかし」
「たった10万円でんね」
府民からも妬みの難癖がぎょーさんきてま」
「ほいなら、とりあえず、無期限延期ということにして、ほとぼりが冷めたら、バーンといきますか」
「そやなあ。ま、タレント知事選ぶアホな府民のことやから、どーせすぐ忘れるやろ」
「やっとられへんなあ。府民ちゃうで愚民やがな」
「ええかげんにしなさい」 SEゲラゲラゲラ
大阪弁はフィクションです)

私も笑って読んでいたのですが、幾つかしょうもない疑問があります。

  1. 院長給与の決定権は誰にあるのか
  2. もし府にあるのなら理事会で覆せるのか
記事にあるように府立病院は地方独立行政法人大阪府立病院機構」になっているようです。独立と言うぐらいですから、府の直営で無いでしょうから、院長給与の決定は理事会で承認されたとも考えられます。しかし府立病院の経営が優秀で黒字病院なら構わないでしょうが、常識的に考えて赤字の可能性が高く、たとえ帳簿上黒字であっても府からの助成金を含めての黒字と考えた方が妥当です。「高度の蓋然性」で助成金(計140億円)無しの黒字経営とは考えにくいものがあります。

「独立」ですから府立病院が独自に給与を決定できるでしょうが、事実上は府の承認なしに給与決定はできないと考えられると思います。府の決定と言っても財政再建に燃える現知事が端々に目を光らせてますから、知事のなんらかの承認なしには無理じゃ無いかと思います。だいたい周産期のコーディネター費用の全額削減までやっているのですから、7人の総長、院長、病院長に

    年間1137万円の経費増
こんなお手盛りに嬉しい顔をするとは思えません。

そうなるとですが、やはり病院サイドの独走と考えるのが正しくなります。「独立」ですから府に断り無しに院長の給与増額をまず決定され、これがマスコミ記事となっています。これを読んだ知事が激怒(までしたかはわかりませんが)。いちおう「独立」ですから直接の指示は出来ない(これも知事は学習済み)ので、知事の強力な意向を伝えたのが舞台裏と考えます。その辺のニュアンスが、

    橋下徹知事の『大阪維新プログラム』の方針に基づく取り組みを今後、注視していく状況が生じたため
大金主の知事の意向ですから耳を傾けざるを得なくなったものの未練が残り、
    当面は増額を見合わせることにした
う〜ん、やっぱり考え直してもssd様の御指摘の通り、
    ほとぼりが冷めるまで、棚上げ
こういう顛末が妥当そうです。