アングマール戦記:アラッタからエレギオンに(2)

 初代の主女神の死に際してユッキーも、コトリも永遠の記憶を受け継ぐ女神になったんやけど、二代目以降の主女神には本当に手を焼いた。とにかく不安定だったんだ。エレギオンの地はもともと不毛の地で、これが主女神の恵みの力でなんとか農地になってるんやけど、その恵みが安定しないと不作どころか飢饉になるんよね。

 コトリはこんな不安定な主女神の恵み頼りじゃ飢え死にしそうだから、もうちょっと豊かなキボン川流域に国を移そうと何回も提案したんやけど、ユッキーは、

    「主女神の選び給うた地を疑うなかれ」
 この一点張りやった。もっとも、こんな格好の良い見栄を切っているユッキーだってお腹が『グゥ』って鳴らしながらやってんけどな。そんな中で千年ぐらいやって次の転機が来た。最後の目覚めたる主女神の登場よ。これが桁違いのハズレでついにユッキーとコトリで眠れる主女神にしてもてん。

 主女神は眠ってくれると災厄をもたらさへんねんけど、恵みの力も落ちるのよね。だいたい四分の一程度かな。そうなると食い物減るやんか。それがあるから千年もの間、主女神を二人で宥めすかしとってんけど、

    「落ちた分はわたしとコトリでカバーすれば良い」
 なに言うてるかわからへんかったけど、コトリにもユッキーにも恵みをもたらす力があったのよ。そんなんいつ知ったんってユッキーに聞いたら、
    「初代主女神がどうしてもの時に使いなさいって」
 それやったら、もっと早く主女神を眠らせといたら良かったのにと大喧嘩になったものよ。まあ、それでも主女神の恵みの力こそ落ちたものの、安定してくれたお蔭でラクになったのは確かやった。それはユッキーも認めてた。

 ただ食糧事情は安定せんかった。この辺はイタチごっこが確実にあって、食糧生産が増えると人口が増えるのよね。自然増加だけじゃなくて、移住者も来るわけ。人が増えれば食糧がもっと必要になるんやけど、コトリとユッキーがいくら頑張っても、ビソン川流域の開墾だけじゃ限界があったのよ。それぐらい土地の条件が悪かったのがエレギオンってところ。

 さてやねんけど、エレギオンに移住した当初も周囲に人は住んどったけど、まだまだ遅れてた。というかシュメールやエラムが飛び抜けて先進地帯やったと言うてもエエと思う。ただ千年もすると進んで来たのよね。エレギオンを見習って農業が始まり、やがて村落から都市に発展していったわ。そりゃ千年もすればそうなるわ。

 エレギオンのお隣に成立した都市国家がキボン川流域のズオン王国。ここも最初は随分助けてあげたのよ。農業技術も伝えたし、文字も教えた。エレギオンの食糧事情が苦しかったから、ここが発展して食糧供給基地になって欲しかったのもあったのよ。でも甘かった。

 ズオン王国は発展するにつれて、助けてもらった恩を忘れてエレギオン併呑を目指すようになっちゃったの。あっちの方が食糧いっぱい作れるから人口も多いのよね。とくに激しくなったのがエレギオンに銅が見つかってから。青銅器で交易してたんだけど、交易で手に入れるより、大元を取っちゃおうってところ。

 エレギオン軍は弱かったけど、都市を守る城壁はしっかりしてたし、武器だって青銅製フル装備だったから、ズオン王国軍が攻め寄せてきても撃退は可能だった。ただエレギオンの青銅はズオン王国だけでなく、さらに上流に成立していたベラテ、リューオン、ハマなどの都市国家からも狙われて攻め込まれた。

 もちろんこの四国同士も争うから、ずっと攻められ通しじゃなかったけど、防衛戦はとにかく持ち出しばっかりでウンザリやってんよ。そこでユッキーと相談してズオン王国を併呑する事にしたの。この辺で一段大きいのはズオン王国やから、これとエレギオンが合わされば手出しする国が減るだろうって算段。ここはコトリが提案したんやけど、

    「コトリに恵みの力があるんやったら、災厄の力もあるはず」
 ユッキーも賛成してくれて、二人で物凄い気合入れてズオン王国に災厄の雨を降らせてみたのよ。結果はビックリした、ビックリした。ズオン王国には疫病が蔓延して人口が見る見る減っていき、王族も有力貴族も次々に死亡。トドメは大洪水で跡形もなくなっちゃった。さすがに二人で顔を見合わせて、
    「女神って・・・こわ~」
 コトリもユッキーも女神であるのは知ってたけど、こんな凄い力を持ってたって初めて知ったんよね。ズオン王国の生き残りの住民、さらにはエレギオンから移住者を派遣して旧ズオン王国の農地の再開墾をやったんだけど、やっぱりエレギオンとは土地の質が違うって実感したわ。少々時間がかかったけど、ズオン王国の併呑に成功して地域大国化に成功ってところ。

 エレギオンが大きくなったのでハマ、リューオン、ベラテも攻めて来んようになったんよ。それどころか友好条約みたいなものを結ぼうって言ってきた。こういう時の友好条約って婚姻政策やねんけど、エレギオンの実権は王じゃなくて女神なの。コトリも、ユッキーもそんな人身御供みたいな王子はいらんかったから、ちょっともめた。

 そこで出来たのが通商同盟。自由貿易協定みたいなもので、同盟国の商人はどの国でも自由に商売ができるってぐらいの条約。なんかどの国も、

    「そんなもんでエエんか」
 みたいにポンポン署名してたけど狙いはあったんよ。この地域での技術力はエレギオンが一番やねん。普通に商売させりゃ、エレギオンに自然に富は集まるわけ。相対的に他の国は貧乏になるんやけど、そこでエレギオンから援助を出すんよね。どっかの国の補助金行政みたいなもんやけど、いつしかどの国もエレギオンからの援助や補助無しじゃ国家運営が成り立たんようになってしまったのよ。

 最初にやったハマ、リューオン、ベラテは物の見事に嵌ってくれて、短期間のうちにエレギオン無しでは暮らせんようになってくれた。それも、どうしてそうなったかさえ気づかなかったみたい。いつしかこの三国の政治はエレギオンからいかに援助を引き出すかがすべてになり、強固な同盟者になってくれた。

アングマール戦記:アラッタからエレギオンに(1)

 エンメルカル王の脅威が迫った時に主女神と王との間に意見の相違が出来てもたんよ。王はエンメルカルを撃退できると考えてたけど、主女神は負けると予見したのよね。主女神から聞いたのだけど。

    「エンメルカルは強大過ぎる。わらわの力を以てしても勝てるとは言えない。いや、大いなる流れはアラッタに明らかに逆流。わらわには見える、アラッタの滅びが」
 ユッキーも先が見える能力があるけど、主女神はもっと見えていたと思う。まあ、この頃はコトリもユッキーも女神じゃなかったから、主女神がそういうのなら、そうだと信じとったわ。ただ王はそうじゃなかった。それぐらいアラッタの城壁は高く、戦わずして降伏する選択はないと主張していたんよ。

 王の判断もわかるのよね。降伏すれば王は王でなくなり、タダのアラッタの領主に格下げされるし、アラッタの住民も殺されはしないだろうけど、エンメルカルに顎で使われる存在になるものね。当時の戦を仕掛けるとか、降伏するとはそんな意味だったもの。

 それと主女神にしてもエンメルカルに勝てない予言はエエとしても、だからどうするの解答がなかったのよ。既に戦うか降伏するかの二択状態に追い詰めれとったんよ。戦力的にはエンメルカルは遠征軍だから、迎え撃てばアラッタの方が有利の王の考えが間違っているとも言えないぐらいかな。正直なところコトリだって、アラッタがウルクを占領するのは無理やけど、アラッタを守るだけなら勝算はありそうぐらいに思ってたぐらい。そしたら、

    「運命の流れはわらわの力でもどうにもならぬ。アラッタはエンメルカルに敗れ、大変な目に遭う。せめてわらわの言葉を信じる者たちと逃げよう」
 ビックリした、ビックリした。でもコトリにしても、ユッキーにしても主女神の言葉は絶対やったから、早々に準備を整えて夜逃げ同然にアラッタを脱出してん。そうしないと街の守護神が逃げるなんて許されないからね。もっとも上手く逃げられたのは主女神の力のお蔭だけど。

 どこに逃げたかだけど、ひたすら北に逃げた。南に逃げて船に乗る手は、既にエンメルカルの勢力がアラビア湾沿岸に及んでいたから出来なかったの。イラン高原を逃げて、逃げて、今のテヘランあたりまで逃げたんよね。最初は三百人ぐらいいたけど、陸路だからどうしても脱落者が出て、テヘランあたりに着いた頃には二百人ぐらいになってた。この辺は脱落したというより、途中の町々に落ち着けるものは、そうしたぐらいとして良いと思う。

 ただまだ終点ではなかったの。さらに北上を続けてアララト山を目指して進んで行ったの。主女神は何かを探しているようだったけど、コトリやユッキーにさえ教えてくれなかったわ。それこその山越え、谷越えの旅は続き、アララト山でさえ通りすぎちゃった。そしたら今のバトゥーミの辺りに着いたで良いと思うわ。

 そこからどうするかと思ってたら、船を作らせたのよ。エンメルカルの脅威がアラビア湾沿岸に達した時に船大工集団がアラッタにも逃げてきてて、その集団がここまで付いて来てたのよね。というか、主女神がそうさせた気がコトリはしてる。そこから黒海クルーズになったわけ。

 ここまで来ればコトリにもわかったのだけど、主女神は亡命先についてなにか具体的なイメージがあったみたいなの。聖書でモーゼが約束の地にユダヤの民を導いたのと似ていたかもしれない。黒海クルーズも長かったけど、海峡を越えてある入り江に入った時に主女神の表情が変わったのよ。入り江から少し入ったところにあった丘に登り、丘の上の大きな岩を指し示して、

    「これこそ始まりの岩。ここにわらわたちの国を作る」
 これにはコトリもそうだけどユッキーも反対したのよ。後からわかったり付いたりした地名で呼ぶけど、とりあえず主女神の登った丘は頂上付近が大きな平地になってた。台地ってところかな。後に神殿の丘と呼ばれるようになったんだけど、東側にビソン川が流れてたの。これが問題で、源流はオルト湖になるんだけど、これがかなり強い酸性の湖で、平たく言うと温泉というか冷泉が湧いてたのよね。

 ビソン川は源流が酸性だったもので、流域もかなり酸性が強かったの。だから流域は不毛の地。支流が流れ込んで下流に行くほどマシになるとはいえ、見ただけで荒涼って感じだったの。当時はそんな理屈はわからんかったけど、ここで農業やるのは無理やと直感的に思たんよ。

 一方で西側に目をやるとキボン川が流れてた。これはかなり大きな川で両岸に森を作ってたし、川の西側には集落らしいものもあったの。どうせならそっちの方がエエと思たんやけど、

    「わらわはここに導かれた。わらわの恵みを注がん」
 しゃあないやん。主女神がここにするって言うのをこれ以上反対できへんかったし。主女神がどういう理由でここを選んだのかは今でも謎やけど、主女神が本気なのだけはよくわかった。不毛の地と思われたビソン川流域の開墾は順調すぎるほど順調に進んだわ。

 そうそう国名のエレギオンだけど、当初は『キ・エン・ギ』と呼んでた。シュメール人と同じだけど、ビソン川下流は網の目のようになっていて、そこに葦がたくさん生えてたからなの。ついでに粘土質の泥だったから粘土板も作れたし、日干し煉瓦も作れた。ただこれじゃ、エレギオンにならないんだけど、住んでた土地がエルグと呼ばれてたからなの。これは多分やけど、最初の方にエラム人と名乗ってたのがエルグになり、これがさらに訛ってエレギオンになったんだと思ってる。

アングマール戦記:恋人は女神

 ボクは港都大学院考古学部エレギオン学科修士二年の柴川裕太。『ユウタ』って彼女からは呼ばれます。彼女の名前は立花小鳥。一つ年上でアパレル・メーカーのクレイエールに勤務されていて『コトリ』と呼ばせてもらっています。

 この『コトリ』って呼ぶのは今でもドギマギしています。それぐらい彼女は美しい。良く見れば欠点も無いことはないのですが、そんな欠点さえ魅力に変えてしまうほどの素晴らしい人です。彼女ですからデートもしますが、今でも一緒にいるだけで息苦しくなるぐらい素敵としか言いようがありません。

 自分の彼女ですから贔屓目もあるだろうって言われそうですが、おそらく十人が見れば十人が彼女に魅かれ、百人が見れば九十九人が彼女に魅かれるのは間違いありません。残り一人はどうかって? まあ、世の中には色んな趣味の人がいますから、百人になれば一人ぐらいはヘソ曲がりも混じるだろうってぐらいのところです。

 彼女の最大の魅力はその微笑み。彼女の微笑みはボクを幸せにします。ボクだけでなく周囲の人すべてを幸せにします。これは言葉で表現しきれないのが残念ですが、どんなに辛いこと、悲しいことがあっても彼女の微笑みはそれを癒してくれますし、落ち込んでいる気分を微笑みに変えてくれます。

 スタイルは絵に描いたようにキュート。ファッションセンスは職業柄もあるかもしれませんが抜群です。今まで付き合ってきた彼女に較べるとアマとプロぐらいの差があります。決して高価なものを身に付けている訳ではありませんが、彼女が身に着けると『別物』と呼ぶしかないぐらい映えます。いや、そんなレベルじゃなく光り輝いているとした方が良いと思っています。

 キャラは明るいというか快活。ノリの良さはビックリさせられるぐらいで、好奇心もひたすら旺盛。遊びだしたらトコトン謳歌するタイプで良さそうです。これも感心させられたのですが、とにかくなんでも出来る人です。歌はプロ歌手でも真っ青、踊らせれば達人級、料理の腕も抜群、裁縫もボタン付けなんてレベルじゃなくて、流行に合わせた服を作り上げてしまうぐらいの腕です。

 女性として非の打ちどころがないというか、良い所を集めて凝縮したとしか思えません。どう見たってボクにはもったいないというか、不釣合い過ぎるぐらい、いや本来なら高嶺の花で遠くから見るだけが精いっぱいの女性がコトリです。


 そんなコトリと付き合い始めたのが港都大のエレギオン発掘調査の時です。ボクも調査隊員の一人として参加していました。ではコトリはどうして参加したかです。ボランティア? イエイエそんなものじゃありません。コトリは調査隊の隊長だったのです。それも前回に引き続いて二度目の隊長です。

 隊長のコトリの肩書は港都大学院考古学部エレギオン学名誉教授。これも論文一本だけで認められた異例すぎるものです。ボクとコトリの不釣合いは、これだけでも十分すぎるのですが、コトリはクレイエールの代表取締役専務でもあるのです。実力も十分で会社のナンバー・スリーであり、次期次期社長になってもなんの不思議もないとされています。

 もう一つ彼女の特徴ですが、ボクより一つ上の二十五歳ですが、どう見たってボクより若く見えます。そうですねぇ、二十歳過ぎぐらいにしか見えません。そういう人は世の中にいますがコトリはそんなレベルじゃなさそうです。これはコトリの同僚を紹介してもらった時に腰を抜かしたからです。

 香坂さんと、結崎さんと仰いますが、お二人もどう見てもお若い。せいぜいボクと同年輩です。またお二人とも実にお美しい。コトリが二十五歳で専務なのが特異すぎますから、同年輩ぐらいと思ったのです。とくに結崎さんが、

    『コトリ先輩』
 こう呼ばれるものですから、コトリの一つぐらい年下ぐらいとしか思えず、かなりタメ口で会話していました。ところがです、よくよくお二人のことを聞くと、香坂さんは四十一歳で本部長、結崎さんに至っては四十六歳で常務さんなんです。これはコトリにも確認しましたから間違いありません。結崎さんは、
    「柴川君、コトリ先輩は歳に関係なく先輩なの。だから専務なのよ。柴川君ならわかるでしょ」
 これはエレギオン学に関する話になります。これを理解し、信じられるようになるのがエレギオン学の神髄になります。エレギオン学はエレギオンの歴史・文化を調べる学問になります。考古学なら当然すぎるお話なのですが、他の考古学分野と大きな違いがココなのです。

 エレギオンは二千年前に滅んでいますが、エレギオンを統治していたのは五人の女神です。神政政治ってスタイルですが、エレギオンの神政政治は他の神政政治とは違います。一般的な神政政治は形而上の神に仮託するものですが、エレギオンでは本物の女神が政治を行っていたのです。

 さらにその女神たちは人を宿主として移り変わりながら、記憶も受け継いでいます。これも『そうだとされる』ではないのがエレギオン学です。このエレギオンの五人の女神は今も存在しその記憶を伝えています。

 女神の記憶は驚異的です。エレギオンの始まりから終わりまでのほぼすべてを記憶しています。政治・文化についても女神が考え、女神が作り出したものが多数あります。そうなんです。女神はエレギオンのすべてを知っておられるのです。エレギオン学とはそんな女神の記憶に一歩でも近づこうとする学問なのです。

 このエレギオン学の神髄を理解するのは大変なのですが、クレイエールの凄いところはその神髄を経営にそのまま応用されている点です。コトリは前回の発掘調査でも隊長でしたが、立花小鳥として参加した訳ではありません。立花小鳥の前宿主である小島知江として参加しています。コトリが専務なのは小島知江時代からの業績を引き継いでのものです。

 香坂さんや結崎さんがコトリを立てるのは専務であるからとは言えません。たとえばコトリの秘書の小山さんも絶対的に立てられます。これは香坂さんが三座の女神であり、結崎さんが四座の女神であり、小山さんが首座の女神だからです。

 ではではコトリはなんなのかですが、これが次座の女神になります。四人の女神の関係ですが、首座と次座の二人の関係は実質的に対等だそうです。三座と四座はぐっと下がるぐらいの理解で良いようです。小山さんともお話したことがありますが、

    「コトリとは長すぎる付き合いの腐れ縁よ」
 小山さんとコトリの関係の始まりはエレギオン建国以前にまで遡るようで『長い』のレベルの桁が違いすぎるのに気が遠くなりそうです。お二人は顔を合わせると、
    「ホンマに相性悪い」
 こう言い合っていますが、それでも本当は無二どころでない大親友であるのはすぐにわかります。どれだけお二人でエレギオンの運営に心血を注いでおられたか、その一端を聞くだけで震え上がりそうになるからです。親友でもあり、戦友でもありってところでしょうか。


 これぐらい畏れ多いコトリですが、恋愛だけは奥手の感じがしています。ボクが気後れしている部分も多大にあるのですが、今のところ手をつないで歩く程度です。そうやって一緒に歩いてベンチにでも座って、じっと見つめ合うのがコトリは大好きなのです。時にはボクに甘えるように胸に顔を埋めたりもしますが、キスさえまだです。

 ボクも男ですし、こんなにイイ女ですよ。そこまで行けばキスぐらいしたいじゃないですか。いや、しようとしたのですが、

    「ユウタ、もうちょっとだけこんな感じでいさせて。こうしているのがコトリは一番幸せなの」
 そう言われちゃうと、それ以上は出来ませんでした。そうしたらコトリはボクの心を読み取るように。
    「ユウタがしたいのなら、今からだってイイんだよ。だってコトリの体はユウタのものだもの。でもコトリのお願い聞いてくれたら嬉しいな」
 今はコトリが満足するまでこの関係を続けようと思っています。それにしても、もしコトリを抱いたら、そのまま死んじゃうんじゃないかと思う事さえあります。だって、相手は女神ですよ、
    「ユウタ。コトリを抱いただけで死んだりしないよ。でもね・・・」
そこから長い長いお話になりました。

USオープンの話は筋が悪そう

 大坂選手が全米オープンの女子シングルスで優勝したのは快挙です。YouTubeのダイジェスト版を見た程度ですが、実に力強いテニスでした。まだ二十歳ですから、これからの活躍も期待させられます。

 大坂選手の決勝の相手がセリーナ・ウィリアムズ。この選手も偉大な選手でwikipediaからですが、

 グランドスラム合計優勝回数は男女通して現役1位・歴代3位、シングルス優勝回数は歴代2位、オープン化以降では歴代1位。ビーナス・ウィリアムズと組んだ優勝回数はチーム歴代3位。

 2002年から2003年及び2014年から2015年に史上5人目のグランドスラム4大会連続優勝達成。またダブルスでも2009年から2010年にかけて達成している。

 対決の構図は出産明けで復活を狙う女王セリーナと新鋭の大阪選手の対決だったで良さそうです。この試合で問題になったのがセリーナの振舞。御存じの方も多いですが、コーチの助言を受けたとして注意され怒り、ラケットを壊し、審判に激しく食ってかかっています。

 セリーナの激怒についての解説があれこれあるのですが、これが部外者には複雑すぎて、

    ようわからん
 これが本音です。コーチからの助言は禁止だそうですが、助言を行ったコーチが「誰でもやってる」って言いだすあたりから「アレレ」って感じです。

 次に飛び出してきたのはジェンダー論です。これも理解するのが大変だったのですが、セリーナ程度の振舞で、あれほどのペナルティを男子選手なら受けないって話の理解で良さそうです。だから男女差別だって。

 どうも女子選手だけ不当に厳しく罰せられてるのが大問題てなお話のようです。この辺はテニス界の常識ってのがあるのでしょうが、ギャラリーとして見てセリーナの振舞は気持ちの良いものではありませんでした。綺麗ごとで結んで申し訳ありませんが、今回のような振舞は、

    女子並みに男子も厳しく罰則を下すべし
 こういう流れに持って行った方が良かったような気がしています。女子にも男子並みの粗暴さの許容度を与えよじゃシンドイですからね。

 

ネットはシンドイところ

 ため息が出そうですが、まだ移行作業は終っていません。昨日は三日ぶりに進んだのですが、今朝見ると期待も空しくそのまま、今もまたそのまま、しばらく休憩みたいです。別にブログに埋め草エントリーを書く必然性はないのですが、なんとなく埋めときます。

 北海道で大きな地震がありました。被災者の皆さまにはせめてものエールを贈らせて頂きます。天災の被害は辛いものです。私だって元被災者ですし、被災から復旧の長い過程はしっかり経験させてもらってますから、心からのものと信じてもらえれば幸いです。

 北海道では地震に伴う大停電が起っています。北海道全戸なんて報道も流れていて、規模の大きさに驚かされました。震災の時にはライフラインの確保に関心が向かいますが、電気・水道・ガスのいずれかが止まっただけで生活が一挙にサバイバル・レベルになります。

 阪神の時には幸いにも電気はその日のうちに回復してくれましたが、水道とガスが月単位で時間がかかり往生したのは未だに覚えています。

 さて北海道の大停電に関して浮上したのが原発再稼働問題。単純化すれば北海道の原発が稼働していれば、大停電は起らなかった、もしくは起っても、もっと短時間で済んでいたお話です。

    そんなもんなんか
 これぐらいで横目で見ていましたが、再稼働反対論者も出てきました。こっちの方は北海道の原発も断層地帯にある可能性があり、下手すれば福島原発の二の舞、悪くすればそれ以上の被害が出るって主張です。これまた、
    そういう見方も出るやろな
 これぐらいで横目で見てましたが、そこからが大変なことになったみたいです。どうしてもTLに流れて来るので、目に入るのですが、ありゃ泥仕合ってところです。俗に酒席で、
    政治と宗教の話はするな
 こう言われますが、ネットでもやるからには覚悟がいるぐらいは初歩かもしれません。タブーじゃありませんが、可燃性が高いのは承知しておくべきぐらいです。ここも早く平和な小説連載に戻したいのですが、移行作業が終わらないことには、ニッチもサッチもどうしようもないぐらいです。