電動キックボード雑感

 電動キックボードが話題になっています。この手の乗り物は20年ぐらい前に真剣に検討したことがあります。当時だって電動はありましたが、実際に検討したのはエンジン仕様で、それもガソリンじゃなくカセットボンベで動くものです。

 このタイプはシートもウインカーもあって、頑張って申請すれば原付一種として公道も走れるとなっていました。神戸市内の通勤なら手軽そうじゃないかぐらいです。

 最終的にあきらめたのはナンバー取得の面倒臭さもありましたが、やはり坂道に弱い、つうか弱すぎたからです。平坦な道ならまだしも、神戸は坂の多い街です。ですからベスパET125にしています。まあ走行能力が低いのに結構なお値段がするのもありました。


 あれから幾星霜ですが、突然って感じで電動キックボードの公道走行が認可されました。時代も変わったものだと思いましたが、どう見たって危なそうと感じるのは昭和の爺だからでしょうか。電動キックボードを二輪車として評価すると、

  1. タイヤ径が小さい
  2. ロードクリアランスが低い
  3. ホイールベースが短い
  4. 立って乗るので重心が高い
  5. とにかく軽量
  6. サスペンション機能は弱そう

 そういう車体が苦手にするのはギャップになります。ギャップについては擁護派と言うか推進派の方が、

    フラットな公道ならno problem ♪

 とは思えませんねぇ。公道だってギャップは幾らでもあります。あるから私のバイクのリアボックスが揺れて背中に当たっていたのです。いくら舗装されていたって経年劣化で荒れて来ますし、荒れて来るから定期的に補修工事をやってるじゃないですか。

 経年劣化で荒れる以外にも、道路上にはマンホールがあります。あれも路面とフラットなものばかりじゃなく、かなりのギャップを作っているものも幾らでもあります。他にも水道管とか、ガス管の工事のために掘り返し、そこをパッチワークのように舗装された道もあります。あれもギャップがあります。

 原付バイクでもヒヤッとする時がありますが、電動キックボードならもっと厳しそうに感じてなりません。そう、ギャップでの転倒リスクが高そうに見えて仕方ありません。もし転倒となれば車体の構造から体が前に放り出されるような状態になりやすい気がしますが、

    ノーヘル

 そもそもの話ですが、電動キックボードは世界に先駆けて日本が公道認可したものじゃありません。先行している国々があるのですが、そこでは上記したようなリスクの他にマナーの悪さから認可はされたものの後日規制強化が行われています。後から追いかける立場ですから先行例を参考にするのは常識です。まさかと思いますが、

    日本ではそうならない
 こういう見解だったのでしょうか。セグウェイを持ち出すまでも無く、この手の新奇の乗り物の公道走行にはかなり慎重だったはずです。それが、あれよあれよという間に認可です。そこまで議員たちが積極的に動くにはそれだけの理由が・・・これはもう置いときます。


 なんかね、アレって思うような法案が電撃的に成立するようになっている気がします。そりゃ、世間的には関心が低くとも、少なくとも法案が目指すものの理由や説明を聞けば納得できるものならまだしも、そうとはとても言えそうにないものもあります。

 さらに珍妙なのは、法案の成立、さらに法案をテコに展開する運動で表に出て来るのは、なぜか活動家ばかりと言うのもあります。ついでに言えばマスコミも諸手を挙げて協力している点です。電動キックボードなら公道を走る危険性とかを懸念する報道なんかあったかどうかも疑問で、ひたすら推進記事ばかりです。

 それも先行国があり、やってはみたものの、あれこれ問題が噴出しているものをひたすら伏せて回ってるにしか思えないところがあります。これまた陰謀論みたいになりますが、まるで示し合わせているように見えて仕方ありません。気のせいにするにはどうかと言うところぐらいです。

 きっとなにかあるんでしょうね。とりあえず電動キックボードは法として成立してしまっていますから、近日中に出くわすのは確実です。その時に電動キックボードのリスクを十分に頭に置いて、せめて巻き込まれ事故を避けるように努めましょう。それぐらいしか、個人で出来る自衛策はありませんから。