ネット世論の私的な見方

大した代物ではないのですが、私はそうやって見ているぐらいのお話です。

ネットと言うのは情報収集にも情報発信にも便利なツールですが、全体像を見渡すのは少々困難です。自分が見た範囲でしか情報は得られないと言う欠点があります。たとえばある社会問題の世論の大勢はどうなっているのかです。これを一目で見渡すのは容易でありません。ネットの特性で甲論乙駁のドンチャカ状態だったりするとなおさらです。それでもなんとなくわかります。ネット言論の形成のされ方は、

  1. A派のクラスタ
  2. B派のクラスタ
  3. その他
こんな感じで出来上がると考えています。今日は話を単純化するために社会問題に対する意見は2つに割れているぐらいの前提で話を進めます。同じ意見のクラスタに集まるのは自然な現象ですが、世論の大勢を決めるのはA派のクラスタの熱気でも、B派のクラスタの憤激でもありません。その他大勢がどっちの意見に組するかです。世論形成はリアルと同様に巨大な中間派が存在するわけです。そのためクラスタに集結する両派の賛同者は、その他のクラスタにも遠征してきます。大きな社会問題になると、その他大勢も無関心ではないからです。そこでスッタモンダの議論があったりするのですが、私が注目しているのは議論の質です。私が観察する限り共通した特徴がありそうに思っています。
    劣勢の方が口が悪い
これも劣勢になればなるほど悪くなる傾向が確実にあると感じています。その意見に対する批判ではなく、疑問点を口にしただけでも口汚く罵られる事さえあります。



そうなる理由はよく判らないですが少しだけ考察してみます。両派はその他大勢にオルグをかけるのですが、優勢派は主張に対する反応も良く、さらに好意的なものが多いと考えます。劣勢派は逆で反応も悪く、手厳しい指摘が多いと考えます。両派とも自分の意見は絶対が前提なのですが、優勢派はその裏付けが取れる感じがして反対意見に会っても比較的ですが「金持ち喧嘩せず」的な対応になると推測します。一方の劣勢派ですが、「なぜ判ってくれないんだ!」の苛立ちが募る感じぐらいでしょうか。後は自己防衛的な心理も働いて、反対意見を吹っ掛けるような連中は「隠れ反対派」のレッテルを貼っている気がします。反対派なら容赦の必要はありませんから、問答無用で切って捨てるみたいな感じです。優勢派も同じような反応は起こしているでしょうが、切り捨てると言うよりスルーで流す傾向の方が多いぐらいです。

両派とも自分のクラスタ内で理論武装していますが、ネットの怖いところはその他大勢の中に異常に詳しい人(モロ専門家も当然います)がゴロゴロ転がっています。ネットは基本的に匿名世界ですが、ハンドル・ネームによる存在感は確実にあり、そのクラスタ内では人物像が確立しています。その人物が常識派・良識派であり、これを問答無用に切って捨てたらクラスタ内全体の反発を買ったりも起こるわけです。そういうメカニズムが好循環していくのが優勢派、悪循環していくのが劣勢派ぐらいの見方です。



まあ本当の理由はわかりませんが、とにかく劣勢になればなるほど口は確実に悪くなるなる現象は存在すると思っています。たとえば、

  1. 上からの物言い(オマエは何様かと感じるぐらいの時が多い)
  2. あやふやな根拠を強弁する(持ち出した根拠は失笑と言うより噴飯物だったりします)
  3. 反論は根拠でなく感情論だけ垂れ流す(感情的と言うよりヒステリックな感じです)
  4. 属人攻撃に転じたりする(脅迫じみたものもあります)
  5. 陰謀論ですべてを説明しようとする(荒唐無稽なものがほとんど)
こういう兆候が見え始めたら、かなり劣勢に追い込まれている証拠と私は判断しています。あくまでも私の見方ですが、結構あてはまっている事が多い気がしています。