お口直しの軽いので

新宮心筋炎訴訟の意見書を根こそぎ解説しようと企画していましたが、残りの意見書は神の鑑定にすべて言い尽くされていますのでやめます。そういう訳で気分転換に軽〜い話題にします。

「闘論!週刊誌がこのままなくなってしまっていいのか」と言うシンポジウムが行なわれエントリーにした事がありますが、そこでのフラッシュの発言にこんなのがあります。

    ネットの驚異ということも言われているが、スクープをやっても、発売前日にそれが2ちゃんねるに掲載されてしまう。そのへんも週刊誌の元気をなくしている。というか実売を確実に奪っている。
週刊誌と言っても立ち位置が様々ですが、新聞に比べ速報性の劣る週刊誌は、掘り下げ記事で対抗している一面があります。掘り下げと言っても様々で、本当の労作の掘り下げ記事もあれば、噂話の憶測の塊みたいなものもあります。そういうのが混じりあって玉石混交状態なのが週刊誌の特徴でもあるのですが、天漢日乗様の行方不明の酒井法子に逮捕状(その9)「ホームレスにトバシ携帯与えて警察に擁護電話バイト」「自分も若い女性やおばさんの擁護発言動画を集める」マスコミ工作は着々と進行か?を読んでいるとフラッシュの発言が頭をよぎりました。


天漢日乗様のソースは隠しもしていませんが2chです。もちろん天漢日乗様が採用したからと言って、2ch情報が信用できるわけではありませんが、書かれている情報はそれなりに「そうかもしれない」と思わせる説得力はあります。「本当か?」については、マスコミ流なら情報源の秘匿でしょうし、2chでは読み手のリテラリシーになります。

気取って喩えましたが、天漢日乗様の引用した2chソース程度の信用性が週刊誌の芸能憶測系記事の信用度になります。後はこれをどう料理するかが腕の見せ所ですが、2ch情報で十分過ぎるほどおもしろいですし、これ以上おもしろくするのはチョット難しいようにも感じます。なるほど週刊誌が苦しくなる理由がよくわかります。

芸能ニュースは週刊誌の得意とする所のはずです。芸能界もある意味閉鎖社会で、華やかな表舞台と隠された裏舞台があり、芸能界が隠そうとする裏舞台を週刊誌が憶測記事であっても書きたてるのが商売であったはずです。そのため週刊誌記者は芸能関係者にコネをつけて、アングラ情報をかき集めて記事にしていたわけです。

読者もスターの裏情報をのぞき見したいという欲求を、真偽が定かでなくとも楽しんでいたのが週刊誌の芸能記事であったとも思っています。ところが週刊誌並み、下手すると週刊誌以上と感じさせる情報がネットに漏れてくると週刊誌の商売は上ったりになります。天漢日乗様が採用した話題がもし本当なら、ある意味週刊誌では絶対に書けない情報になるからです。

2ch情報までの話になると、週刊誌さえその陰謀の一環に確実に組み込まれますから、いわゆる「書いてはいけないタブー情報」になります。本当に怖いその筋の圧力が蠕く世界になるからです。下手に書くと記者の生命にかかわる話になります。一方でネットではシャアシャアと流れます。抑えたくとも一度流れれば素早く拡散し、これを抑えこむのは事実上不可能です。

またネット情報を下手に抑えようとすれば、抑えようとする話がまたシャアシャアと流れ、根拠の乏しい話にかえって根拠を与えてしまう逆効果にもなりかねません。週刊誌としては指をくわえて見るしかない情報となります。もちろんこの2ch情報の真偽なんて誰にも確認できませんから、当たるも八卦、当たらぬも八卦である事はお断りしておきます。

ただそういう興味本位の情報の中でも「まさか」の情報で売っていた週刊誌が、「まさか」の程度でネットの下にある事が一つの象徴の様に感じます。2ch情報は「まさか」の意外性、傍証からの説得力、そして速報性も優越していますから、後追いの週刊誌がこれ以上の「まさか」を提供するのは非常に難しいと思わざるを得ません。


前からネットの情報力を新聞・テレビに例えるのがありましたが、ネットは新聞・テレビ情報とは基本的に異質と感じています。ネット情報はむしろ週刊誌に近く、なおかつ週刊誌に較べると速報性は異常に早いのが特徴の様に思います。アングラ記事を売り物にする週刊誌が、ネットの発達による直撃を受けると考えるのが自然と思います。

では新聞もちろんテレビも安泰かと言えばそうでなく、新聞やテレビが持っていた週刊誌的な部分をネットはすべて食い尽くします。ネットが新聞並みの速報性を持つ週刊誌と考えれば、新聞・テレビといえども第一報の優位性だけしかなく、続報時点ではネットに追いつかれ、さらには追い抜かれますから、その分野での商品価値が必然的に落ちる事になります。

現場取材による第一報性しか優位が保てなくなる新聞・テレビ、後追いの掘り起こし能力で劣勢の分野が急速に増えつつある週刊誌、これらは残ったパイの奪い合いに進むのか、新しい存在価値を見出すことが出来るのか、外野としては興味の尽きないところです。つまるところは、従来の情報の流れが、

    関係者への取材 → 情報集積・編集 → 印刷して情報発信
こうであったのが、現在進んでいる方向が、
    関係者が直接情報発信 → ネット上で追加情報が集積
この流れを素直に読むと週刊誌が生き残る道は、ネット情報のさらに二番煎じで存在価値を見出す事ですが、そんな情報を商売として売るのは大変なのは容易に推測されます。おもしろい時代になったものです。