閑話休題2

「2」と言っても続編ではなくぜんぜん別のお話です。

昨日、一昨日はどうしても娘が見たいと言うので、それなりの時間を24時間テレビにつき合わされました。娘のお目当てはKAT-TUN亀梨和也。どうもかなりのファンらしく、自分の思春期から青春時代を思い出しながら、そういう時期に来たのだなと感慨にふけっていました。亀梨と言えばキョンキョンと噂になったことがありますが、私の世代は「あのキョンキョンがあんな若僧に!」ですが、世間の大勢は「亀梨クンがあんなおばさんと!」でしたから歳も取るはずです。

24時間テレビも長く続いているな〜と思っていたら、今年で29年目のようです。どうもこの番組は昔からあんまり好きでなくて、好きじゃないから見てなかったのですが、今年久しぶりに見てもやっぱり好きなれない企画です。おそらくこの番組が出来た頃にもそんな批判はあった様に思いますし、今でも基本的に変わってないように思いますが、一体何をしたい番組なのかと言う基本的な疑問です。

ベースはチャリティ風であることは間違いありません。今年も募金が3億円ほど集まったとなっていました。では純粋にチャリティかと言われればどうにも「???」なんです。チャリティをどうとらえるかで見方も変わるのでしょうが、私の見方がひん曲がっているせいか、釈然としないところが沢山あります。

主催は日本テレビという事になるのでしょうが、日本テレビ自体はチャリティにどう関わっているかをまず考えてみます。もちろん主催としてチャリティの受け皿になる番組を作っています。番組が盛り上がるように有名人を多数出演させ、全国各地に募金拠点を築いています。番組の趣旨にあったドキュメンタリーも作っています。そしてその制作費はCM料でキチンと賄っています。つまり日本テレビはこの番組でしっかり儲けていると言う事です。出演者には普通に出演料が支払われているそうです。それほど見ていないので確かな事は言えませんが、この番組の趣旨に共鳴してギャラを寄付したなんて話は聞いたことがありません。一部にはあるかもしれませんが、出演者も普通の番組に出演して普通に出演料をもらっていると言う事です。

寄付はほとんどすべてが視聴者の善意です。とくに小さな子供がお小遣いを貯金して持ってくる姿には感心します。寄付をする人の善意はすばらしいのですが、私にはその善意の上に乗っかってシコタマ儲けている狡賢い大人のような構図が頂けません。何かあくどさの極致のように思われてなりません。

3億円と言えばかなりの金額です。それを集められる企画を続けている事は評価しなければなりませんが、主催者や出演者はもう少し見た目だけでも良いですから工夫が欲しいと思ってしまいます。すべての制作費を日本テレビ持ち出しにするのは経営的に厳しいかと思いますが、通常の番組よりも利益率を薄くして、残りをドカンと寄付しているなんてアピールはそんなに悪くないと思います。つまり主催者である日本テレビは本当の意味で「チャリティの場だけを提供しているだけですよ」と言うアピールです。企業イメージの向上に格好かと思います。

日本テレビがこの企画で儲けようとしていないのイメージが定着すれば、出演者のギャラを格安に設定できます。これも鳴り物入りで宣伝したらよいと思います。出演者はギャラは減りますが、その代わりにこの番組に出演できると言う名誉が与えられるシステムです。番組が真のチャリティとしての評価が高まれば、そういう番組に呼ばれること、出演する事がステータスになります。ヒールで売っている芸能人には関係ないかもしれませんが、ベビーフェースで売りたい芸能人にはこれ以上のアピールの場は無いと思うのです。

29年もやっているのですから、そういう方向付けに努めていれば、今頃はチャリティの祭典としてもっと凄い怪物番組に育っていたのじゃないかと考えると、本当にもったいないような気がします。育ち方によっては民放連合の集団企画として、年に一度の国民的イベントにさえなっていた可能性も考えてしまいます。

まあ、それでも今の企画で十分視聴率は稼げて商売になっているのですから、そんなもったいない事をワザワザする必要は無いと言われればそれまでかもしれません。それでも私はその昔、全米のトップ歌手が集結して作り上げた We Are The World のエピソードを思い出して、ついつい比較してしまいます。