ネット右翼

今日はもう一つお題を、

ネット時代になって自由に意見を表明できるようになって目に付くのが「ネット右翼」とも呼ぶ勢力。べつに右翼的主張をして悪いとは思いませんが、主張が教条主義的と言いますか、洗脳されていると言いますか、非常に極端です。極端な主張をしても悪くは無いとも思うのですが、この手の連中とは間違っても論争はしたくはありません。どこかで読んだ右翼的主張のそれもかなり極端な奴に完全に感化されてしまい、それがすべての正解だとゴリ押しするだけの連中ですから本当に始末が悪い面があります。

彼らの好きそうなテーマはたとえば「靖国」。靖国参拝は国内的にもそうですし、日中関係でも非常に微妙な問題です。そう簡単にシロクロの決着がつけられる問題ではないと思うのですが、ネット右翼にかかればすべて中国が悪いで強引に結論付けようとします。いつも同じ論法なので、どこかにネタHPでもあるのでしょうが、「中国は反日教育をしている」、「チベット侵略など覇権主義国家である」、「日本の戦争責任は決着済だ」、「必要がなくなっているにODAをふんだくっている」などなど決まり文句のようにならべられます。

ひとつ、ひとつの主張は嘘を言っているのではないのですが、独善的な反中認識がドグマとして確立しているため、日中親善を唱える政治家はすべて媚中派とレッテル貼りをし、媚中派議員は中国で美女の接待を受けた売国奴であるとの結論を信奉してやみません。さらに主張がエスカレートすれば「中国となんか友好関係は不要である」との結論を安易に導き出します。

根拠としているものは一応事実ですから、たとえば「あなたは中国のチベット侵略を認めるのか」と正面切って問われれば、「認めない」との返答しかありません。「それでは認めない中国との友好を何故進めようとするのか」の問いにすぐに発展します。単純ですが誘導尋問の一種とも言えます。そこのところだけで反論しようとすれば多大な努力が必要です。

それにしてもなんと思考方法が単純なんでしょう。このての手合は問題には一つの解答しかありえず、解答をどこかの右翼サイトで拾ってきたら絶対の信条とし、それに反する輩は左翼の国賊であると言う思考回路のようです。というかそのように感化洗脳されてしまっているとしか思えないのです。

私に言わせれば、靖国も参拝の是非なんて狭い視野で考えるからおかしくなるのであって、動かせない気難しい隣人である中国をこれからどう扱ってくのかが本当の課題のはずです。言いがかりに近いような抗議であっても、これをどう対処して日中関係を築き発展させていくのかを論じるべきです。どうもネット右翼の解答は「気に入らない中国とは断行してしまえ」の短絡的なものとしか聞こえません。

外交一つにしてもそうで、水面下、水面上で幾多の駆け引きがあります。外務省が公式に行っているもの、議員がその動きに密かに連動するもの、企業のトップでも微妙な含みのある行動を時にします。中国もそうで自らの主張を日本でも通すためシンパを作る工作は怠りませんし、日本だってやはりそうです。それをごくごく表面に現れた事象だけをとらえて媚中派とか売国奴と断言する浅薄さは驚かされます。

誤解ないように明記しておきますが、右翼的思想の方を排除する気は全くありません。右翼もまたこれ立派な一つの考え方であり、思想体系です。私の考えにも右翼的な要素は多々あります。右よりのスタンスでも感嘆するような正論を吐く論客も数え切れないぐらいいます。ただ嵐のようなネットファッショとも言うべき「ネット右翼」の方々とはあまり論議を重ねたくないのが最近の感想です。

今後ネット世論は力をつけてくるかとは思いますが、短絡的な結論にすぐなびく様な状態にしてはならないとは常に考えています。情報アンテナは常に多方面に向け、他人がどうこう考えるかではなく、自分がどう考えるのか、答えは一つしかないのか、それとも複数の選択枝が残ってないのかを十分考える姿勢が大事かと思います。そもそもこの世の問題で答えが一つしか無いというのがありえない事だと自戒しながらです。