10年連続で出生率が全国で一番低かった秋田県が、1〜6歳児の保育料を半額免除し、0歳児には一律月1万円の養育費を支給する子育て支援事業に乗り出す。親の経済負担を軽減し、出産を促すのが狙いだ。
てな記事が載っていました。ちなみに出生率の全国平均は9.2、秋田は6.9ですから人口構成の急速な高齢化が問題となっているようです。それでもってその対策なんですが、
- 秋田県では91年度から第3子以降の保育料を無料にする子育て支援を始めたが、8月からこれを「半額補助」とし、第1子、第2子にも拡大する。一部所得制限があるが、幼稚園や無認可施設も含め、対象となる子どもは3万4千人余りに。「第3子以降」と限定した場合の約5倍に増えた。
ところで32億円が秋田県にとってどれほどの予算であるかですが、年間予算が7202億円。その中に重点施策とされたのが5つあります。
- 自立型産業の育成と総合雇用対策 108億840万円
- 男女共同参画社会づくり 41億903万円
- 個性と実践力をはぐくむ人づくり 41億2,236万円
- 「安全・安心」に配慮した新社会資本整備 135億4,594万円
- 自立した地域社会づくり 4億8,364万円
少子化が危機的というのなら第3子以降が無料の対策を維持したまま第1子、第2子半額補助にしなかったのか疑問です。いつもそうなんですが、こと子供の対策となるといつもいつも中途半端なものになるのです。どっかを増やす替わりにかならずどこかを必ず減らし、「差し引きでプラスですよ」みたいな結果になっています。
増やした部分は当然子育て家庭にどの部分かを直撃するわけで、たしか「危機的」だったはずなのに少子化対策の財源を子供の予算内でやりくりしようとする姿勢が目に付きすぎます。以前も児童手当を増額する変わりに扶養控除を減らして財源にするなんて施策が平気で行なわれたのが記憶に新しいところです。
また秋田県ではこの少子化対策にも「高齢化対策がおざなりにされている」との非難が早くも上がっているそうです。他県に較べて「突出」する育児支援のあおりで高齢者対策が圧迫されていると言う批判です。この声は強そうです。なにせ高齢化社会での高齢者票は投票率も高く、人口比率もドンドン増えますから、これを無視すると選挙に勝てません。知事も含めた政治家の成立基盤は選挙ですから、多数派の選挙民を意識した政策をしないと職を失います。
秋田県は政治家としては思いきった少子化対策をやったことを評価しますが、おそらくあの程度の事では出生率の回復効果はあまり望めません。成果が上がらなかったらきっと予算を削って高齢者対策にまた回すのでしょうね。
日本の将来は暗い・・・。