都知事と2時間

5/23付日経より、

日経記事にはアジアの証券市場のライバルである香港やシンガポールとの時差が1時間から3時間に広がり、東京へ拠点を移すものが増える皮算用が書いてあります。ごくごく単純に思ったのは、そんな凄い効果があるのなら、香港やシンガポールにとっても死活問題になるので追随してくる可能性はどうなんだです。国(香港も一応国単位としておきます)としての規模は香港やシンガポールの方が遥かに小さいので、融通は日本より利きやすそうですから、
    東京が2時間なら、我々は3時間だ!
こういう繰上げ競争になると日本は不利そうに思います。日本の方が緯度が高いので最終的には繰り上げ競争は不利そうに思えます。早いのが良いのなら、標準時なんて生活に大きな影響を与えるものではなく、日付を1日早めればどうかとも考えました。カレンダー上で1日早いのは絶対的に早いみたいな感じです。もちろんそんな事をしても意味は乏しすぎますけどね。

カレンダー説は他の情報からも否定されています。株なんて触れもしないので詳しくないのですが、都知事の構想の背景には日米欧で8時間ずつの24時間体制のための布石でもあるとのお話です。これに合わせるには米と欧、とくに米に合わせる必要があり、米に合わせる事が出来る国がアジアの8時間を取れると言ったところでしょうか。積極的にアクションを起さないとそれこそ香港やシンガポールに取られてしまう懸念でしょうか。


米(欧も同じかな)に合わせるのならサマータイムの問題も当然出てきます。ウォール街の立会い時間はwikipediaより、

23:30 - 6:00(日本時間)サマータイム(3月の第2日曜日-11月の第1日曜日)は1時間早い

夏場は標準時を2時間動かすだけでなく、サマータイムを導入してプラス1時間も必要になりそうな気がします。3時間はかなりの影響の様な気がします。まず朝は猛烈に早くなります。現在の午前9時が午前6時に繰り上がるわけですから、起床は通勤時間によりますが午前4時とか午後5時になります。現在は1年でも日が長い方ですが、夜明けと共に活動を始める必要がありそうです。

朝早いのは「そんなものは慣れだ!」と言われそうですが、もっと気になるのはその後です。いわゆる昼食は午前9時になります。でもって終業時間は午後2時です。まさしく真昼間に仕事は終る事になります。そういう時間帯に仕事が終れば時間を有意義に使えるの意見もあるかもしれませんが、就寝時刻も繰り上がらないと朝が辛くなります。現在の午後10時が午後7時、午後11時でも午後8時です。日暮れと共にトットと就寝が必要そうに思います。

健康的でエエじゃないかも意見としてありそうですが、ちょっと無理がありそうな気がしないでもありません。とりあえず花火産業は壊滅しそうです。


根本的な疑問として、証券市場を早く開くために日本中の時計を進める必要はあるんだろうかです。証券関係者には申し訳ありませんが、証券市場だけ早く開いたら拙いのかです。これについては、証券市場を早く開いても、とくに国内の投資家が市場に対応する時間に活動していないと意味が乏しくなるからじゃないかと思っています。

ほいでもそういう投資家ってどんだけいるのだろうです。私が触れもしていないので実感がないのですが、関係ない人の方が遥かに多そうな気がします。少額でも投資を行っている人数まで含めるとそれなりの数でしょうが、証券市場の開始に合わせてスタンバイが必要な人間はさほど多くないんじゃないかです。

後は素人の素朴な疑問ですが、時刻がそんなに重要なら、立会時間を延長したらアカンのだろうかです。最近の取引は殆んどがITで行われると聞いた事があります。大昔のように大黒板の前で売った買ったをやっていた時代は昔話になってしまったです。それなら2時間とかのせこい繰上げでなく、24時間体制に移行する事を考えた方が前向きで建設的な気がします。

公共交通機関の24時間化が少し話題になっていましたが、公共交通機関が検討されるのなら証券市場だって検討してもおかしくないと思わないでもありません。もっともそれをやると、個人トレーダーが対応しきれないのが大きなネックとしてあるのかもしれません。


ま、サマータイムの1時間だけでも長年の小田原評定になっていますから、都知事の2時間はさらにの小田原評定になるんじゃないかだけ予想しておきます。小田原評定と言うより、すぐに立ち消えてしまう程度の話題と受け取った方が良さそうな気がしないでもありません。もっとも世の中、瓢箪から駒みたいな事はありますから、またぞろサマータイム論争の引き金になるかもしれません。

そりゃ、基本2時間で最大3時間より、半年だけ1時間の方が選択なら受け入れやすそうだからです。交渉事はとりあえず大きく出て、本音で欲しいところを妥協を重ねたスタイルにして確保する手法は常套手段ですから、そういう狙いも都知事にあったのか無かったのか、「さぁ?」ってところです。それであっても脚本や演出はもう一つと感じています。