仙台乳児連れ去り事件解決

無事解決し、無傷で赤ちゃんも帰り、犯人も逮捕されで、心配されていた御家族の方々には「よかったね」との言葉を贈らせて頂きます。

蓋を開けてみれば真相は単純で、多額の借金を抱える犯人による営利誘拐だったと言う事になります。正確な統計は調べませんでしたが、日本での営利誘拐は記憶ではほとんど成功したためしは無く、それが誘拐への抑止力になっていたと思いますが、今回もそれを証明する事になり、捜査に当たった警察関係者の皆様のご尽力にもまた賛辞を贈りたいと思います。

事件の本当の真相とか、犯人のプロフィールとかは週刊誌がこれから丹念に暴いてくれるでしょうが、犯人自体はそれなりの常識人であろう事だけは推測されます。常識人であるだけに、借りた金は返さなければならないの意識が強すぎたのが悔やまれます。

借金は返済するのが常識であると言われればそれまでですが、これもまた大した仕事もしていない状態での6000万もの借金は返済など不可能です。それも高利のサラ金では尚更です。どうしてそこまで積もり積もったかは、種々の理由があるでしょうからここでは深く触れないとして、膨れ上がり返済不能になった借金の弁済のために、営利誘拐以外の手段があることになぜ気づかなかったのでしょう。

そんなうまい方法があるかって?もちろんあります。自己破産という手段です。手続きやそれによる不便な事はいろいろついて回りますが、犯罪人として処罰され刑を受けるよりもずっと穏便な方法です。そちらの選択をどれほど考慮したか、はたして思いついていたか、世間への体面や自らのプライドがそれを許さなかったかはこれから明らかになるでしょうが、日本での営利誘拐の成功率の低さを考えると、そちらに思考が傾かなかったのが残念です。

計画は決して粗暴なものではなく、かなり周到に準備されていたようですが、それでも誘拐なんて犯行に手を染める犯人の心理状態には希望的観測が多分に入り混じりますから、そうやすやすとは成功するものではありません。

最近失点が多かった警察ですが、今回の件では大いに面目を施したでしょうし、あらためて治安能力を証明したことは良かったと思います。もし犯行を許していれば、模倣犯がすぐに続出する世の中ですから、第2、第3の乳児誘拐事件が起こる引き金にもなりかねませんでしたから、本当に良かったと思います。

新春早々ですが、ホッとした気分にさせてもらいました。