ツーリング日和18 天使と女神シリーズ38
扉を開けたら目に飛び込んで来たのは豪華なシャンデリアと立派なグランドピアノ。オープンキッチンになっているようにも見えるけど、あれはキッチンなんて規模じゃなく本格厨房だよ。「やっと起きて来たか」 「飲み過ぎだよ」 これまた品の良い応接セットに…
「徳永君の態度はどうだったのよ」 「ママン大好きのマザコン息子には見えんかってんけどな」 どうだっけ。今日のアリスはとにかく緊張してた。そりゃ、人生の一大転機みたいな日だもの。だから健一の親の態度に全神経を張り巡らしていた。アリスが集中する…
『カランカラン』 木製の重々しいドアを開けたらいつものカウベルがお出迎えだ。今日も混んでるな。なんとかカウンターに割り込んで、「いらっしゃいませ。何にいたしましょうか」 なに飲もうかな。失恋のヤケ酒だからそれに因んだものが飲みたいけど思いつ…
新居への引っ越しも済ませたから次は結婚式と言いたいけど、こっちはこっちでやらなければならないステップがある。この辺は今時だから、婚姻届一枚で済ませるカップルもいると言うけど、さすがにそれはお手軽すぎるだろ。 結婚は本人同士の結びつきではある…
北白川先生の娘さんがユリさんになるのだけど、お父さんは、「まだ生きてやがりますよ。葬式の通知もありませんし」 相手の白人男性は北白川先生と恋に落ちてユリさんが生まれたそうだけど、北白川先生を捨てて母国に帰ってしまったらしい。たく、男って、「…
健一からのプロポーズを快諾したアリスだよ。あれは嬉しかったし、まさにアリスの人生劇場の名シーンだった。プロポーズまでだって大変なんだよ。まず好きな相手が出来なきゃならない。 好きな男が出来ないと恋は始まらないし、その恋が深まらないと結婚なん…