ブログの影響力は・・・

ブログを書くという作業の実際は陰気なものです。ネットを中心に材料漁りをやり、ものになりそうなネタを見つけたらこれをどう料理するか考え、料理に必要な参考資料を探して回り、それを考えた切り口にそってお話に仕立てます。書く前におおよそのプロットは立てているのですが、書き出すとさらに触れたいところが出て来ればそこの調査が必要になりますし、見やすくするための表作り(これが案外手間がかかります)、時に画像の取り込みとかをシコシコやる事になります。

日によって「今日は良く出来た」とか「今日は消化不良」は当然のようにあります。消化不良の時はストックに余裕があれば次回以降に遅らせて消化を高める事もありますが、ストックなんて優雅なものがある時が珍しいので、「今日はこれでゴメン」で掲載する事が殆んどです。エントリーは連日ですから稀に2本ぐらいストックが出来ても見る見る消化していきます。ちょうど連載コラムの締め切りに追われるコラムニスト気分を味わえるという寸法です。料金貰ってないのでコラムニストより気楽といえば気楽ですけどね。

そういう訳で私なりに苦労を重ねて書き連ねているのですが、どれほど書いたものが影響力があるだろうと考える事があります。これもブロガーなら内心のどこかで気にしているもので私も例外ではありません。ただしこれは本当に分からないのです。ブログに人気があるかどうかはアクセス数を見たり、コメントの反響である程度類推できるのですが、書いたものが実際にどれほど影響力があるかなんか調べようが無いからです。

聞くところによるとブログ先進国とされるアメリカではブログの地位は大変重くなっているとされます。実際のところを実感しようも無いのですが、ニュース論評の重要な一角を占めるほどのものになっていると聞きます。人気ブロガーになると素早く意見表明するために常にニュースに気を配り、いかに的確に意見表明できるかに鎬を削る状態とも言われています。これも日本と違いプロのブロガーなる者がいる関係ともされます。

ところが日本におけるブログの位置付けが微妙です。日本のブログは初期の紹介時に「インターネット上の日記」とされ、基本的に現在でもそういう説明がよく行なわれています。これが日本のブログの特徴とも考えています。日記と言う位置付けが基本にあるために、参加の敷居が極めて低く、総ブログ数1000万とも言われています。1000万は大袈裟すぎるとして実数は200〜300万とする推計もありますが、100万だってもの凄い数です。

参加の敷居が低い分だけブロガーの数が多いのが日本特徴と思いますが、逆に敷居が低い分だけ位置付けは低く見られているとも感じています。「しょせんはブログの意見」みたいな感じです。「しょせん」と言われればそれまでで、不出来のエントリーも量産している身にとっては耳の痛い言葉ですが、それではヨタ話の書き連ねで誰も気にしていないと考えるのはチト悲しいところです。

そんなどうでもよい事を考えていた時におもしろいHPを見つけました。hatenaはアクセスリンク元がある程度わかるシステムがあるのですが、そこで見つけたものです。作者はkoume様で当ブログにもコメントを頂いた事がありますし、私もちょくちょく読ませていただいています。koume様は農家こうめのワインというブログも書かれているのですが、これはブログとは別の特別編のようですが☆医療問題を注視しる!その3 大野病院事件☆があります。私だけはなく他のブロガーの方も既に見つけられて取り上げてますが、ユニークで秀逸な作品です。「その3」と言うぐらいですから、「その1」や「その2」ついでに「その0」まであるのですが、「その3」の中にこういう一節があります。

「そういえば前回の最後に、医療崩壊の原因についていっぱい挙げてたわよね〜。過重労働、政策の失敗、マスコミ報道、トンデモ医療訴訟、モンスターペイシェントの増加・・・ってこれ全部やるつもり?」
「どれも重要だしな・・・まあこれは所詮作者が思いつくものだけだし、きっと本職の医師たちはもっと色々思いつくに違いないから、目立つのはこのあたりとしておこう。紹介については、いくつかはいっぺんにやるかもしれないけどな。しかし実はここで一つ追加したい」
「えっ何?」
「インターネット、特にブログの発達だ」
「な・・・なによそれ・・・」

だからどうだと言うほどのものではありませんが、自分のブログの影響力も少しはあったんだとほんの少し嬉しくなりました。もちろん医療系ブログを書いている医師は私一人ではありませんが、ワン・オブ・ゼムでその仲間の一人ぐらいにはなっていると勝手に思っても許されそうです。

今日はいつもの殺伐とした内容ではなく拍子抜けしたかもしれませんが、たまにはこんなホノボノ系もお許しください。