堀江社長逮捕

こんなベタな話題しか今日は見つけられなくてすみません。無い日は無いと言うところです。特捜部が鳴り物入りで逮捕したのですから、最低限起訴されるのだけは間違いありませんが、個人的には釈然としないところがいくつかありますのでその辺を中心に。

どこかの国の諺に「水に落ちた犬は叩かれる」なんてのがあるそうです。日本でもそういう部分は相当にありまして、記憶に新しいところではダイエー中内功氏もそうですし、西武の堤義明氏もそんな目にあっています。堀江社長もこの騒動の直前まで「時代の寵児」であったわけですから、毀誉褒貶の激しさに堀江社長自らが戸惑っているかもしれません。

堀江社長の行いにはアクの強さが強烈に感じられます。手法も強引の印象が残っています。それでもビジネスの世界では、後発が先発の既得権に割り込むには常に非常な努力が必要です。先発と同じ事をしていたのでは永久に割り込めないと言ってもよいと思います。ましてや先発を凌ごうと思ったら相当強烈な事をする必要があります。法治社会ですので違法は許されないとしても、違法スレスレぐらいのリスクは背負はないと話にならないところがあります。

堀江社長の基本手法は法の不整備の隙間をつく事をしばしば行なっています。たしかに違法スレスレで企業倫理の観点から責められていますが、確実に違法であったことは無かったのではないかと思います。違法スレスレの行為を行なうためには法を十分研究する必要があり、研究し尽くした隙間を利用しなければならないからです。

そんな堀江社長が、明らかな違法行為である偽計と風説の流布みたいな初歩的な犯罪を、確信犯として行なうのがどうにも腑に落ちないのです。この辺の経済犯罪についての知識にはお世辞にも詳しくなのですが、これまでの事件の解説を読む限り「気づかなかった」レベルの「法解釈による落とし穴」に嵌ったようなものではないからです。

考えられる事は2つで、一つはこの程度の偽計と風説の流布はビジネス界では違法でありながらそれほど気にせずに行なわれていた可能性です。もう一つは実は犯罪行為は無く、もっと大きな堀江社長潰しの陰謀の犠牲になっている可能性です。

この2つの可能性は密接にリンクもしており、この捜査逮捕に至る過程で堀江社長の社会的信用は地に落ちますし、ライブドア堀江社長への信用で成り立っている部分が大ですから、このままでは倒産ないし買収されるのは必至です。たとえ無罪を勝ち取ったとしても裁判自体が一月や二月で決着するものではなく、何年かの月日のうちに堀江社長ライブドアは回復不可能の損失を蒙る事だけは間違いありません。

誰がこの事を画策しどういう目的で根回ししたかは、これからこの事件で利益を得た人を注目すれば判明するでしょうが、堀江社長が何かのための犠牲者になった気がするのは私だけでしょうか。べつに堀江社長のファンというわけではありませんが、あの行動力と発想性は捨てがたいものであると思っていただけに少々残念です。堀江社長が時代が要求する真の大物なら、この絶体絶命の逆境を跳ね返す事ができるでしょうが、がっちり外れそうに無い罠から抜け出すのは難しそうですね。