純粋に「出来心」なんですが、モノクロ画像のカラー化は出来たはずです。モノクロ映画のカラー化もしていたわけで、そういう話を聞いてからそれなりに年数が経っていますから、今ならお手軽に出来るかもしれないとググってみました。結論的にはさすがに全自動着色をやってくれるフリーソフトは見つかりませんでした。それでもググっていくとモノクロ画像への着色を紹介しているサイトはわりとありますし、見てるだけなら簡単そうに思いました。
ほんじゃ、と手を付けたらこれがさすがに手強い代物でした。まずどうやってというか、基本的にどういうメカニズムで塗っていくのか理解するのに一苦労ってところです。わかってみれば基本原理はシンプルで、
- 原画に透明レイヤーを重ねる
- レイヤーの上に色を塗る
- さらにレイヤーを重ねて別の色を塗る
レイヤーはIllustraterでもお馴染みのシステムなんですが、アナログ風に言えば原画の上に透明セルを重ねて色を塗っていくぐらいの感じです。PCが手書きよりお利口なところは、一度塗った色を後から自在に変えられる点です。機能的には
Photoshopで出来るはずなんですが、実際にやってみるとレイアー毎に色を調節する設定が上手く動いてくれません。ネットに対策を求めてもversionが相当古くて「???」ってところで、もう少しやりやすいソフトに変更したらうまく動いてくれました。つうことで習作の第1作です。
|
|
原画 |
着色後 |
さて技法的にレイアーだけでも色を塗れるのですが、サイトにはマスク技法を紹介したものが多くあります。マスクを理解するのにこれまた一苦労だったのですが、私が理解した範囲では
- 原画を複製コピーする
- 原画全体を塗りたい色に変更
- 原画の上を黒く塗りつぶすマスクをつける
- マスクの上を白抜きすると、元の原画のその部分だけ色が反映される
アナログ的に解釈すると、黒い紙に色を塗りたい部分だけ穴を空け、そこに色を塗りつけるぐらいか、原画自体の色を変えて必要な部分を切り取り、原画の上に貼り付けているぐらいです。どうにも最後のところの理解がイマイチなんですが、手法だけはわかったのでマスク技法を中心に第2作です。
|
|
原画 |
着色後 |
やってみた感想ですが、とにかく陰気な作業の連続です。出したい色がなかなか出てこないのは「慣れ」の問題なんですが、とにかく塗るのが異常に細かい作業になります。とくに今回は原画のサイズが小さくて、しかも拡大すれば境界は限りなく不鮮明になります。現実的には8倍に拡大して、
ピクセルの1点、1点に色を塗りこむって感じで、1枚につき作業時間にして4時間から5時間ぐらいでしょうか。プロに頼むと1枚につき数万円って話が転がっていましたが、なんとなくわかる気はします。私も基本技法はなんとか出来るようになりましたが、自発的ならともかく、頼まれてやりたい作業とは思えませんでした。
それでも在りし日の摩耶花壇の様子が少しだけでも再現できたので「自己満足」的にはOKとしておきます。そうそうとくに第2作は着色後に直線がギザギザになってしましたが、これを解消するには境界線処理の知識と経験が必要なんですが、そこまで頑張るには気力が尽きた・・・