舞鶴のこぼれ話

2010.7.25に舞鶴ナウとして取り上げましたが、こぼれ話程度の新展開があったようです。舞鶴の経緯をまとめておくと、

  1. 平成2年には総務大臣賞を授賞するほどの経営優秀公立病院であった。
  2. 聖地化前には優秀な研修システムがあり、新研修医制度以前でも全国から研修医が集まるほどであった。
  3. しかしその研修システムは病院会計上「赤字分野」とされ市から問題視された。
  4. 他にも事情はあったようだが、スッタモンダの末に研修システムの推進医師が退職させられた。
  5. その経緯と一連のドタバタに愛想を尽かせた医師が続々退職。(平成16年頃のお話)
  6. 最後は医師1人、入院患者2人まで減少。(その後「医師ゼロ」まで進行)
  7. その後も民間売却や自主再建などでひたすら迷走。
その後の医師数がどうなったかを調べられる範囲で確認すると、

date 常勤医の確認情報
平成16年3月 内科医13人大量辞職
平成18年3月 外科系医師辞職
6月 前院長辞職(常勤医ゼロになる)
平成20年8月 内科、脳神経外科放射線科の常勤医師5名確認(広報誌8月号
12月 新院長就任
平成21年6月 常勤医師6名確認(広報誌6月号
9月 常勤医師6名確認(京都新聞
11月 常勤医師6名確認(広報誌11月号


待望の新院長の下で経営再建に頑張るとなっていたのですが、病院経営自体は集まった6人の医師が少々頑張ったところでどうにかなるような内容でないのは舞鶴延長戦で分析しています。でもってあれから現在ですが、外来診療表を比べて見ます。比較は6人そろっていた平成19年6月1日のものと現在(9/1付)のものです。

平成19年6月1日
診療科
一般内科 副院長 副院長 副院長 T.Y 副院長
内分泌内科 * * * * 非常勤
神経内科 N.S N.S N.S * N.S
消化器内科 T.N 院長 非常勤 T.N T.N
呼吸器内科 T.Y T.Y T.Y 非常勤
循環器内科 非常勤 非常勤
整形外科 非常勤 非常勤
脳神経外科 K.I K.I K.I
平成23年9月1日
診療科
呼吸器内科 T.Y T.Y T.Y
神経内科 N.S N.S N.S
消化器内科 T.N 検査 T.N T.N
脳神経外科 K.I K.I K.I


2年前と較べても実に閑散とした外来になっています。違いは色々あるのですが、とりあえず確認できるのは院長と副院長の名前が見当らなくなっています。残りのイニシャルで書いてあるところは、2年前と同じ医師と推定可能なので現在の常勤医は4人と考えられます。院長と副院長の退職時期(たぶん退職されていると考えています)の推測ですが、舞鶴市民病院HP平成23年3月23日付として「内科一次休日診療及び整形外科の外来診療の終了について」があります。

 当院において日曜日に実施しております内科一次休日診療につきましては、平成23年3月27日(日)、整形外科の外来診療は3月31日(木)をもって終了することになりました。

 患者の皆様には、大変ご迷惑をおかけすることになりますが、ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。

どうも昨年度末で退職したと考えられそうです。もう一つ傍証として市民病院医療講座と言うのが開かれています。記録に残る最終は第10回で「1月21日(金)午後3時〜」となっています。年の表示はないのですが、日付と曜日からしてこれは今年の1/21と考えて良く、ここまではアクティビティを持って活動していたと考えて良さそうです。現在の状況に変化したのは、11/8付京都新聞より、

2月に当選した多々見良三市長が見直しを求めていた。

2月に市長選挙があったようで、これはぐるっと京都からですが、

2011年(平成23年)2月6日投開票・舞鶴市長選挙立候補者
当落 得票数 氏名 年齢 職業・肩書き 党派・現/元/新
271823 多々見良三 60 舞鶴共済病院長 無・新
15766 斎藤彰 85 京都府議会議員 無・現


前市長はたしか市民病院再建を旗頭にしていたはずですが、再選はかなわず見直し派の新市長が誕生した事になります。この新市長が前舞鶴共済病院長と言うのも興味深いところで、舞鶴迷走中には2007年(平成19年)5月に地域医療あり方検討委員会が作られ、そこで4病院の経営統合方針が出、これを舞鶴市公的病院再編推進委員会に2009年1月に格上げしたものの、2009年10月に舞鶴共済が離脱してシナリオは崩壊しています。

時期から考えてその時の舞鶴共済の院長が新市長と考えても良いかと思います。そういう方針の新市長が登場したことで、再建路線のために招聘された院長は不要となり、ついでに副院長もいなくなり、非常勤で維持していた診療科は綺麗サッパリ打ち切られたと見ても良いかと思います。副院長も基本的に再建路線のために院長代行として就任していたはずですから、院長と同じ立場だったんじゃないかと考えます。

前市長の再建路線も現実から「どうだろう」の懸念はありましたが、再建を公約にして任期中は努力され、市長選挙で新市長が「見直し」を公約にして就任されて路線転換をされた訳ですから、これも一つの民主主義的な「住民の民意を尊重する」政治ですから、わかりやすいと言えばわかりやすいものになっています。

医療崩壊ウォッチャーからはまるでゾンビの様だとも言われた舞鶴市民病院ですが、ついに市民も再建路線をあきらめたと見ても良さそうです。ただ完全再建はあきらめたようですが、生き延びるのは生き延びるようです。京都新聞記事からですが、

赤字が続く舞鶴市民病院は一般外来を廃止し、療養病院として移転新築する

エッ、新築移転するそうです。どの程度の規模かですが、

再編に伴い、4病院と府立舞鶴こども療育センターを合わせた市域の病床数を、現行1115床から197床削減するとした。

エ〜と、この5病院の病床数は、

「現行1115床」が指す1115床が何に当たるかですが、一般病床が1100床なんでこれと思うのですが、病床数に若干の変動があるのかもしれません。ここから197床減らすとなっているのですが、舞鶴市民の175床以外に22床減らすようです。そうなれば再生舞鶴市民は療養23床になりますが、前市長の再建路線中の実病床運用数は療養42床、一般40床です。

23床、42床以外に考え方として、これも京都新聞記事ですが、

修正案は舞鶴共済病院の循環器疾患医療、舞鶴医療センターの脳疾患医療、舞鶴赤十字病院のリハビリなど各病院の特定機能を強化し、医療の質向上を目指す。

舞鶴日赤の48床を移動して90床規模で作る可能性も無いとは言えません。ただ病床を病院間で移すと言うのは手続きとして厄介なもので、そう簡単に右から左に移せるものではありません。療養病床専用病院の適正運営病床数は私にはわかりませんが、23床と90床では新築移転費用の桁が変わって来ますから、どういう構想かは気にはなるところです。

それと現在でも累積赤字は莫大だと思うのですが、その上に新築移転するそうです。ま、移転となっているので現在の敷地を売り払い、その資金で新築するのかもしれませんが、今のご時世でどれだけのものになるのかは私ではわかりません。最悪新病院には現在の負債と、新たに新病院建築のための負債が覆いかぶさるかもしれません。

ただ病院ごとなくなれば負債は舞鶴市に直接転嫁されますから、会計処理上は病院はある方が良いのかもしれませんが、そこまでの話になると私の手に負うものではなくなります。ここでもし新市長の腹が閉院であるなら、新築移転構想だけ打ち出しておいて、とりあえず現在の病院を閉院し、その上で新築移転構想を断念なんてシナリオもあるかもしれません。

再生舞鶴市民病院に幸が多からん事を祈るばかりです。