まず昨日頂いた神戸市勤務医様のコメントです。
感染者が入院する病院で勤務しています。
もう入院患者は神戸市内で40人をこえており、感染者が隔離入院される措置もあとわずか
とおもいます。隔離する場所がありません、というか隔離しても無駄ということで。
現在患者はマスコミの受診自粛がきいていますが、某病院ではすでに勤務医の疲弊が
始まっていると聞きます。
もう一つ、りゅう様のコメントから、
何とか無事に?日曜日の一次救急外来が終了しました。
保健所からは時間とともにFAXまたFAXの連続でした。 しかし、小児科はどんな患者でも(感染蔓延地域居住者も通学者も含めて)発熱外来での対応は内科医のみなので不可能なので、地域の一次救急施設で対応してくれという電話が保健所からあったのが日曜日の午前8時55分でしたよ。
そしてしょっぱなの患者が神戸市中央区から避難中の発熱児でした。
それ以外にも混乱に次ぐ混乱、発熱相談センターには電話はつながらないし。
夕方に来たファックスには発熱児の診察はなるべく屋外に設置した診察室で診察するようにとか何とか書いてあったような気が・・・
しかしこの対応は休日夜間に限るもので、明日の平日昼間は小児も発熱外来に受診させるようにいうファックスが夜には届きましたとさ。
でも、驚いたのは発熱児の受診は多かったのですが、意外と家族の方は落ち着いていて現在の状況について良く理解されておりパニックになることは全くなかったです。
かえってスタッフの方が浮き足立っていたかも、と少し反省しました。
神戸市勤務医様、りゅう様、休日勤務御苦労様でした。ある程度想定内とは言え、混乱の中で医療を支えて頂いた事に敬意を表します。それとこれはソースを明かせませんが、大阪の北摂の最前線の現場の情報も聞きましたが、ほぼ同様の状態です。そうそう保健所の職員の方々も頑張ってくださいとしておきます。先週末もそうでしたが、この混乱はしばらく続きそうですから、今週末もまた大変であろうからです。
発熱外来を担当する医療機関には次々とFaxが届いたようですが、末端の私のところに現在届いている最新Faxをご紹介しておきます。基本は5/16のFaxと同じ(純粋に書き足してあります)ですが、
神戸市新型インフルエンザ対策本部決定事項神戸第二学区(兵庫区・北区・長田区)及び神戸第三学区(長田区のみ)における新型インフルエンザ患者の発生により、次のことを決定する。いずれの対応も当面7日間(16日(土)から22日(金)まで)とする。
- 神戸第一・芦屋学区(東灘区・灘区・中央区・芦屋市)・神戸第二学区(兵庫区・北区・長田区)及び神戸第三学区(長田区のみ)の幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援校は休校とする。私立学校・大学には休校を要請する。県立高校については、その旨県に要請する。芦屋市にもその旨要請する。
- 神戸第一・芦屋学区(東灘区・灘区・中央区・芦屋市)・神戸第二学区(兵庫区・北区・長田区)及び神戸第三学区(長田区のみ)の学校は、修学旅行を延期する。(私立学校にもその旨要請する)
- 神戸第一・芦屋学区(東灘区・灘区・中央区・芦屋市)・神戸第二学区(兵庫区・北区・長田区)及び神戸第三学区(長田区のみ)の保育所・デイサービス・デイケアなどの高齢者通所介護施設・障害者通所施設などは、休所・すでに来所された方の迎えをお願いする。
- 第一学区の神戸まつりについて、日曜日(17日)は、複数の感染が疑われるため中止する。
- 市関係の公共施設は、入り口で衛生管理を呼びかけ開館する。(民間施設は、注意を呼びかける)
- 市民への広報は、
- 不要不急の外出を自粛
- 手洗い・マスクの着用
- 病院に行かずに、まず発熱相談センター(078-335-2151)に相談すること
- 一般相談窓口の新設(078-322-5000)
- 発熱相談センターの改選数を増やし、24時間対応をします。
- 市役所業務は継続する(ただし、5月のポリオの予防接種は中止する。)
着信が5/17 20:11となっています。そうなると末端医療機関の対応は5/16のFaxにあった
末端医療機関としては患者発見時の濃厚接触がマスクで自宅待機回避に該当するかどうかやや不安なんですが、公式の情報としてはこれだけなので準じて従う事にする方針です。感染症法の適用下で運用されていますから、指示にはできるだけ忠実に従うのが現段階の判断として宜しいかと言うところです。
日曜の現場を支えられたりゅう様のコメントにあった、
-
保健所からは時間とともにFAXまたFAXの連続でした
<緊急連絡>平成21年5月16日
兵庫県民間病院協会神戸支部会員病院 各位
神戸市第二次救急病院協議会会員病院 各位
兵民病協 神戸支部長 ○○○○
神戸市第2次救急協議会会長 ○○○○
新型インフルエンザ対応について
前略
神戸の高校生に3名の新型インフルエンザ患者が発生しました。何れも渡航歴なし。本日午前7時より神戸市役所にて会議があり、芦屋より中央区の間の学校閉鎖・デイケア・デイサービス等は中止。神戸祭りも土曜日中止が決定しました。
発熱のある患者さんは発熱センターに電話すること。渡航歴がなくても断って結構です。できるだけ日常の2次救急体勢が崩れないよう、従業員・入院患者を守って下さい。
中央市民が発熱者のため機能不全になったときには、神戸市第2次救急病院協議会がその代わりを務め、神戸市の日常救急を守るようにしてください。
とにかく発熱相談センターに電話することが現時点のシステムの要なんですが、これは私の知人の昨日の経験談ですが、容易にはつながらなかったそうです。そりゃそうで、数百(千を越えたかもしれない)の相談が寄せられたら大変だと思います。そうなると末端医療機関に電話がかかる事も予想されますが、現時点でお答えできることはやはり「発熱相談センターにお電話ください」になります。
厚労省の方針がどうなっているかですが、まず5/16付の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会の「基本的対処方針」の実施について の「国内発生が見られた後の医療について」を引用すると、
<医療機関への受診>
- 第2段階(国内発生早期)からは、この時期最大の目標として軽症・重症を問わず、すべて検査を行い感染が強く疑われた例はすべて措置入院とし感染拡大しないようにする。同様に重症例の治療に全力を注ぐことが必要である。そのために、発熱や咳などのインフルエンザ様症状が見られた場合には、まず「発熱相談センター」に相談のうえ、「発熱外来」を受診する。
- 政府としては国民にこの趣旨を周知徹底し、「発熱相談センター」や「発熱外来」の利用について理解と協力を求める努力をすべきであり、国民も「感染により重症化しやすい人の命を守る」という政府の方針に積極的に協力すべきである。
- 第3段階(まん延期)では、多くの軽症例が発生するために、病院における治療は重症例のみに集中すべきである。更にこの時期では新型インフルエンザの患者を指定医療機関だけで治療することは、収容能力の上からも、また、感染防止対策としてもその意義は薄く、一般の医療機関も含め全ての医療機関で新型インフルエンザの治療に対応する。ただし、こうした医療機関では新型インフルエンザとして収容されている患者と他の患者との接触を断つことに十分留意すべきである。
- 多くの軽症患者が一般の医療機関に殺到すれば、基礎疾患があり重症化しやすい人に感染の危険が及ぶことになる。このため、軽症の患者へは、出来るだけ医療機関への受診を控えて、地域の実情にあった方法、例えば自宅で療養するなど協力を求める。その際、自宅待機する患者に対しては、治療薬の宅配、医療関係者の訪問など、地域毎に患者の視点に立った対応が準備されているところもあり、他の自治体もそのような事例を参考にして、患者が協力しやすい医療体制を整備すべきである。また、病院と診療所はそれぞれの役割、及び責任分担を行い、軽症者と重症者の治療に混乱のないよう連携を図るべきである。
現在の厚労省の公式の段階は第二段階のようですが、既に第三段階を視野には入れているようです。第二段階と第三段階の大雑把な違いは、
大阪も神戸も実態として措置入院で隔離する事に物理的限界が生じているのは確実ですから、ここ数日のうちに第三段階に移行する可能性は高そうに感じます。情報収集のアンテナを高くしておく必要はありそうです。なんと言ってもこういう情報はまずマスコミ発表されてから、医療機関に公式伝達されますから、よく患者から「テレビでこう言っていましたが・・・」と聞かされてビックリする事は珍しくないですからね。