ストーブリーグ

 プロ野球も秋季キャンプは終りオフシーズンに突入です。この時期はドラフトも含め戦力編成に注目される事になります。目指すのは昨季に足りなかったところの補強とか、戦力充実になります。

 阪神に足りないものは素人から見ても明白で、守備力と攻撃力のアップです。とくに守備は何年も言われ続けていましたが、矢野監督の方針では改善には至らなかったとして良いでしょう。そこで岡田監督の打ち出したのが、

    ポジションの固定
 特定ポジションのスペシャリストを養成するぐらいの方針です。これは別に斬新な方針を打ち出した訳ではなく、野球、とくにプロ野球ならオーソドックスな考え方です。斬新だったのは矢野監督のユーテリティプレイヤー路線でしょう。

 矢野路線での結果は目に見えています。ですから岡田監督のオーソドックス路線に期待出来そうな気がしています。というか、どうしてあそこまで矢野監督がユーテリティー路線にこだわったのかは不明です。そのうち真意をユーチューブ番組で語ってくれるのを待ちましょう。

 攻撃はどうかですが、短期間でアップさせるにはFAと外国人になるとは思います。このうちFAは獲れなかったのか参加しなかったのかは不明ですが今年は無さそうです。

 外国人に関しては例年のことですが、来てみて、シーズンに入ってみないとわかりません。個人的には最近では打撃で当たりの外国人は減ってきている気がします。これは阪神だけではなく他の球団もそんな気がします。ですからアタリであればラッキーぐらいでしょうか。

 そうなると現有戦力のかさ上げになりますが、阪神に久しぶりに現れた和製大砲二門にどうしても期待します。とくに佐藤輝明です。去年の佐藤の成績も悪かったわけではありませんが、三年目の飛躍を期待しています。和製で大砲が二門そろえられれば外国人助っ人の合格点は下がりますからね。

 ルーキーの森下は未知数です。他にも前川とか、井上の名も出ていますが、このうち一人でもレギュラーになってくれれば戦力強化になります。高山復活も付け加えておきます。高山も正念場も良いところですからね。


 阪神は贔屓目もありますが、それなりに駒がそろってきて来季に期待が膨らむってところですが、ストーブリーグの主役に躍り出ているのが中日です。最下位でしたから積極的に動くのは理解できますが、かなり大胆な気がしています。

 たとえば阿部と涌井のトレードなんて疑問符しか出て来ません。涌井は実績は申し分のない投手ですが、さすがに歳が歳です。京田と砂田もどうなんだろうです。そりゃ、すべては結果論になるのがプロ野球ですが、どんなものでしょうか。

 立浪監督の狙いを推測すれば、レギュラークラスを放出する事によるチーム内の競争の促進・活性化でしょうか。過去にもどこかの球団が主力級を放出して、穴埋めをどうするのだと心配していたら、キッチリと次世代の選手が台頭してくれて、出して良かったなんてケースがあったのを覚えています。

 中日のチーム事情は詳しくありませんが、立浪監督にはそういう計算があるのかもしれません。とにかく最下位ですから、それぐらいの刺激を与えることが必要と判断したのかもしれません。結果は来シーズンにわかります。

 立浪監督で一つ心配なのは監督のキャラです。とても厳しい人だとは聞いていますが、プロ野球監督が厳しい人なのは当然です。甘いことを言っていても選手は動きませんからね。

 ですがどうにもキャラが暗いところがあります。明るければ良いものじゃないですが、暗いと負けが込んで来ると余計に沈み込む悪循環が懸念されます。怖いだけの監督のチーム成績が低迷したら悲惨なことになった前例ぐらいは知っています。

 チームの成績が低迷した時に立て直すのも監督の仕事ですが、あまりに厳しくて暗い監督だった場合にしばしば起こるのが、選手が監督を見限るはあります。このまま成績を低迷させて、監督交代を目指してしまうぐらいです。

 これは弱小球団でしばしば起こります。その悪循環に立浪監督が嵌りこまないかの懸念を持っています。もっとも、同じような懸念は中日だけでなくどの球団でも起こりうることで、阪神だって例外じゃありません。

 それでも苦境に陥った時にキャラとして陽性である方が少しは有利な気はしています。たとえば故星野監督。プロ野球OBが口をそろえて、

    一番怖い人
 ここまで評される人で、あれこれエピソードというか武勇伝がテンコモリみたいな人だったようです。内情はあれこれあったようですが、それでもあれだけの成績を残せたのは求心力があったからのはずです。その一つに怖ろしいけど陽性の面もあったからじゃないかと思ったりします。


 あれこれ書きましたが、このストーブリーグは来季への期待値がひたすら高まる時期なので、それはそれで楽しい時間です。春季キャンプからオープン戦で夢がさらに膨らむのか、それとも萎んで行くのかはそのうちわかります。もう一度念を押しておきますが、

    プロ野球は勝った者がすべてを評価される
 来年はどんなシーズンになることやらです。