引き際

 原監督の実績は赫々たるものであるのは認めます。ですがどんな名監督、大監督でも終わりは来ます。原監督の手腕や采配が良かった時代があったのは間違いありませんが、傍目から見て衰えを感じてしまいます。

 大選手、名選手と呼ばれた者の引き際は大事だと思っています。そりゃ、最後までしがみつくのも、それはそれで信念と美学でしょうが、往年の活躍を知る者には見ていて辛くなることがあります。ここまでするのなら、その前にって感じてしまった者も少なくありません。

 選手に較べると監督人事ははるかにドライのはずです。そりゃ、チームの成績のすべての責任は監督に伸し掛かるからです。複数年契約をしていても事実上の更迭なんていくらでも先例があります。長年の貢献に対する温情は選手にこそあれ、監督には無縁だと思っています。

 ですが続投です。続投させるのは巨人の判断ですが、そこまで拘る理由がもう一つ見えてきません。原監督の後は阿部氏の名が取り沙汰されていますが、まだ経験不足の判断でしょうか。

 そう言いながら来シーズンが始まれば巨人が独走なんてこともあるのがプロ野球ですが、外野から見ても巨人の戦力は世代交代期に入っています。主力選手に伸びしろが少ないと言うか、年とともに衰えが忍び寄っているとしか見えないのです。

 その辺はお得意のFA補強で補う算段かもしれませんが、その手法にも限界が見えかけている気がします。FA補強を否定する気はありませんが、あまりに頻用するとチーム内からの突き上げが乏しくなる現象がある気がしています。

 悪い方にシーズンが転ぶと、これまた監督人事の定番の休養がシーズン途中に浮上する可能性だってあります。そうなった時に引き際の話が再燃する気も来シーズンはしています。すべては結果論がプロ野球ですから、そういう面でも注目しておきます。